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宅配寿司屋のバイト編


 私、斉藤られあ。


 高校2年生。


 趣味はマンガを集める事!


 ぐぬぬ、欲しいマンガが多過ぎてお小遣いだけでは足りない!


 バイトをしなくては


 接客業だと面接で落とされるから裏方のバイトだ!


 こうして私は宅配寿司屋の調理スタッフのバイトに採用された。


「君真面目そうでいいねぇ!」


「ありがとうございます、店長」


 宅配寿司屋のお仕事はまず電話で注文を受ける練習です。


「おっお電話ありがとうございます。金のおさら山本店、スタッフ斉藤がお受けいたします」


「もっと元気よくはきはきと」


「すみません」


「あと、注文のタッチパネルの入力も遅いから。住所が間違ってるとお寿司がちゃんと届かないし、寿司ネタを間違えたら苦情になるからね」


「はい」


「ちゃんと責任持ってやるんだよ」


「はい」


 次に寿司を握り桶に並べる。


「お寿司をちゃんとまっすぐ並べなさい!ななめになってるよ」


「すみません」


「うちのお寿司は回転寿司より何倍も高いんだから見栄えが悪いとお客様ががっかりするでしょう」


「そう思います」


「これは本社からも再三言われているんだけども、大事な人に作る気持ちで作りなさいって全従業員に通達されているんだ。家族や恋人に作ろうと思ったらこんなにガタガタで崩れたお寿司にはならないでしょ」


「はい……」


 どうしよう恋人なんかできた事ないし家族とも仲悪い


「この事を意識して作るんだよ」


「分かりました」


「次は皿洗いだ!」


「はい!」


 20分後。


「まだ終わってないの! 皿洗いも遅いなぁ」


「すみません」


「お家でお手伝いしないの」


「はい。あんまりしないです」


「早くできるようなるように家でお手伝いした方がいいよ。親孝行になるし将来の役にもたつよ」


「そっそうします」


「家のお手伝いしないで普段なにしてるの?」


「マンガとか読んでます」


「へぇマンガ好きなの? 俺もワンピースとか読むよ」


「あっすみません。ワンピースは読んだ事ないです」


「マンガ好きなのにワンピース読んだ事ないの? じゃあ何読むの」


「昔の漫画とか……漂流教室とか好きです」


「ふーん。でもそれだと友達と話合わないでしょ」


「とっ友達いないんでっ私っ」


「あーなんかそんな感じする笑笑」


 ブチンッ。


 私は頭にきてしまった。


「バッバカにすんじゃねーよ!」


 バンっと寿司桶を床に投げつけた。


「はぁ……はぁ……」


 たったったっ。


 私は店を飛び出して走り去っていく


「おい。ちょっと待ちなよ!」


 店長が呼び止める。


 たったったっ。


 私は逃げ続ける。


 どうしよう。戻って謝りにいかなきゃ。


 でも店に戻るのが怖い!


 そうして私はこのままバイトをバックれてしまった。


 ううっ。私の人生いつもこうなんだろう。


 私がバカで根暗な無能のせいだ。


 ああ、この世界はなんて生きづらいんだぁ!


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