【前章完結】この世界（国）はもう終わりです。

八「side of n」

私──ムニ・テリシャは、能力が既に発現している。

私の能力は「認識操作」。

べーレ様とウィル様は忘れているでしょうけど、というか私が忘れさせたんですけど、前に彼ら彼女らの母であるパトリース・ウィラードは死んでしまっているんですよね。

悲しくはありましたが仕方ない死だったと思いますけどね。気に病む必要なんてなかったのに。

みんな悲しそうだったので、立ち直らせてあげたいと思ったんです。笑顔が見たかったから。

べーレ様ももちろんですが特にウィル様。

彼はとても笑顔が似合うと思います。

そしたら次の日に彼は笑顔を取り戻してたんです。べーレ様も、皆様も。安心したんです。このまま彼の笑顔が見られなくなるんじゃと心配してましたから。

その時から自分の能力を理解していました。

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その後もちょくちょく使ってました。

さっきもウィル様が奴隷に対して余計な情報を持っていたようでしたので、正しい判断ができるように操作しました。

どちらにしてもウィル様の判断を尊重するつもりでしたよ。当たり前です。

ラトロ様に奴隷の《ギフト》を移したことも後悔されていたようでしたので、その事についての情報を削りました。

今私がおぶっているラトロ様は私の友達でもあるので、呪いに犯されている姿は痛々しくて、こちらの心も痛いのですが、もうどうしようもないことを考えても無駄ですよね。

居ないことになっているので見つかるとややこしいですからね、この使われてない地下牢に入れとけばみつからないでしょう。

ウィル様が怪我した時に移したりできるのかな？