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現れた魔族達

 突然現れたゲートからは過去に出現した魔物達が、湧き出す様に出現していた。

 ゴブリン、オーガ、サイクロプスなどの亜人族。

 他にもスケルトンやリビングメイル等が隊列を組むでもなくぞろぞろと進軍している。


 その現場に1番最初に到着したのは3女の椿であった。

 彼女の装備はフェアリーと呼称された攻防一体盾のみであるが、このフェアリーの機能が多岐にわたる。

 ある時は剣に、ある時は銃に、またある時は翼に、そして人類が求めてやまなかった技術、世界初のワープ装置にもなる。


 フェアリー4機を使ってゲートを形成し、ワープして椿は自宅から現場まで来たわけだ。

 続いて薺が到着したのと同時に楓が空から舞い降り、桜が皆の先頭に立つように空からのヒーロー着地で登場する。


「う、服の中に砂入った」


「派手に降りて来るからですよ桜姉さん」


「ほら、前向いて。 あちらさんは相変わらずやる気まんまんみたいよ?」


「何匹来ても私達が……倒す」


 魔物達は眼前に現れた少女4人に敵意剥き出しだ。

 咆哮を上げる者、武器を打ち鳴らす者、様々な様式で己を鼓舞しているのか、4人を挑発しているのか、それは分からなかったが、不意にその不快な音が、止まった。


「来る?」


「いや待って、誰か出てきたわ」


 まるでモーゼが海を割ったかのように、魔物の群れが一人の魔族に道を開けた。

 鎧に身を包んだその魔族は肌はやや浅黒く、黒い強膜に金色の瞳が兜から覗いている。


「―――――――!」


 恐らくはこの群れの長なのであろう、その魔族が4人に何か叫ぶが、様々な国の言葉を翻訳出来る4人ではあるが、流石に異世界の言語は分かるわけもない。

 4人は揃って首を傾げた。


「見たところ子供のようだ、まず手始めにお前達から血祭りに上げてやろう、だってさ」


「あ、こんにちはエイミィさん」


「よう、ちびっこ達、私も混ぜてくれよ」


「助かります、戦力は多いにこした事ありませんから!」


 4人の後ろ、赤いショートヘアで赤い瞳と青い瞳のオッドアイの女性が魔族の言葉を翻訳しながら、友樹の通う高校の制服を翻して4人の影の中から現れ、身の丈程もある大鎌を肩に担ぎながら言った。


「な、貴様! 魔族ではないか! どういうつもりだ!!」


「黙れよ魔王に言いなりの黒目共が。

 この私、エイミィ・フォン・クリスタロスの名を聞いて、恐れない奴だけ掛かってきな。

 まあ、お嬢ちゃん4人を突破できたらの話しだけどな」


「クリスタロス、そうか貴様、裏切り者の吸血鬼一族の!」


「吸血女王の娘が正解、因みに母さんもこっちで生きてるけど。

 まあ、関係ないか。どうせアンタ達逃げもしないで死にに来るんでしょ?」


 先の大戦でゲートから現れた魔族達、しかし全てが全て地球の人類に敵対した訳ではなかった。

 

 中には地球の文化、技術、娯楽に興味を持ち、

戦いでは無く共存を目指した者も極少数ながらに存在はしたのだ。

 しかし、大多数の魔族が人類を駆逐しようとしていた先の大戦中は彼女達共存派は捕虜として扱われ、大戦後も自由は無かった。


 ただ、彼女達魔族の共存派の努力と人類側の努力で数十年という苦労の末、やっと共存派の魔族達は人類に認められて今を生きている。


 吸血鬼の彼女、エイミィが日中行動するために首に巻いている遮光装置内蔵のチョーカーも、人類が彼女達の為に信頼の証として造った物だ。


「エイミィさん、何て言ってるんですか?」


「君達さてはちゃんと、魔族語インストールしてないな? 

 まあ良いや、こいつら私達を殺すってさあ」


「そう、なら殺られる前に、殺りましょう姉さん」


「そうだね! 戦闘開始だあ!!」

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