表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

魔法少女と機械少女

 疲れ果てた魔法少女、ロゼと花奈に代わり、機械仕掛けの天使こと桜、楓の2人でワイバーンはゲートから出てきたところをタコ殴りにされるという、モグラ叩き状態に陥る。


 桜の無慈悲な鉄槌と、楓の容赦ない射撃によるワイバーン叩きは、ゲートが消えるまで続く事になった。


「す、凄い」


「火力が、違い過ぎます」


「よおっし、ゲート消滅! 桜ちゃん大勝利!」


 ゲートの消滅に安心したか、変身を解除するロゼと花奈。

 小学生ながらに制服の2人を見て、不意に楓が銃身の短いショートライフルを形成して2人に向ける。


 いきなり向けられた銃口からロゼを守るために銃とロゼの間に割って入る花奈が楓を睨むが、その頬には冷や汗が伝った。


「いきなり銃を向けてごめんなさいね。

 でも警戒はしなければならないの。魔法を使う以上敵じゃない保証はないから。

 まずは貴女達の身分を証明出来る物を提示して、出来なければフルネームを教えてちょうだい」


「ちょっとちょっと楓ちゃん!? いきなり銃口を向けるのは失礼じゃない!?」


「全身武器の姉さんや薺よりはマシだし、自分達の状況が分かり易いでしょ?

 それに姉さんも薺もこういう事に向いてないし」


「だからって子供に武器を向けちゃダメだよ楓姉さん」


「う、わ、分かったわよ」


 武装解除した桜に詰め寄られ、たじたじの楓に後から薺も近付いて圧を掛ける。

 こうなってしまうと武装解除しないわけにもいかず、楓はライフルをナノマシンへと変換して身体に取り込んだ。


「逃げようとはしないでね、この状態でも私達は貴女達を取り押さえる事が出来るんだから」


「に、逃げないよ。

 身分証は持ってないから名前を。

 私はロゼ、ローゼリンデ・神木・アイゼントロート」


「花奈・エーベルヴァインです」


「ありがとう2人共。

 ……役所のデータベースに接続許可申請、完了…………身元の確認完了しました。

 神木重工のご令嬢でしたか。

 そちらの花奈さんも住み込みの侍従だと確認出来ました、協力感謝します」


 頭を下げる楓。

 先程までの警戒心は何処へやら、顔を上げた楓は2人に笑顔を向けた。


「いきなり身バレしたんだけど」


「ご当主からはそれは気にするなと言われてます、問題はありませんお嬢様」


「私が嫌なの! あんなヒラヒラした格好で外にいたなんて。誰にも見られたくなかったのに」


 ロゼが遠い目で空を仰ぐ。


 花奈の方が下にスカート等を穿いておらず、レオタード調の衣装がモロに見えていた為、格好で言えば花奈の方が際どかったが、当の本人は全く気にしてはいないようだ「心中お察しします」とロゼに付き添っていた。


「認識阻害は忘れるし、初めての魔法少女活動は失敗ばっかりね。

 お爺さまの話しだとパワードスーツみたいな格好だって言ってたのになあ」


「恐らく、謀られたのだと」


「後でお爺さまに嘘つきは嫌いって言ってやるんだから!」


「お止めください、ご当主が死んでしまいます」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ