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ブランクストーリー(仮)  作者: キー
第一章
8/71

7話 初授業


『みんなおはよう』

『おはようございます』

『昨日言ったとおり、最初は学園を見て回る。その後は魔法の講習を行う。そのつもりでいるように』


まず案内された学園は三つの校舎だった。

一つは教室がある校舎。

3階建てで階層と学年は一緒になっている。


一つは職員室や実験・研究室といった教室がある校舎。


一つは学生の活動の場となる教室がある校舎。

入学式の日に勧誘をしていた人達がそれぞれ使っている部室になるみたい。


入学式に見たプレート以外にも結構な数があって、自分達で新たに創設することも可能できる。

と言っても今は何かしたいわけじゃないからな〜。


次に食堂と学生寮を案内された。

この学園には地元を離れて入学してくる人も多いそうだ。


その後は訓練場だった。

訓練場は全部で5つあり、第1訓練場から順番に強固な結界が張られている為、高学年や上位ランククラスが使うらしい。


で、今日ボク達が使う場所は第3訓練場だった。


『本来なら皆に実演してもらうところなんだが、せっかくだからみんなが目指すべき姿の参考にしてもらおうと思う。フィールドいいか?』

『えっ?ボク?』


『お前以外にいねーだろ?』

赤マフ…じゃなくてルークがそんなこと言ってきた。


『フィールド。基本の4属性は出来るか?』

『大丈夫です』


基本の4属性とは火・水・土・風を指す。


『よし、じゃあ試験の時と同じぐらいの威力で、それぞれの的を狙ってくれ』


『じゃあ、行きます』


ボッ! ザァ! ゴッ! シュ!

立て続けに異なる効果音が的から発生した。

『『『っ‼︎⁉︎』』』


どの的も等しく原型を保っていなかった。


あれ?無反応?


『フィールド…ちょっといいか?』

『?』

バレット先生がちょっと苦い顔してるような?


『まぁ、無詠唱が出来るのを知ってて言わなかった俺が悪いんだが、起動から打ち出しが早すぎて参考にならん。周りを見てみろ』


『全部無詠唱だったぞ⁉︎』

『それより殆ど間隔なかったよ⁉︎』

『見ろよ。的が全部破壊されてるぞ!』

『すげぇ!』

『はわわわわわ!』


またやり過ぎたみたいだ。


今度は一つずつやって、その日は初日ということで終了となった。


『なぁ、セロ。魔法はシルバ殿に教わったんだろ?』

『そうだよ』

『コツとかあるのか?』

教室に戻った後、ルークからそんなことを言われた。


『コツ?う〜ん…。じいちゃんからは基本は無詠唱だ。って聞いてたけど』

『なんでだよ!段階飛ばし過ぎだろ!最初は詠唱からだろ⁉︎』

『いや、ボク詠唱ってしたことなくて』

『『はぁ⁉︎』』

何故かルーク以外の周りからも声が上がった。


『おい、セロそれは本当か?』

え?アルも?というより皆同じ反応してるような?


今まで気にする機会がなかったけど、これはじいちゃんに聞いてみた方がいいかもしれない。


『じいちゃんに聞いてみようかな?』


『っ⁉︎はいはい‼︎じゃあ私も行きたい!』

『あっ!ズルいぞ俺も行きたい!』

『もちろん俺も行くぜ!』

『アンタは遠慮しなさいよ!』

『はわわわわ!』


周りから次々と声が上がってきた。

『みな落ち着け、そんなにいっぺんに押しかけても迷惑だろう。そうだなここはクジで決めるというのはどうだ?』

アルの提案にみんなが賛成した。


『よし!ではここからみんなクジを引くんだ!』

バレット先生がどこからか箱を取り出して声を張り上げた。


準備良過ぎない?


そんな疑問を脇にクラスメイトが次々とクジを引いて行く。


ユーテス君とセリナさんは殿下の護衛があるのでクジには不参加だった。


『外したーっ!』

『クソーっ!』

『うおおおおおおおおおおおおおおお〜っ!』

『はわわ!私なんかがいいんだべか⁉︎』

『ショックぅ〜』

『みな、悪いな』


アルがいつの間にかクジ引きに混ざっている。

ついでに言うなら1番叫んでいるのはバレット先生で外れたみたいだ。


なんで先生まで引いてるの?


『殿下。そう気軽に出歩かれるのも』

『お前達がいるんだ構わんだろ?それにセロもいるしな』

『そういう問題じゃあ…』


その横でユーテス君とセリナさんが困った顔をしていた。


結局アルが行くことになったので、ユーテス君とセリナさんも付いて来ることになり9人で家に行くことになった。


『おかえり、そんなに大勢でどうしたんじゃ?初めて見る子らもいるみたいじゃが?』


『えっと、こっちは…』

『ニーナです!ニーナ・コレットです!』

『初めまして!マリー・フォン・ルーカスです』

『カイト・フォン・オズワルドです。御会いできて光栄です』

『リッツ・フォン・ボーダーです』

『ノ、ノア・ローガンです!』

『はわわ!リ、リ、リリィ・ラウルですぅ!』


緊張で声が上擦ってるみたいだけど、それよりも。


『じいちゃん、今日みんなから聞いたんだけど、魔法って最初は詠唱からって言われたんだけど?』


『まぁ、使用するだけなら間違っとらんよ。詠唱することで使用出来る幅が増えるのは事実じゃしな』


『そうなの?』


『そもそも魔法は4つの過程を踏んでおる。

一つ目に魔力の発現。

二つ目に必要な魔力量を練り上げる練魔(れんま)

三つ目にイメージした事象への変換。

最後に放出じゃな。

詠唱というのはその過程で足りない部分を補っておるのじゃよ』


『なんで詠唱すると補えるの?』


『詠唱する時には魔法をイメージして魔力を発現させるじゃろ?その時に発現した魔力が言葉に乗ってイメーした部分の補完をしておるんじゃ。ただし自分の足りてない部分を自覚しとらんと失敗するぞ。記憶に無いかな?とはいえ実践で悠長に詠唱してるヒマなんてないじゃろ』


『確かに』

アルが何やら頷いている。


『そもそも魔力の制御が出来ておれば大抵のことは詠唱不要じゃぞ?制御が未熟で過程が上手く踏めてないのが殆どじゃからな』


『『『えっ⁉︎』』』


『この子は詠唱なぞせんでも使えとるじゃろ。それに魔力量で言ってしまえばセロは並じゃぞ?』


『『『え〜っ⁉︎』』』


みんなの驚き様が凄い。


『この子の場合は魔力の制御が抜群に上手いことじゃな。どれちょっとやってみせてみい』

『うん、じゃあ…』


ズゥン!

『『『っ‼︎‼︎⁉︎』』』


『こ、これは⁉︎』

『空気が、重い⁉︎』

『はわわわわ⁉︎』

『なんて密度⁉︎』


フッ


魔力を霧散させるとみんな息を吐き出さした。


『わかったかの?魔力量に関わらずどれだけ制御出来るかで使える幅が変わるということじゃな』


『じゃあ、私もセロ君みたいになれるってことですよね⁉︎』

『魔力制御の練習を続ければの』

『頑張る‼︎』

ニーナが鼻息を荒くして目を輝かせている。

他のみんなもなんだかやる気が溢れているように見える。


みんなが帰った後の自宅にて。


『じいちゃんってやっぱり凄いんだね』

『さっきのは知り合いからの受け売りじゃ、今でこそわかったようなことを言っておるが、昔は感覚派じゃったからの』


そう言ったじいちゃんは窓から見える景色を眺めていた。


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