Cyborg の彼は
後方を振り向くと友人が居た。彼は、機械でできた腕を挙げてchessの試合を申し込んで来たので、珈琲を啜りながらニ戦行う事にした。彼女は一勝一敗であった。一回戦目は、端を破り、相手の駒の壁を用ゐてKingの動きを封じて勝ったのだが、ニ回戦目の彼のKnightとQueenの鋭く独特な動きは彼女の思考を凌駕したのである。彼女の中央に集結したその駒達の背後に入り込んでゐたのであった。彼は、人工細胞小器官技師である彼女の父上の調子は良いか訊いて来たのである。
彼女は父にも、時計職人である母にも、ここ何年も会ってゐない旨を彼に伝え、ニ階の個室に通じる瓦を無造作に積み上げた様な螺旋階段を駆け上がったのであった。
1週9日制である此処で彼女は7日は此の様に
朝方は、1階のcafeで朝食を済ませ、珈琲と共に数学の問題と格闘し、その後、2階の個室で、数学・化学・考古学・物理学等の問題と格闘するのである。残りの2日は建物の外のpatio で日を浴びながら、読書に耽るのである。彼女の収入源は自作の問題集であった。此処の住人は、殆どが人工惑星の政府から紙や珈琲豆を買い、生計を立てるか、政府の従業員として働くかのどちらかである。
彼女は本が落ちぬようにdoorを開け、個室に入り机についた。そして、又問題と格闘し始めたのである。




