反・省・会
「はい、はーい、今回の放送で悪かったとこはどこでしょう?」
マネージャーOは手をパンパンと叩きながら画面の中のひな達に問いかける。
これは前回生配信の反省会という名のお説教たいむというわけだ。
「ぜーんぶ、なつが悪い★」
「(・○・)ソウデスネ」
「……そ、それは……そうかもしれないけど……」
なつは二人の意見にぐうの音も出ない。
結局なつが肉じゃがもどきをリバースしたおかげで生配信はそこで中止。
とりあえず視聴者にリバースの瞬間を見られなかったのは無難な対応だったとは思う。
そこは褒められても良いんじゃないかな、とひなは思う。
しかし。
「そもそも、このふぃーりんぐっきんぐって企画自体に無理がないかなっ★」
かえの言葉にひなは考えを巡らせる。
ひなは料理はほとんどできない初心者レベル。
かえは何だかんだでどんな料理でも卒なくこなせそう。
なつは……たぶん料理全般壊滅的なんだと思う。
肉じゃがにサツマイモ選ぶくらいだし。
つまり、料理がまともに出来るのはかえぐらい。
「そもそもあなた達に料理コーナーは向いてない。以上」
まぁそうですよねー……。
「というわけで新しいコーナーを考える事。シクヨロー」
ブツっ。
マネージャーOの回線が唐突に切れる。
ま・た・丸投げか!
「「「はぁ……」」」
三人のため息が見事にハモる。
「で、どうするよ?」
「どうするよと言われましても……」
ひながYOURチューブを見て考えたコーナーがダメ出しを食らった以上ひなには引き出しが無い。
緊急事態宣言下の中、やれるコーナーなんてたかが知れている。
「まず、前回の反省としてはなつがリバースしたのが悪い」
「そうですね」
「はぅ……それは反省してるよー……」
「だから食べ物は却下だ。何か食べないものを作ろう」
「食べないもの……」
「ひなちゃんと、かえちゃんの薄い本ですか~?うへへぇ……」
なつは二人を交互に見やりながらよだれをじゅるりとたらす。
「違うわっ!! 粘土細工だ粘土細工。これなら大した事故も起こらないだろ」
「さ、さすがです、かえ先輩っ」
「ひなは長女で私は次女なんだからかえ先輩はやめろっ」
「いやだなあ、芸歴はかえ先輩が上じゃないですかぁ」
「それでも先輩って言われるのはいやなんだ。これ以上私の事を先輩なんて読んだら、お前の事をからひなって呼んでやる」
むむむ……か……からひな……。
かえの言葉にひなは口元に手を当てて考えを巡らせる。
……。
「……有り。ですね」
「え……、有りなの?」
まさかOKが出されるとは思っていなかったのか、かえは心底驚いた声を上げる。
「だってミュージシャングループの名前みたいでかっこいいじゃないですか、からひな」
「……あ、そう……」
ひなのセンスについていけないのかため息交じりにそう呟くしかない。
「これから私の事、からひなって呼んでくださいね、先輩」
「先輩っていうなああああ」
「クスクス……二人のやり取り、とっても尊い……」
という訳で、今度の放送は粘土細工で動物を作る事に決まった。
相変わらず行き当たりばったりである。
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