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なりあがりシスターズ!~流行病の蔓延る街でゆるふわ声優達が頂点を目指す!~  作者: 牛
第二章 それでも、舞台の幕は上がっていく。
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あゆなつ祭開幕。

 そうこうしているうちに日々は経ち。

 今日はあゆなつ祭の当日。

 軽くリハを終えて舞台に望む。

 しかし相変わらずさえとのの仲は悪いまま。

 お互いからひなとあゆみの陰に隠れて火花を飛ばしあう。



「今日のライブ、負けませんからっ」


「へん。そっちこそ吠え面かかせてやるわ」


「はいはい……もう何でこんなに仲悪いかなぁ……。あゆちゃんもなんか言ってよ~……」



 四人の間に割って入ってなつは軽くため息をつきながらあゆみに助け舟を求める。



「はあぁぁぁぁ。ひなお姉ちゃんの陰に隠れるさえちゃまも可愛い……」


「駄目ですね、これは……」


「うん……駄目だね~、これは……」



 なつとひなは揃って肩を落とすしかなかった。



「それじゃそろそろ本番だからお客さん入れるぞー」



 WING桜美林先生ことウィング先生が観客席から声をかけてくる。

 ウィング先生は今回の助っ人として雇われた男手だ。



「あ、はい~……お願いします~……」



 しばらくして。

 舞台袖からこっそり観察していると。

 マスクをしたお客さんが静かに観客席に座り始める。

 ほぼ全席が埋まっていた。


 ってあれ……。

 最前席のあのハチマキをした女の人って……。



「あ、メイちゃんも来てくれてるよ~……」



 あー……やっぱりメイさんなんだ。

 なんか胸にデカデカとポラリス命とかプリントされてるTシャツ着てるけど。

 ポラリスのファンって事はあゆみとのののファンなんだ……。

 ガラガラガラとクールビューティーなメイさんのイメージ像が崩れ去っていく。

 ……見なかったことにするか、うん。


 そして程なくして舞台の幕が上がる。

 まずは校長役のあゆみと教頭役のなつが舞台に上がっていく。


「あゆなつ祭はじまるよー♪」


「その前にー……皆―、アプリをおとしてくれたかな~……?」



 なつの声に観客達はそれぞれ手に持ったスマホの操作を始める。

 すると観客席から、ポンっという音がした後に。



『はーーい』


『ばっちりでーーーーーーーーーーーーすっ』


『桜美林♪桜美林♪』



 等々、様々なウィング先生の音声が再生される。

 これこそがなつが考えた、あゆなつ祭にお客さんを入れる秘策。

 番組で没になった、ウィングぽんの有効活用だ。

 お客さんがウィングぽんを使用してレスポンスを返すことで、演者との濃厚接触にはならないという算段だ。

 代わりにお客さんはウィングぽんと濃厚接触しているのだけれども。

 まぁその辺は気にしないという方向で。



「それじゃ、生徒の皆さんを呼んでみましょう。ひなちゃん、さえちゃん、ののちゃん。いらっしゃーい~……」



 なつに呼びこまれ、さえたちは舞台に上がっていく。

 そして、そのまま学園を舞台とした朗読劇へ。



「さえ先輩ー、こっち、こっち」


「ん?どうした?ひな」


「こっちにおいしそうな焼きそばがありますよ~」


「おまえ、食ってばっかりじゃないか。さえ達の仕事は生徒会として学園祭の見回り。ちょっとはののを見習えよ」


「そうです。あ、こっちの射的面白そうですね。行ってきます」


「お・ま・え・も・か」


「さえ先輩、お祭りなんですから楽しまなくちゃ駄目ですよ?」


「あー……うん。まぁそうだけど……。いやいやいや。生徒会は監視もしっかりとだなー……」



 そうお小言をこぼしながらさえ達はゆっくりと露店を見回る演技をする。

 ぶっちゃけひきこもニートだったさえは実際の学園祭というものを経験したことはない。

 だからこれは想像の中の学園祭だ。


 ゆっくりとゆっくりと想像の中の学園祭を巡る。



「あ、これから体育館でライブステージが始まるそうですよ、さえ先輩」


「さえは暑苦しいのパースー」


「一緒に見ましょうよー、ののさんはもうステージにいっちゃいましたよ?」


「はぁ? ……しょうがねぇなぁ……」



 からひなに引っ張られるようにさえは舞台袖に立つ。

 そうして、朗読劇はライブのコーナーに辿り着く。



「ここからは学園祭の華。ライブのコーナーだーっ!いっくよー!!」



 校長改め、ステージに立つあゆみの声で曲がかかり始める。



「それじゃ、ポラリスで『シャイニースター☆彡』。聞いてください♪」



 あゆみの隣にののが駆け寄り歌を歌い始める。

 さえ達は舞台袖からあゆみとのののパフォーマンスをみつめる。

 二人が歌う姿はそこら辺のアイドルと遜色ないくらい華麗で。

 その姿に、会場の熱気に少し気圧されてしまう。



「すごいな、あいつら……」


「そう……ですね……」



 朗読劇中から繋ぎっぱなしだったからひなの手を握り締める。

 ステージ上で歌い踊るあゆみ達の姿は、つい先日歌を収録して、なつが作ったまにあわせのふりつけのさえたちとは大違いだ。

 ののにあんなこと言った自分で言うのもなんだけど、同じステージに立って良いのか疑わしい。



「大丈夫、こういうのは楽しんだもの勝ちだから~……」



 緊張で固まってしまった、さえ達になつはゆっくりと声をかけてくる。



「あゆちゃんたちには及ばないけど、私達も練習しっかりしてきたでしょ」


「……そうだな」


「はい」



 なつの言葉のおかげで多少は緊張が和らぐ。

 そして、ポラリスのステージは終わり。

 さえ達、シスターズのステージの出番がやってくる。



「さえちゃま~、がんばってね♪」


「見ましたかっ! 私とあゆ先輩のステージは!」



 はいはい、見ました見ました。

 おかげで負けるもんかって火が心の奥底に灯ったぞ。

 絶対成功させちゃる。


 さえたちはまだまだこれからだけど……。

 全力でやりきる。

 やり切って見せる。


 三人で顔を合わせてステージに並びたち。

 元気よく声を合わせて歌い踊り始める。



「「「シスターズで『なりあがり★シスターズ』!!」」」

読んでくださりありがとうございます。

なりあがりシスターズそろそろ一区切りつけようかなと思っております。

それまで楽しんでいただければ幸いです。

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