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なりあがりシスターズ!~流行病の蔓延る街でゆるふわ声優達が頂点を目指す!~  作者: 牛
第二章 それでも、舞台の幕は上がっていく。
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みっかい。

 ある日の事。

 からひなと、あゆなつ祭の稽古の帰り道。

 珍しく先に帰るから~と言って先に稽古場を出ていったなつを見かけた。

 なつの隣には長身の帽子を被ってサングラスをした男性が共に歩いている。

 ので、さえ達は慌ててその辺の物陰に二人して身を隠していた。



「……何やってんだよ、なつのやつは」


「……誰なんでしょうね、あの人」



 あの男性が何者なのか、さえにだって分からない。

 けれど。

 最近はだいぶ沈静化しているとはいえ……。

 もしも流行病になつがかかってしまったら、なつの行動履歴を取り調べられて、この密会が発覚してしまう。

 それだけは避けなければ。

 そうなったらあゆなつ祭はおろかシスターズとしての仕事も危うくなってしまう。

 スキャンダルはアイドル声優ユニットにはご法度だ。

 うん……。

 それだけは絶対に避けねばならない。

 そう思い、さえはからひなと共になつ達をつけることにした。



「でねー、あゆなつ祭、ちょっと大変なんだよ~……」


「ふーん。そうなんだ」



 喫茶店のテラス席の一角で、周りに憚ることなく普通のトーンでそんな事を話すなつ。

 ちょっとは周りに気を遣えよと思いながらも、さえたちはコソコソと聞き耳を立てる。

 二人は何だか本当に仲が良さそうに話をしていて。

 まるで恋人同士の様で……。



「……恋人さんですかね……?」



 そんなことをからひながさえに囁いてくる。

 いやいやいやいや。

 それはちょっと飛躍しすぎ……。

 と思いながらも、今までの様子をみるとあながちそうではないのかもしれないと思えてしまう。

 うん。

 ここはさえが注意してやらないといけないな。

 そう思い立ち。

 からひなの手をとりしっかりと握り締め、さえはなつ達の方へと向かう。



「ちょっと、なつっ!アイドルに恋愛はご法度だよっ!!」


「はぇ? さえちゃん?」



 さえの言葉に何の事だか分からないといった表情のなつ。



「そんな顔して誤魔化そうとしても、ネタは上がってるんですからね!」



 さえの言葉を継いでからひなが写メをなつ達に見せつける。



「あー……」



 それを見てなんだか居心地が悪そうになつは頬かく。

 その様子を見ながらクスリと男性は笑うと帽子を取り。

 バサリと肩まで伸びる長い髪の毛が現れた。

 そしてサングラスを外す。



「え……?」


「あれ……。もしかして女の方ですか?」


「そう。私の名前は倉敷サツキ。メイって呼んでくれていいよ、シスターズ」



 からひなの問いかけにクスリと微笑みながらサツキさん……メイさんは応えてくれる。



「はぁ……メイさん……ですか」



 さえはまじまじとメイさんを観察する。

 なんか大人の……クールビューティーって感じだなぁ。

 それが率直な感想だった。



「そういえばさえちゃんはメイちゃんに会った事無いんだっけ。かえちゃんは会った事あったんだけど」


「……そだな」


「ふーん……この子が妹のさえかぁ。ホントに姉のかえと瓜二つなんだね」



 懐かしいものを見つめる様にメイさんはさえの顔をマジマジと見つめる。



「はぁ……どうも……」



 言いながらさえは居心地の悪さを感じながらもメイにお辞儀をする。



「まぁ、今後とも何かと会う機会があると思うからよろしく」


「あ……はい。よろしくお願いします」


「よろしくお願いします」



 さえはからひなと声を合わせて挨拶をする。



「それじゃ、私は今日も配信があるからこの辺で。またね、シスターズ」



 そう言ってサングラスと帽子を付けて、颯爽とメイさんは去って行った。

 ホント大人な女性って感じだなぁ。

 でもまぁとりあえず……。



「まぎらわしいことすんなっ!!」


「えへへ~……ごめんごめん~」



 なつに苦情を入れてやる。



「でもでも~……、今日も二人でしっぽりデートできてよかったでしょ、さえちゃん?」



 からひなと繋いだ手をじーっと見つめながらなつはニマニマと笑みを浮かべている。



「こ、これはっ……!」


「うへへへぇ……私に感謝してくれても良いんだよ~……?」


「誰がするかっ!!」



 そんなやり取りをしながらも、さえとからひなはお互いに手を握り合ったまま。

 その手をお互いに握り締めていた。

読んでいただきましてありがとうございます。

一見まともそうなさつきさんですが……。

今後とも楽しんでいただければ幸いです。

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