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なりあがりシスターズ!~流行病の蔓延る街でゆるふわ声優達が頂点を目指す!~  作者: 牛
第二章 それでも、舞台の幕は上がっていく。
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おもい。

「あのー……」



 気まずい。

 非常に気まずい……。

 周囲の空気がすさまじく重い。

 何故このメンツを、観客席に残してしまったのか。

 とりあえず。

 意を決して話しかけてみることにする。



「あのー……のの……さん?」


「はい……。なんでしょう……?」



 えっと……。

 なんかののさん微妙に怒ってるみたいなんですけど。

 さえなんかしたか?

 全然身に覚えないんですけどっ!!

 なんでそんなに機嫌が悪いんだ?


 再び訪れる沈黙。

 舞台の方に視線をやると、なつ達が立ち位置の確認をしている。

 はー……良いよな、からひなは。

 この胸が苦しくなるような沈黙を味あわなくて。

 そんな事を思いながら視線をさ迷わせる。

 そして、あゆみを見た瞬間。



「あ、あのっ!!あ、あゆ先輩はかえ先輩のものですっ」



 ののさんが小声でそんな事をのたまった。

 はぃ……?

 その言葉にさえは一瞬呆気にとられたが。



「あー……」



 合点がいった。

 この子、めちゃくちゃ勘違いをしている。

 さえはあゆみのことなんて、何とも思っていないのに。

 あゆみのさえへの気持ちは勝手な一方通行な想いだといってあげないと。

 そう口にするよりも早く。



「でもでも、しょうがないですよね。あゆ先輩、とっても素敵な人だし……」


「……あの変態が?」



 思ったことをついつい正直に言ってしまった。

 それが更にののとの亀裂を深めていく。



「はぁ?……あゆ先輩は変態さんなんかじゃありませんよ、この泥棒猫」


「ど、泥棒猫ぉ?……なんでさえがそんなこと言われなきゃなんねーんだよ!」


「泥棒猫じゃないですか。あゆ先輩をかえ先輩の代わりにかっさらっていって。それのどこが泥棒猫じゃないっていうんですか?」


「あゆみが勝手にべたべたしてきてるんだよ、ばーか」


「馬鹿って何ですか、馬鹿ってっ!!」


「馬鹿は馬鹿じゃん」


「私は馬鹿じゃありませんっ!!」



 売り言葉に買い言葉。

 その応酬。

 ののの言葉にさえはどんどん熱くなっていってしまう。

 ののも同様にさえの言葉にあつくなる。

 今にも乱闘が始まりそうになる、その瞬間。



「はい、ストップ、すとーっぷ!!!」



 なつが慌てて間に入り二人を慌てて諫める。

 そしていつの間にか傍にやって来ていたあゆみの元にののは駆けて行きササっと陰に隠れる。

 そしてさえに向かってあっかんべーとしてくる。

 へーんだ。

 別に悔しくなんかないわっ、そんな奴。

 こっちにはからひながいるもんね。

 そう思いながらさえもひなの陰に隠れる。



「はい、さえちゃん。何でこんなことになったのか正直に~……」



 言いながら見つめてくるなつの眼が怖い。

 マジギレ一歩前といった感じだ。

 ひなの陰に隠れながらさえはビクビクと背筋が凍る思いをする。

 ここは大人なさえが一歩引いて謝ることにしよう。

 そう思い、ため息をつきながらしぶしぶさえはののに謝罪する。



「ワタシガワルカッタデス。ゴメンナサイ」


「フン……そんなこと言っても許してあげませんからっ」



 あゆみの陰に隠れてプイっとののはそっぽを向く。

 ……人が下手に出てるのにかこつけて、このくそがきめっ!!

 まぁさえはののが何歳か知らないけど。

 あゆみやかえのことを先輩っていうんだから歳下なんだろう。

 バチバチとさえとののの間に火花が舞う。



「ぐぬぬぬ……」


「ツーン」



 ののとの間に火花を舞わせながら。

 はぁ……と小さくさえはため息をつく。

 ……こんなんで本当に大丈夫か?あゆなつ祭。

 そんな思いがふつふつと沸き起こった。

読んでくださりありがとうございます!

ののさんは起こると怖いぞなりあがりシスターズ。

そんな感じで楽しんでいただけたら幸いです。

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