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なりあがりシスターズ!~流行病の蔓延る街でゆるふわ声優達が頂点を目指す!~  作者: 牛
第二章 それでも、舞台の幕は上がっていく。
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いりゅーじょん。

 あゆなつ祭の打ち合わせをすることになり、さえ達は劇場に下見を兼ねて劇場へとやって来ていた。

 観客席であゆみは楽しそうになつと話しながら打ち合わせを進めている。

 さえはというと、あゆみからタゲられないようにからひなの陰に隠れてコソコソとしていた。

 ののさんもなんだかよく分からないけどあゆみの陰に隠れてコソコソしていたけれど。

 ののさんもさえと同類なのかな?

 そう思ってしまう。



「とりあえず男手が一人くらいは必要じゃないかな~……」


「そうだね。じゃあその辺は伝手でお願いしようか?」



 そんなかえ達の様子をよそにあゆみとなつは二人でにこやかに話を進めていく。

 こうして仕事の話をしてる時はあゆみも真面目なんだけどなー……。

 なんで私事になるとあんなにぶっ壊れちゃうんだろうな……。

 まぁ壊れるのはなつも似たようなもんだけど。

 ポンコツはポンコツを呼ぶんだろうか?



「と……それじゃ、ひなちゃん、ののちゃん。ちょっと立ち位置の打ち合わせするから舞台にいこうか?」


「あ、はい。それじゃ、さえ先輩、行ってきます」


「よろしくですー……」



 なつの言葉に促されるようにからひなとののさんは、なつとともににスタスタと行ってしまった。

 広い無人の観客席には、さえとあゆみが取り残される。



「ねね、さえちゃまー」



 そう声をかけながらあゆみがススっとスリ寄ってくる。

 無視無視。



「ねぇねぇ?さえちゃまー?」



 既読スルー。

 もうあゆみには関わりたくない。

 あゆみの問いかけをスルーしてからひなたちの様子をぼんやりと見つめる。


 しばらくして。

 痺れを切らしたのか、何やらあゆみは芝居がかり独り言を始める。

 以降、さえは一言も。

 いっさい何も発言していないので悪しからず。



「ねぇ、さえちゃま。なんでそんなにさえちゃまは私に冷たいの?」


「……だって、おまえ、目が血走っててなんか怖いし」


「え、そうだったの?ごめんね、さえちゃま……」


「フン……別に良いけどな。それだけあゆみがさえにお熱って事だし」


「え!?さえちゃま、今なんて……?」


「べ、別に何も言ってねーよっ!バーカバーカ」


「さえちゃま、あゆみがひなお姉ちゃんの代わりに可愛がってあげるよ?」


「あゆみ……」



 一人芝居をしながら座席で体をくねくねとくねらせるあゆみ。

 ……いい加減あゆみの一人芝居見るのもつらくなってきたなー……。

 あゆみも一端の役者だけあって、イリュージョンさえちゃまの再現度、無駄にあるし。

 これを本当の才能の無駄遣いという……。


 はぁ……とさえは盛大に一つため息をついてポコリとあゆみの頭を叩く。



「キモイからそのイリュージョンと会話するの止めろ」


「えー……せっかくこれからイリュージョンさえちゃまとあんなことやこんなことする予定だったのに……。ならー、代わりにさえちゃまがあんなことやそんなことしてくれる?」


「しねーよっ!? ていうかなんだよ。あんなことやそんなことって……」


「●●●してから、×××して欲しいなって」


「ぜってーしねーよっ!?」



 なんだよ●●●してから、×××して欲しいって……。

 盛大に飛躍しすぎだろ!

 ホントに馬鹿なの?

 マジでキモすぎなんだけど。

 そうやって、ギャーギャーとあゆみと言いあっているとしばらくして。



「さえちゃーん。立ち位置確認ー」


「おう。わかったー」



 なつに呼ばれたので、あゆみを放置してさえは席を立つ。

 そして再び何やらあゆみが独り言を始めて体をくねらせていたが、今回はあえて見なかったし聞かなかったことにする。

 もう勝手にイリュージョンさえちゃまといちゃいちゃしとけよ。

 そして二度とさえに近寄るんじゃねえ。

読んでいただきありがとうございます。

あゆみはもう手遅れななりあがりシスターズ。

次回も楽しんでいただければ幸いです。

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