はぷにんぐ!
「それで、お二人のご入籍はいつ頃ですかー……うへへぇ」
『なりあがりシスターズ』の配信中、なつがよりにもよってそんな事を聞いてくる。
「「に、にゅうせきっ!?」」
いやいやいやいや。
私達はあくまで女の子同士で。
入籍とかそんな事は全く考えていないわけで。
これはそう、百合営業。
百合営業なんだから。
「わ、私達は清い交際ですっ!!!」
思わず口から出た言葉はそれだった。
「そうだぞっ★何言ってるのかな? なつ★」
かえ先輩の声は冗談めかして笑っているけれど、目が笑っていない。
このままでは何か一波乱起こってしまいそうな、そんな予感。
ひなは慌てて話を逸らそうとするも。
「この間のデート、とってもいい雰囲気だったじゃないー。ねー?」
「それはフィクションですっ!!」
「えー……こんなに仲良さそうにテラス席で和んでるのに」
「「え”」」
なつが画面にかざした写真にはひなとなつが仲良さそうに手に手をとりあって微笑みあっている姿が。
「これは……。スキンシップ! そうスキンシップですから!」
「ふむふむ……。じゃあこっちの写真は?」
言いながらなつが次の写真を画面に映す前に、かえがなつからスマホを取り上げる。
「なーつー★ どこからこの写真とってたのかなっ★」
ひなやかえが注意をはらっていた範囲にはなつ達の姿はいなかったはずなのに。
一体どこでこの写真を手に入れたんだろう。
「えーっと、それは企業秘密だよぉー……」
上手く撒いたと思っていたつもりが結局つけられていた訳だ。
なつ達を撒くために色んな電車を乗り継いでふらふらしたっていうのに。
あの苦労を返して欲しい。
「それで、どこまでいっちゃったんですか~……。お二人さん……じゅるり」
ニマニマと顔でよだれを垂らしながらなつが問いかけてくる。
コメント欄を見ると。
『どこまでいっちゃったのか、私、気になります!』
だの。
『この百合、何の百合、気になる百合~』
『都知事、何処まで行っちゃったんですか!』
だの。
視聴者からも微妙に訳の分からない圧が加えられていた。
これが噂に聞く同調圧力か……。
カメラを持っているまねーじゃーOをみると、手振りで暴露しちゃえと直球で圧が来ていた。
ひなはかえと顔を見合わせて大きくため息をつく。
「特に何もなかったですよ、二人でお茶をしてのんびりデートしただけです」
「ほうほう。それではデートをしたのは認めると……?」
「配信後にその時の画像をアップするからお楽しみにっ★」
「との事だよ~。皆、楽しみにしててね~……」
そこでちょうど配信終了の時間となり、ひなは配信終了を告げ、配信を終了する。
「いやー、コメント欄も大盛り上がりで良かったわよ、なつ」
「えへへへ……いやー……それほどでも……うへへへぇ」
マネージャーOから褒められてなつはてへへへと頭をかく。
人のことをダシにして褒められるとかあって良いのだろうか。
いやよくない。
いつかなつの弱みを握ってやる。
そう心に誓うひなだった。
「あ、そうそう。明後日久しぶりに声優のオーディションあるから三人とも準備しといてね」
「「「はい?」」」
お、オーディション……?
しかも二日後?
マネージャーOの言葉にひな達は見事に固まってしまった。
チャンネル会員10万人まで、残り99945人。
読んでくださってありがとうございます!
百合営業中ななりあがりシスターズ。
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今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m




