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プロローグ
「あれ、ここどこだ?」
私は道に迷っていた。帰宅途中だったのに、友達から電話がかかってきたから、電話しながら帰っていたら道に迷ってしまった……。どうしよう……。
「えーと、こういう時は……あー!携帯の地図アプリを使えばいいんだ!……あれ?」
地図アプリを開いても、よく分からないとこになってる……。本当にどこだここ?しかも電波もさっきまで繋がっていたのに、もう圏外になっている。
もう一度言おう。ここはどこだ?
どうやら、私は本格的に迷子になってしまったらしい。
「あらまあ、新たなお客さんですか?」
「うわっ!びっくりした………あなたは?」
「あら、申し遅れましたわね。私は八雲紫。この幻想郷を管理していますわ」
「ゲンソウキョウ?」
「といっても、今の状況だと幻想郷と現実世界をつなぐ境界の場所にいると言った方が正しいでしょう」
「??全く分かりません……」
「とりあえず、私の後に付いてきてください」
「は、はあ…」
とりあえず、訳が分からなかった私は八雲紫と名乗る人物の後を付いていくことにした。