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神体コレクターの守護世界  作者: ジェイス・カサブランカ
第二章 出楽園編
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第23話 山遊びと新たな食べ物

 アイテムボックスからの出し入れの披露も終わり、しばらくして皆も落ち着き、食事を終えると


「主様はこの後はどうするの?」


 と、リーティアが俺の午後の行動が気になったらしく尋ねてきた。


「そうだな……素材になりそうな物を探す予定だ。

 午前中は周囲の植物の植生を調べていたのだが、この広場の周囲には、果物や食べ物になる物は多いが、素材に使える物が少ないな。

 皆は森の奥の方で素材を採取している様だが、この辺りには生えてないのか?」


 後でロープでも作ろうと思い、食べ物以外でそれらしい物も探していたのだが、この近くでは適した植物がさっぱり見つからなかったのだ。


「素材になる物ですかぁ?

 元々はここにも沢山あったのですけどぉ、みんなで色々と作っていたら無くなってしまってぇ……何時の間にかぁ、この広場が出来上ってしまったんですよねぇ」


 と、シルティアが答えてくれた。


 なるほど、この森の中にぽっかりと空いた様な空間は、草花が生い茂っていたのを皆が採り尽してしまったから出来たのか。


「たしかに……この周辺では見かける事は少なくなりました。

 最近はレイディアとバハディアに素材の収集は頼んでいますので、二人の方が詳しいと思います」


 次にエルフィーが、彼らの方が詳しいと教えてくれた。

 なら、その二人に案内してもらうか。


「レイディア、バハディア、素材のありそうな場所まで案内を頼んで良いか?」


「はい、お任せください」


「必ずや、ご期待に添う場所へお連れします」


 と、二人が快諾してくれたので、午後は素材採集を続ける事にしたのだった。



 その後、レイディアとバハディアの二人の先導で森の奥地へと向かうと、世界樹から離れるにつれ、だんだんと植物の植生が変化していった。


 地面に生える草は背が高い物になり、木々の密度も増してきた様に感じる。

 だが、前を行く二人が、邪魔な草や小枝は払いのけてくれるので俺は楽に歩けた。


「主様、到着いたしました。

 ここなら色々な物が有るはずです」


 と、作業広場から15分程歩いた所でレイディアが言った。


「うむ、案内ご苦労」


 この二人と行動していると、自分が殿さまか王様にでもなった気分になるな。

 そのせいかお礼の言葉も堅苦しく、偉い感じの物になってしまった。


 到着した場所には彼らが目印にしていたらしい巨木が有り、周囲を見回すと草木が鬱蒼と生い茂っている場所だった。


 なんというか、辺りの植物は草花も繊維質で長めの物ばかりで、木々は食べられる物を実らせてはいるが、ドングリやクルミなど、そのままでは美味しくなかったり殻を割るなど何らかの加工をしないと食べにくい物を実らせる木々が多い。


「この辺は食い物は無いですが、服や紐をを作るのには適している物が多いはずです」


 そうバハディアが説明してくれたのだが……食べ物が無いか。


 やはり彼らは、この辺の物は食べ物とは認識していないみたいだな。


 それも仕方ないか。

 世界樹の近辺の木々に実る果実は完璧に近い味で食べやすい物ばかりだし、そこらの地面に生えている草すらも、そのまま食べても美味しいのだ。


 世界樹の体の時に、近くに居た者達がおやつ感覚でその辺に生えている雑草をつまんで食べているのを見ていたので、昨日の夜に俺も試しに食べてみたのだが、どの草もほのかな甘みが有り青臭さも少なく美味しかった事に驚いた。

 あれらを普通に食していると、たしかにこの周辺の物は食べ物と思わないのも当然かもしれない。


 うーん、今後彼等に何が有るか分からないし、一応ここいらの物も食べられる物だと教えておくか。


「バハディアよ。この周囲も食べ物が多いのだぞ。

 例えば……――」


 俺は近くに落ちていた割りやすそうなクルミを拾って手で握り、少し力を込めて割ってみる。

 ちらっと、割れなかったら格好悪いなと思ったが無事に割れて良かった。


「……この『クルミ』の殻の中身は食べる事ができる」


 そう言い、中身を一欠片取って食べてみせる。


 味は……んー、不味くは無いけど、炒って塩か甘みを付けたい感じだった。


「その木の実の中身は食べる事ができるのですか!?」


 と彼とレイディアは驚き、さっそく地面に落ちているクルミを拾い、割って中身を口に入れた。


「どうだ?果物の様に甘くは無いが、食べられるだろう?」


「……はい、味は……薄い?と言うか……あっさりとしてますね……」


「……うーむ……味はともかく、この歯応え……食感は気に入りました」


 レイディアの反応は微妙だが、バハディアの方は気に入った様子で、次々に拾い手で割って食べている。


「主様、この周辺に落ちている木の実はどれも食べられるのですか?」


 レイディアは他の物の事も気になったらしく、そう聞いてきた。


「一応はどれも食べられるな。

 そのままでは食べにくかったりする物が大半みたいだが……――」


 彼に答えながら他に簡単に食べれそうな物を探すと、近くの木にアケビの蔓が巻き付いており、実もなっていた。


「……――この『アケビ』も、比較的食べやすい物だな」


 そう言い、俺は少しだけ皮の部分が裂けて熟している実を2つ採り、1つをレイディアに渡した。


「これは、その分厚い皮の中の、種が纏まっている部分が美味しいのだ」


 そう彼に言い、皮を二つに裂くように割って、中身の種を覆っている部分を食べて見せる。

 食感はゼリー状というか柔らかくなりすぎたバナナという感じで、味は上品な甘みでなかなか美味い。

 種はスイカの種と同じ様に口の外に出した。


 俺の食べ方を見て、レイディアも同じ様にして食べる。


「このアケビはその皮や種も食べても問題はないのだが、まぁ、そのままでは美味しくないしな、無理して食べる事も無い」


「……これは……なかなかに美味です……

 私はこちらの方が気に入りました」


「む?何を食べておるのだレイ?」


 とバハディアも俺達がアケビを食べている事に気が付いたので、もう一つ取ってやり食べ方を説明する。

 バハディアは説明した通りに食べたが、彼の方はアケビの食感がお気に召さなかった様であった。


 ま、人には好き嫌いがあるよね。


 さてと、二人にこの辺の食べ物の説明も済んだし、素材集めを始めるか。


 ん? このアケビの蔓でいいか……?


 なかなか丈夫そうだし長さもそこそこある。

 ロープにするにも丁度良さそうだし、これにでいいか。


 しかし、こうやって森の奥で実ってる物を食べたり蔓などを取ってると、子供の頃の山遊びを思い出すな。


 俺がアケビの蔓を地面から引っこ抜き、巻き付いている木から引っぺがして回収していると、なにやらレイディアとバハディアが相談事をしていた。


「……なぁレイ、これも持ち帰った方が良くないか?」


「む?そうか?

 わざわざ持ち帰らなくても、帰ってから皆に教えれば……」


「話だけだと、リーティア達が怒ると思うぞ?」


「あぁ、たしかにしれんな……

 シルティアも機嫌が悪くなると面倒だ。

 しかし、素材もあるしそんなに持てんぞ……」


 なんか……二人とも彼女達の尻に敷かれてるみたいだね。


 俺の目的だった蔓は手に入ったし、二人を助けておくか。


「どうしたのだ二人とも? 何か問題か?」


「主様。その……このクルミやアケビを持ち帰りたいと思っておりまして」


「リー…皆にも食べさせてやりたいのです。

 今まで食べた事の無い物だったので」


 バハディアはリーティアって言いかけたか?ははぁん、なるほど。


 まぁ、彼らと彼女らには竜人の存亡が掛かっているのだし、円満な家族計画の為にも手を貸しておくか。


「持ち運びの量なら問題はないぞ。

 今回は私に任せておけ」


 そう言って手に持っていたアケビの蔓を、アイテムボックスにしまって見せる。


「私が天界の倉庫に入れて持って行くから、持ち帰りたい物は好きなだけ持って来なさい」


 そこからは彼等の行動は早かった。


 二人とも元気よく返事をすると、周囲に散らばっている木の実を掻き集め、実っているアケビやザクロ、何処にあったのかパイナップルなども採って来た。

 俺も二人が持ってきた物をどんどん収納しつつ、気になった物を採取していく。


 ん? ムカゴが有るじゃないか、という事は山芋が埋まっているのか。

 山芋を掘るのはさすがに面倒だし、ムカゴだけでも採っていこう。


 アイテムボックスに入れておけばダメにならないだろうし、調理器具でも作れたら火を通して食べてみよう。


 お? あっちにも……


 そうして俺たちは日が暮れるまで、森の奥で色々な物の採取に夢中になった。

ムカゴは山芋の蔓に実る小さな実で

炒ったりして塩を少しつけて食べると美味しいです

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