召喚
今回は、一度は書いてみたかった異世界召喚ものを書きました。どこまでやれるかはわかりませんが頑張りたいと思います。
どうか、読んでやってください!m(_ _)m
俺はモブだ。、それは一番自分がわかっている。
「王子!これ、受け取ってください!」
「私のもお願いします!」
「いや、だから王子はやめてくれよ!」
次々と女子達が、自分…ではなく、自分の隣のイケメンに群がっていく。
「もう、金魚のフンが王子の隣にいるのよ!王子にチョコ渡せないじゃない!どいて!」
そう、今日はバレンタインデー。さっきまで、自分の隣にいて、今は女子に囲まれている青高の王子こと、天宮海斗にもっとも関係がある日。そして、青高の王子の金魚のフンこと、山田五郎にまったく関係がない日だ。
「いや、みんなごめん!俺、甘いものが苦手なんだ。だから、気持ちだけもらっておくよ。」
「えーそうなんですかー!?」
「ざんねーん、でも、わかりました!」
「ほんとに、ごめんね!」
「いえ、大丈夫です!」
しばらくすると、海斗が女子達にやっと解放されて戻ってくる。
「五郎、ごめんね!なかなか離してもらえなくて。」
「やっぱり、王子は凄いですね~。俺なんかチョコ貰うどころか、また、金魚のフン扱いされましたよ~」
皮肉ぎみにそういうと、
「五郎まで王子はよしてくれよ!それに、五郎は金魚のフンなんかじゃないよ!俺が、五郎といたくているんだから!」
「さらっと恥ずかしいこと言うんじゃねーよ、いいから早く教室いくぞ!王子!」
「だから、王子はやめてくれって!」
そう、別に俺は海斗の金魚のフンではない。ちょっとしたことで、話すようになり今ではいつも一緒にいる親友になっている。
海斗はほとんど、完璧だ。成績もよく、運動神経抜群
サッカー部のエースで顔もどこのアイドルかというぐらい整っている。それなのり、変に威張ったりせず誰にでも平等に接する完璧超人だ。それに引き換え、俺、山田五郎は運動神経はそこそこだが、超がつくほどのオタク、成績も中の下、顔は並みより少し下、これといって特技があるわけでもない。性格は、まぁ良く言えばに明るく、大抵のことは気にしない男だか、悪く言えば、能天気で、雑とも言える。
なぜ、海斗なんかが俺といまだに仲良くしているかが謎なくらいだ。
キーンコーンカーンコーン 昼休みの鐘がなる。
「おい、海斗!いつものとこで昼飯食うぞー!」
「あ、わかった!」
昼休みになると、いつも屋上で昼食をとることにしていた。
階段を上り、屋上に向かっていると黒い影が見えたような気がした。
「あれ?いま、なんか影が動かなかったか、海斗」
「え、そう?気のせいじゃない?」
「気のせいか。そうだな。」
気にせず、階段を上って屋上のドアを開けた。いつもなら、フェンスと白いコンクリートの見慣れた景色が見えるはずだった。しかし、今回は違った。いや、違いすぎていた。
二人の目の前には、どこまでもどこまでも広がる広すぎる草原が現れたのだ。