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ピーマンの肉詰めには人肉が入っていると思っている女とその世界。

http://ncode.syosetu.com/n4576bz/の世界


活発だが、ピーマンの肉詰めには人肉が入っていると思っている女がいる。


何度も自分がピーマンの肉詰めを作ってあげても変わらない。


「お前、いつ人肉いれたんだ?」

「だから、入ってないって言ってるだろ。人肉。」

「でも、入っちゃってるじゃん。」

「それは豚肉だって。」

「これが豚肉なわけないだろ。正気か?どうやって豚殺したんだよ。」

「知らないよ。スーパーで買ってきただけ。」

「それに豚肉の味なんかわかんねえだろ?私みたいに毎週一回は食べてねえと。」

 週一って逆に少ないと思う。


彼女はピーマンの肉詰めには人肉が入っていると思っている以外は普通だ。普通より胸も大きいし、顔も整っている。ピーマンの肉詰めだってしょっちゅう食べるものでもない。


しかし、僕はあることを思いついてしまったのだ。


「お、今日の晩御飯もまた、ピー肉かよ。」

「好きだろ?ピーマンの肉詰め。」

「好きだけど、こんなに食べちゃうと申し訳ないな。たまには肉の方をマンピーに詰めてやらねえと。」

「なに言ってるんだ?」

「なんでもねえ。それより、そこどうした?」

「ああ、ちゃっと怪我しちゃって。」


血はまだにじんでいたが、悟られないように包帯で何重にも巻いた。


「今日のピーマンの肉詰めはどうだ?」


僕は彼女がなんて答えるかドキドキした。


「・・・あれ?これ?豚肉?」


彼女の答えは僕が思っていたのと少し違っていた。

僕が時空操り女に連れられてきた世界は、至って普通の住宅街。新しい家が積み木を並べるように建っている。ゴミ捨て場にはマナーを守っていないゴミ袋が赤い張り紙をされて放置してある。ゴミ袋の中にはビニールに包まれた生ごみだ。生ごみはよく水を切って紙袋に入れなければならない。


「大学が近くにあるのか。ゴミ捨てのマナーを守れないのは都会から来た学生だ。都市では燃えないゴミもすべて燃やせるからな。」

「そんなことより、あなたーん。あなたの探す女はどこにいるの?」

「おそらくこの家の中だ。オイスターソースのいい匂いがする。」


僕たちはノックもなしに新しめの3階建て一人暮らし用アパート203に入る。

アパートに入ると、そこにいたのは黒髪ショートの元気そうな女とピーマンの肉詰め。


「この女がそうなのーん?」

「いや、違う。この女はただのピーマンの肉詰めには人肉が入っていると思っている女だ。」


僕はきれい目な皿にのった肉詰めピーマンをつまんでみた。いい油だとわかる。


「こいつを生き返らしてくれ。」

ゴミ捨て場のハエも加わり、黒坊主にしかみえない死者蘇生女が壮大な口笛を吹き始めた。

それを合図にしたようにピーマン肉は大三角形の結晶を無限に無限につくりだす。命が抽出されているのだ。

命の結晶は集まり集まって人の体をなした。それは巨乳をなした女の姿をしたタンパク質となる。


僕は生き返った女を見て気を失った。

そこまで美しかったからだ。脳が遮断を余儀なくするほどの美貌。血液が瞬間的に性器に集められるほどの麗しさ。


「肉の塊にまでなっても男を引き付けて病まなかったのか。」

だからマンピーの肉詰めをみんな好きなのだ。


僕たちは美貌女を殺してピーマンに詰めた。お弁当にもっていくのに最適化したのだ。

ピーマンの肉詰めには人肉が入っていると見抜いた女は仲間にした。彼女は物語の本質を理解することができる。

「お弁当集めの旅なわけ?楽しそうだな。」

ピーマン女は、本質に早くも気づき始めている。


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