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飛び降り自殺
2011/10/21改稿
この道を通るたび、あの人はビルの上から飛び降りる。
あの人の顔ははっきりとは見えないがいつも上下黒のスーツそして、飛び降りた先に行くとあの人はいなくなっている。
もう数え切れない回数の飛び降りる彼を見ていたので最初ほどの驚きは無いが、今回は違った。
飛び降りているあの人と目があった。僕はあの人の事を知っていた。上下黒のスーツ、青色のネクタイ、黒縁メガネ。
あの人は僕だった。
そして思い出した……あの人は会社をリストラされ、家族には見放されて、自殺をした僕自身だ。
――あの日から自分の自殺を何度も何度も見ている。
あと何回僕の自殺を見たら僕はこの地獄を終わらせれるのだろうか?
あっ! また僕がビルの上から落ちてきた。
自殺をしてきた人達は永遠に自分の死亡する瞬間を見続けているのかもしれないですね