私には見えるの 弐
※9/21訂正
私は高校三年のあの夏の日から世間でいう『幽霊』というものが見えるようになってしまった。あの日から毎日のように『彼ら』は私の前に姿を現す。それは守護霊の時もあるが、一番私を苦しめたのがこの世に未練を残してしまった幽霊達であった……
高校を卒業して大学に進学をした大学で新しい友達が出来て、私はそれなりに満足していた。でも私にしか見えないもの――死後彷徨える者達――に関しては誰にも教えていなかった。
ほとんどの人には守護霊のような霊が一人後ろについている。道を歩く人々の後ろについている守護霊達を初めて見た時は私も怖くなってしまったほどだ。前後左右どこを見ても幽霊だらけのこの世の中に嫌気がさして外出が出来なくなった時期もあったが、今となってはそれも慣れて幽霊だらけの世界に何も感じなくなっていた。そして私の前にいる女友達の後ろにも守護霊がついていた。
大学の生活にもだいぶ慣れてきたある日、いつものように友人が私と会話をしようと近づいてきた。私はすぐに彼女の異変に気がついた。後ろにいる霊がいつもの守護霊ではなかったのだ。その霊はまるで彼女を恨んでいるような眼差しで睨み続けていた。彼女に対して「いつもと守護霊違うんだけど、何かあった?」とは聞けず、いつものように彼女とどうってことない会話を楽しんだ。
その次の日、また彼女が私に近づいてくる。……増えている。彼女を睨む霊が一人増えていたのだ。
そしてまた次の日と日を追うごと一人また一人と霊が増えていく。
そしてその霊達が約10人ぐらいになった時、さすがに我慢が出来なかった私は彼女に聞く事にした。
「最近何かあった?」と。そして私は全て理解する事ができた。
彼女は大学に進学をしたと同時にキャバクラでバイトを始めたのだと言う。
私の予想だと後ろにいる霊達は……だろう。
しばらくして、彼女はキャバクラの常連客に金銭トラブルで首を絞められ殺害された。
彼女が殺されてしまったのは後ろにいた霊達の仕業なのかは私には分からない
あなたの後ろにいる人は大丈夫ですかね