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私には見えるの 壱

※9/21訂正 

初めて見えるようになったのは高校三年生の夏――


高校三年生の夏はこれからの人生の岐路を選ぶもっとも重要な時期で、私も他の高校生達と同じく将来について色々と悩んでいるような普通な女子高生だった。あれこれ考えているうちに夏休みに入って、気晴らしに男子を含む友人達と近くのプールに遊ぶ事になった。


プールで遊び終えた私達は男子の提案で近くの廃校に肝試しに行く事にした。廃校の中はまだ昼間にも関わらず薄暗い、私も一応女の子という立場から「コワ~イ」など言って他の女子達にまざって怖がった振りをしていた。正直私は幽霊みたいな非科学的な存在を信じていない、なのでこういう場所に来ても何が面白いのかと醒めていた。

しばらく皆と歩いていたら少し離れた教室の前に白い服を着ている女の人が立っていた。私は驚き、友人達に「あの人誰?」と聞いたが他の人達は「何が?」とか「怖がらせるなよ~!」だとか言われて、私は逆に友人達が私を脅かそうとしているのかと思っていたがその女の人にどんどん近づいているのに友人達は本当に見えていない事が分かった。私にだけしか見えてない……

そんな事を考えていたら、その女の人と目が合った。

女の人は私と目を合わせると私達に対して睨むように目を細め、ゆっくりと口を開け、そして音の無い声を出した。私は恐怖で体を固め、その女の人を見ることしか出来なかった。その女の人が何て言っているか聞こえないのだが、その女の人を見続けていた私は口の動きで何を言っているのか分かった……


「こ こ に は は い る な」


結局、私の顔色が悪いのを心配してくれた友人が肝試しを中断してくれたためその教室に入ること無く帰宅する事になった。

あの教室には何があるのか? そしてあの女の人は誰なのか? 今でも分からない。


そしてあの日から私には死後彷徨える者達が見えるようになってしまった。 

口パクで喋る幽霊って想像したら怖くないですか

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