Schatten
※2011/8/25訂正
影とは物体や人などが、光の進行を遮る結果、壁や地面できる暗い領域である。これは一般論であり常識である。
バーでバイトをする事になり、帰宅をするのは当然深夜。バイトが終わりいつも通り鞄を片手に帰宅をする。しばらく歩いて、横断歩道で信号待ちをしている時……
一瞬、自分の影が僕と違う動きをしていたように見えた。あまりにも微妙なので勘違いだと思った僕は右手を上げてみる。影も僕の動きと同時に片手を上げる。
やっぱり勘違いでは無かった。
影は僕の片手と反対の手を上げている。
横断歩道の信号が青になったが僕は一歩も足を動かす事が出来ずに立ち竦んでいる。影も僕と同じく立ち竦んでいた。どうする事も出来ない僕はとりあえず歩いてみた、影も僕と同じく歩き出す。
横断歩道を歩いている途中で突然影が激しく動き出した。
しばらく見ていると影は僕に対して何かを伝えようとしているように見えた。
影は両手を僕に向けて『止まれ』の合図を出しているようだ。
そんな影を僕は立ち止まり見ていると
「ブッーーー! キキッーーーーー!」
僕が後ろを振り返ると光に包まれ、気が付くと僕は宙を舞っていた……
僕は地面に落ち、僕の視線の先にはトラックから人が降りて僕の方に向かってくるのと
僕の影が踊り狂っているのが見えた。まるで喜んでいるかのように踊り狂っていた。
僕はそれを見て、意識を落とした。
影は影でいることが嫌だったんでしょうか……