主人公はあなた
※2011/8/25訂正
深夜一時頃あなたはいつものように『小説を読もう』で小説を読み漁りながら煙草に手を伸ばす。煙草の箱を開け、中から煙草を取り出すために指を入れる。だが煙草はさっき吸ったのでどうやら最後のようだった……あなたはしょうがなく煙草を買いに行くために重い腰を上げ、財布を手に取り家を出る。
田舎町の深夜はあまり明かりが無く、とても気味が悪い。
田舎町を照らす明かりは信号のみでほとんどが走行中の自動車に徐行を促すためにある黄色の点滅信号だけだ。その黄色の点滅信号がよけいに道を気味悪くする。
徒歩十分のコンビニにわざわざ車で行く必要性が無いと思ったのだが、不気味な夜道を歩いていくほどあなたは車で行けばよかったと後悔する。
あなたは5分ぐらい歩いていた時に男性の声がした。声につられてあなたは視線を向けた。暗くてはっきりとは見えないが10mぐらい先で男性と女性が抱きあっているようだ。こんな深夜に不謹慎だなぁと思っていてもあなたは視線を外さなかった。お互い体をゆっくりと離し、女性は右手で男性の首筋に何かをした……。すると、男性は首筋に両手を当てながらゆっくりと倒れる。
あなたは男性が倒れたのを見て、急いで二人の下に向かう。女性はあなたの存在に気付いて体をあなたの方に向ける、あなたは女性を見て足を止める。身長は160ぐらいで黒のロングヘアー、ジーンズの短パンまではよかった……
血でほぼ真っ赤に染めた白いシャツ、右手に握る包丁と思われる刃物。あなたは殺人事件の目撃者になってしまった。彼女は虚ろな目であなたを見ながら、此方に歩いてくる。
とっさにあなたは振り返り、全速力で彼女がいない反対方向に向かって走り出す。必死に走りながら後ろの彼女を確認する。彼女はもの凄い形相であなたに向かって走っている。それを見てあなたは体に鞭を入れる。ほんのわずかだが彼女よりはあなたの方が足が速い。
あなたはとある駐車場の車の影に体を隠した。息を殺しながらあなたは彼女が通りすぎるのを待った。
『コツ、コツ、コツ、コツ』
彼女の足音が聞こえた。彼女は歩きながらあなたを探しているようだ。あなたは絶対に彼女に気付かれたくないため、息を止めた。
『コツ、コツ、コツ、コツ』
彼女の足音がだんだん小さくなった。どうやらあなたを完璧に見失っているようだ。あなたは彼女が離れていくのを確認してから、息を止めるのを止め、息を吸って吐き出した。
あなたはこれからどうするのかを考えていた。
「……見~つけた!」
後ろから声がして、急いで振り向くと彼女は刃物を握った右手を振りかぶっていた。あなたはとっさの判断で彼女に思いっきり体当たりをする。彼女は1mぐらい吹き飛び、まだ刃物は握ったままだ。あなたは彼女から刃物を奪い取るという行動を取らずにその場から離れるという行動を取った。
あなたは全速力で彼女から逃げ出した。
自宅のアパートに到着して自分の部屋に駆け込み、鍵を全て閉め、部屋の明かりを消した。
あなたは自宅に戻れた事で緊張と恐怖から解放され、力が抜けて座り込んだ。
30秒ぐらいしてようやく思考も回復したのか携帯を手に取り、警察に連絡する事にした。
あなたは震えた手で1、1、0と打ち込み、最後に通話ボタンを押そうとした時に
『コツ、コツ、コツ、コツ、』
玄関越しに足音が聞こえる。
100%とは言い切れないないが彼女の足音だろう。
あなたは無性に誰か確認したくなり、携帯を静かに床に置き玄関の覗き窓に目を近づける。
『コツ、コツ、コツ、コツ、』
長は160ぐらいで黒のロングヘアー、ジーンズの短パン。そして血でほぼ真っ赤に染めた白いシャツ、右手に握る包丁と思われる刃物。
(……彼女だ!)
だが、あなたの部屋は知らないようでウロウロしている。しばらくすると彼女の足音も小さくなり、完全に気配が無くなった。どうやら諦めてくれたようだ……あなたは安心して携帯を手にして警察に連絡した。あなたは警察に必死で説明しながら、ふと思った。
(彼女はいったいどこに向かったのか……?)と
小説がここで終わってしまっている。
あなたはオチの無い小説を見たことに怒りを覚えた。
あなたは気付いた
この小説がまだ続いている事に
あなたはゆっくりとページの下にスクロールする。
彼 女 の 行 方 、 気 に な り ま せ ん か ?
こういう話を見てから後ろって見たくないですよね……
あなたは振り向く勇気はありますか