友人の葬式
2011/10/21改稿
僕の友人が交通事故で亡くなって、葬式に呼ばれたので行く事になった。
僕は葬式中、とても悲しくて泣いていた。
まだ中学生の僕にとっては友人の死を簡単に割り切れるほど大人ではなかった。
お坊さんがお経を読みながら木魚を叩いていた時に聞き覚えがある声がした。
「く…ら……よぉ……」
あまりよく聞こえないので僕は集中して、耳を澄ました。
「暗い、暗い、暗いよぉ……」
今度は間違いなく聞こえた! その声は紛れも無く僕の友人の声だった。
周りの人は反応していない? 僕にしか聞こえていないのか!?
僕は怖くなって席を離れようとしたが親が「我慢しなさい!」と僕を引き止める。
僕も友人の声が聞こえるとは言えないので、我慢する事にした。
それでも僕だけには友人の悲しそうな声が聞こえ続けた。
「暗い、暗い、暗いよぉ……」と。
葬式が進んで、僕達は火葬場に向かった。
火葬場に友人が入っている棺が入れられ、火が点けられた。
すると
(熱い! 熱い! 熱いよぉ!)
また友人の声が聞こえてきた。
さすがに怖くなった僕はその場から今度こそは離れようとしたが、また友人の声が聞こえた。
(なぁ! そこにいるんだろ!? 助けてくれよぉ! ここから出してくれよ! 親友だろ!?)
友人は間違いなく僕に助けを求めてきた。
僕は驚き、恐怖で竦む足を動かしその場から逃げ出した。
日本はほとんどの人が死後、火葬されます
火葬される本人達は本当にそれを望んでいるのでしょうか