転生
貞操逆転世界に、転生した。
どうやら、この世界では男が少ないらしい。
いやいや、あり得ないって思うだろ?でも、本当なんだ。
転生っていうより、転移か?俺の身体のまま、こっちの世界に移ってきた。この世界にも元の俺がいたんだろうが、そいつと入れ替わったみたいな感じだ。
さて、ラノベ界ではそんな古い歴史を持っているわけではなく、しかし浸透している貞操逆転世界転生モノだが、そこではよく無自覚な主人公らがその世界の女達を狂わしていく。元の世界の距離感と、貞操逆転世界の距離感は違うから、それで女達がやられるのだ。
しかし、無自覚なんて、つまらない。
俺は、転生者であり、貞操逆転世界モノの知識が入っている。そして、前世でも女には全然触れなかったので、寧ろ俺の方が距離感が分からない状態だ。
しかし、何も問題はない。
なぜなら、これは神がくれたチャンスだからだ。前世ではモテないどころか一人からすらも好かれなかった俺への、救済措置。
神は言っている。「ここでモテない宿命はない…」、と…。
だから、俺はこの世界で、無自覚なフリをして、女の距離感をバグらせ、墜としてやる…。
それが、俺の生きる道だ…。
おっと、自己紹介が遅れたな。俺の名前は摩恵原啓一。某セミ系の名前のホラーゲーム主人公と名前が同じなのさ。因みに、俺は講談社BOX派だ…。俺の友達にはアニメ派と原作派と文庫本派しかいなかったクソめ。学校では、嫌われてる。
そう…「嫌われている」のだ。もはや空気以下というレベルで嫌われている。
何故だ…。
俺と話すとストレスが溜まるとか言われる。俺は、なんて可哀想な奴…いや、待て。神様は見てくれているのだ。だからこそ、俺はこの世界に転生したのだ。
…今は、病室で親が来るのを待っている。俺の元の親と違うのだろうか。オヤジ…。あいつ、もしかしたら消えてるかもな…。いや、お袋も変わってるかもしれない。そう、ものすごく若々しい、凄い美人な人に…。前世ではいなかった妹や姉もいるかもしれない。
…期待が膨らむぜ…。
この世界の俺についての情報も収集しないとな…。
俺は腑抜けたラノベ主人公どもとは違う…。最初から全力でこの世界を満喫する。
待ってろよ、貞操逆転世界ライフ!
そして、まだ見ぬ俺の将来の女達よ!
俺は、今、最高に幸福だッ!
そう、思っていた。




