005.王都という名の戦場
王都の地下、冷たい光の中で行われる研究。
進化の代償に胸を抉られながらも、ミサキは真実を見据える。
知識は救いか武器か――その狭間で揺れる一瞬を描きました。
【毎週日曜日投稿予定】
## 第一章:旅立ちの朝
三日後の朝。
グランベルの町を出発する日が来た。
冒険者ギルドの前には、豪華な馬車が停まっている。アルブレヒト公爵家の紋章――双頭の鷲が金色に輝いている。
「本当に行くの?」
エリカが心配そうに聞く。
私は小さな荷物を持っていた。着替えと、ノート、それだけ。
「行かないと、町に迷惑がかかります」
グレゴールとセバスチャンも見送りに来ていた。
「ミサキ」
グレゴールが私の肩に手を置いた。その手は、温かく、そして少し震えている。
「王都には、薬師ギルドの本部もある。もし困ったことがあれば、そこに行きなさい」
グレゴールは封蝋された手紙を渡してくれた。重厚な羊皮紙。封蝋には薬師ギルドの紋章が刻まれている。
「ありがとうございます」
「僕も一緒に行きたかったんですが……」
セバスチャンが残念そうに、そして申し訳なさそうに言った。
「ここの患者たちを頼みます。治療法は全部記録してあります」
「わかりました。必ず、守ります」
その時、馬車の扉が開いた。
「時間だ。乗りなさい」
クラウスの冷たい声。まるで家畜を扱うような口調。
私は深呼吸をして、馬車に乗り込んだ。
扉が閉まる。
窓から、三人が手を振っているのが見える。
小さくなっていく町。
離れていく、仲間たち。
胸が締め付けられる。たった数週間しか一緒にいなかったのに、もうずっと昔からの仲間のような気がする。
馬車が動き出す。
私は、前を向いた。
王都。権力の中枢。
新しい戦いが、始まる。
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## 第二章:王都ヴェルデンブルク
馬車での旅は、三日間かかった。
途中、いくつかの町や村を通り過ぎた。
最初の日、交易の町を通過した。グランベルの三倍はある規模。市場には異国の商品が並び、色とりどりの布や香辛料の匂いが漂っていた。
二日目、貴族の別荘地を通った。白い石造りの屋敷が並び、美しく整備された庭園。そこで遊ぶ子供たちの服装は、グランベルの町長よりも豪華だった。
格差。
そして、三日目の午後――。
「見えたぞ。王都ヴェルデンブルクだ」
御者の声で、私は窓の外を見た。
巨大な城壁が、地平線に広がっていた。
高さは二十メートル以上。灰色の石造りの城壁の上には、無数の監視塔が並び、旗がはためいている。
城門をくぐる。
衛兵が十名以上、槍を構えて立っている。彼らの鎧は磨き上げられ、ギルドの冒険者たちとは明らかに違う統率が取れている。
そして――城門の内側。
景色が一変した。
石畳の道は広く、馬車が三台並んで通れるほど。建物は三階、四階建てで、装飾も豪華だ。柱には彫刻が施され、窓にはステンドグラス。
人々の服装も違う。絹や毛皮を纏い、宝石を身につけている者もいる。
これが、王都。
でも――馬車が進むにつれ、景色が変わった。
大通りから一本外れた路地。そこには、煤けた建物が並んでいる。
窓から覗く顔は痩せこけ、服はボロボロ。
子供たちが路地で遊んでいるが、その表情には活気がない。
貧民街。
豪華な貴族街の、すぐ裏側に。
ある路地では、病人らしき人が横たわっていた。咳き込んでいる。周囲の人々は避けて通る。
治療を受けられない人々。
胸が締め付けられる。
この知識を、独占させてはいけない。
馬車は、再び豪華な通りに戻った。
やがて、巨大な屋敷の前で止まった。
「アルブレヒト公爵の屋敷だ。降りろ」
クラウスが扉を開ける。
私は馬車を降りた。
目の前には、白い大理石で作られた巨大な屋敷。
入口には、武装した衛兵が十名以上。全員が同じ動きで槍を構えている。まるで、一つの生き物のような統制。
これが、権力。
「ついてこい」
クラウスに連れられて、屋敷の中へ。
広い廊下。天井には、シャンデリア。壁には、絵画や彫刻。
一枚の絵画に目が留まる。戦場の絵だ。騎士が魔獣を倒している場面。でも、その魔獣の目には――恐怖が浮かんでいる。
全てが、富と権力の象徴。
やがて、大きな扉の前で止まった。
「中に、公爵閣下がおられる。失礼のないようにな」
扉が開く。
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## 第三章:豪奢と脅迫
中は、広い応接間。
奥の椅子に、一人の男が座っていた。
年齢は五十代。がっしりとした体格。灰色の髪に、鋭い目。その視線は、私を値踏みするように動く。
「これが、噂の娘か」
男――アルブレヒト公爵が、私を見た。
「ミサキと申します」
「礼儀作法は、まあいい。田舎者に期待はしていない」
公爵は立ち上がり、私に近づいてきた。一歩ごとに、床が軋む。
その存在感に、思わず後退しそうになる。でも、踏みとどまる。
「お前の知識で、病を治したそうだな」
「はい」
「その知識、私に売れ」
「売る……?」
「そうだ。金貨千枚。それだけあれば、一生遊んで暮らせる」
公爵は、私の顔を覗き込んだ。その息が、顔にかかる。酒と香辛料の匂い。
「お前の知識を、私に独占させろ。そうすれば、私は王国で最も力を持つ。医療を支配し、軍事を支配し、外交を支配する」
喉が渇く。声が出ない。
「そして、お前は富を得る。悪い取引ではないだろう?」
知識の売買。
まるで、商品のように。
「もし断れば?」
声を絞り出す。
公爵の目が、冷たくなった。
「この王都から出ることは、二度とできない」
彼は私の肩に手を置いた。重い。痛いくらいに。
「いや、それどころか――お前の仲間たち、グランベルの薬師ギルドの者たちが、どうなるかわからんぞ」
背筋が凍る。
「遠隔地の町で、『盗賊に襲われた』『魔獣に襲撃された』――よくあることだ」
脅迫。
予想はしていた。でも、実際に言われると、膝が震える。
「考える時間を、ください」
「三日だ。三日後、答えを聞かせろ」
公爵は手を離し、椅子に戻った。
「案内しろ。客室に」
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## 第四章:夜の脱出
案内された部屋は、豪華だった。
大きなベッド、暖炉、そして窓からは王都の景色が見える。
でも、扉の外には衛兵が立っている。足音が規則正しく響く。
監視されている。
私はベッドに座り込んだ。
どうすればいい?
公爵の要求を飲めば、知識は独占され、兵器化される。
断れば、仲間たちが――
その時、窓の外から小さな音がした。
コン、コン。
誰かが、窓を叩いている。
心臓が跳ね上がる。
窓を開けると――。
「しっ、静かに」
若い男が、窓の外にいた。年齢は二十代。黒い服を着て、フードを被っている。月明かりに照らされたその顔は、どこか狡猾そうで、でも真剣だった。
「誰?」
「味方だ。話がある。屋敷を抜け出せ」
「でも、衛兵が――」
「大丈夫。今夜、夜中の二時に、厨房の裏口を開けておく。そこから出ろ」
「どうして私を――」
「公爵の野望を、止めたい者がいる。詳しくは後で」
男はそう言って、影の中に消えた。
私は窓を閉めた。
味方? それとも、罠?
でも、このまま何もしなければ、選択肢がない。
行くしかない。
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夜中の二時。
私は部屋を抜け出した。
廊下は静かだ。衛兵の姿が見える。でも――。
一人が、壁にもたれて居眠りをしている。
もう一人も、明らかに焦点の合っていない目をしている。
おかしい。まるで、誰かが仕組んだみたいに。
足音を殺して進む。床が軋む音が、やけに大きく聞こえる。
心臓が早鐘を打つ。
厨房へ向かう。途中、曲がり角で別の衛兵とすれ違いそうになり、思わず柱の影に隠れる。
衛兵が通り過ぎる。
呼吸を整えて、再び進む。
厨房の裏口。確かに、わずかに開いている。
外に出ると、先ほどの男が待っていた。
「よく来た。ついてこい」
「でも――」
「今、疑問を持つのは危険だ。走れ」
男に連れられて、裏路地を進む。
暗闇。建物の影。遠くで犬が吠える音。
本当に、この人を信じていいのか?
でも、引き返すこともできない。
やがて、古い建物の前で止まった。
「ここだ」
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## 第五章:同盟の結成
中に入ると――。
数人の人物がいた。
まず目に入ったのは、白いローブを着た老人。
背中は曲がっているが、その目は鋭く、知性に満ちている。ローブの裾を踏まぬよう、慎重に歩く姿勢。
次に、剣を腰に下げた女性。
三十代半ば。顔には小さな傷跡がいくつかある。その立ち姿は、まるで常に戦いに備えているようだ。騎士団の制服には、無数の傷跡が刺繍のように刻まれていた。
そして――。
「お前は……!」
私は驚いた。
「エリカ!?」
エリカがそこにいた。
「驚いた? 私も王都に来たのよ」
「どうして?」
「あなたを一人で行かせるわけにはいかないでしょ」
エリカは笑った。でも、その目には疲労の色がある。相当無理をして、ここまで来たのだろう。
「紹介するわ」
エリカが手を伸ばした。
「こちらは、薬師ギルド本部の長、マティアス様」
白いローブの老人が、ゆっくりと頭を下げた。
「初めまして、ミサキ殿。グレゴールから手紙を受け取った」
その声は枯れているが、重みがある。
「マティアス様は、四十年以上、王族の治療を担ってこられた方です」
「そして、三年前――」
マティアスは少し苦い表情を浮かべた。
「アルブレヒト公爵が提案した『魔獣兵器化計画』に、ただ一人反対した人物でもあります」
三年前から、計画は進んでいた。
「こちらは、王国騎士団の副団長、レオノーラ・フォン・シュタイン」
剣を下げた女性が、一歩前に出た。鋭い目で私を見る。
「噂は聞いている。お前の知識、本物か?」
「……はい」
「十年前の魔獣大戦で、私は家族を失った」
レオノーラの声が、少し低くなった。
「だから、武力による解決には懐疑的だ。だが、知識による解決――それなら、支持できる」
「そして、私はルーカス。王都地下組織のメンバーだ」
先ほどの男が名乗った。
「地下組織……?」
「ああ。公爵に虐げられた者たちの、抵抗組織だ」
ルーカスは椅子に座った。
「私たちは、アルブレヒト公爵の野望を止めたい」
マティアスが言った。
「公爵は、お前の知識を使って、王国の権力を掌握しようとしている」
「知識の独占……」
「それだけじゃない」
レオノーラが腕を組んだ。
「公爵は、隣国グラーフェン帝国との戦争を企んでいる。お前の医療知識で兵士を強化し、魔獣を兵器化する研究も進めている」
「魔獣を……兵器に?」
「ああ」
レオノーラの目が、暗くなった。
「森で捕らえた魔獣に、薬を投与して制御する――お前の知識なら、それが可能だと考えている」
喉の奥が焼けるようだった。
最悪だ。
私の知識が、戦争の道具にされる。
「グラーフェン帝国は、鉱物資源が豊富だ」
ルーカスが地図を広げた。
「公爵は、その資源を奪いたい。戦争の名目は『国境紛争』だが、実際は侵略だ」
地政学的な陰謀。
「私たちの目的は、公爵の計画を阻止すること」
マティアスが言った。
「そして、知識を正しく使う道を見つけること」
「どうすれば……」
「まず、公爵の要求を飲むふりをしろ」
ルーカスが言った。
「そして、内部から情報を集める。公爵の研究施設がどこにあるか、どんな実験をしているか」
「危険よ」
エリカが心配そうに言った。
「見つかれば――」
「でも、他に方法がない」
レオノーラが言った。
「お前が協力すれば、公爵を止められる。そして、知識を民衆に開放できる」
私は、四人を見た。
協力。
またしても、誰かと協力する道。
でも――今度は、自分から選ぶ。
「わかりました。やります」
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## 第六章:研究施設の真実
翌日。
私は公爵の前に立っていた。
「考えはまとまったか?」
「はい。お引き受けします」
公爵の顔に、満足げな笑みが浮かんだ。
「賢明な判断だ。さあ、さっそく研究を始めてもらおう」
公爵は私を連れて、屋敷の地下へと向かった。
石の階段を降りていく。薄暗く、湿った空気。カビと血の匂いが混ざっている。
足音が反響する。
やがて、大きな扉の前で止まった。
扉が開くと――。
そこは、巨大な研究施設だった。
広い部屋に、無数の実験台。
そして――檻に入れられた魔獣たち。
狼型、熊型、さらには見たことのない鳥型の魔獣も。
鳴き声が響く。苦しそうな、悲痛な声。
「これが、我が研究施設だ」
公爵が誇らしげに言った。
「ここで、お前の知識を使って、魔獣を制御する薬を開発する」
「魔獣を……」
吐き気がする。でも、顔には出さない。
「そうだ。制御できれば、最強の兵器になる。一体の魔獣は、兵士百人に匹敵する」
公爵は檻の一つを指差した。
「まずは、この狼から始めろ」
檻の中には、赤目の狼がいた。
あの、グランベルを襲った魔獣と同じ種だ。
でも、この狼は痩せこけている。毛並みも悪く、目には恐怖が浮かんでいる。
「どうやって捕まえたんですか?」
「森で、魔獣使いが捕らえた。お前が撃退した後、生き残りを回収したのだ」
観察者の仕業じゃない。公爵が独自に動いていた。
「さあ、始めろ」
公爵は厚い書類の束を渡してきた。
「これまでの実験記録だ。すでに数十体の魔獣で実験している」
私は書類を開いた。
そこには――残酷な実験の記録が並んでいた。
薬を投与し、魔獣が苦しむ様子。痙攣し、血を吐き、最後には死ぬ。
成功例もある。でも、その魔獣は理性を失い、ただの殺戮兵器になっている。
手が震える。
これは、間違っている。
「どうした? 顔色が悪いぞ」
「いえ……少し、驚いただけです」
私は書類を閉じた。
この情報を、仲間たちに伝えないと。
そして――公爵を、止めないと。
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## 第七章:第三の道
その夜。
私は再びルーカスたちと会った。
「研究施設を見ました」
息が荒い。走ってきたからだけじゃない。怒りと恐怖で、胸が苦しい。
「魔獣を使った実験が――非人道的です。いえ、非生物的です」
「どんな実験だ?」
レオノーラが聞く。
「制御薬の開発です。でも、成功率は低く、魔獣は苦しんで死んでいます。成功しても、理性を失って――」
「公爵を止めるには、この研究施設を破壊するしかない」
ルーカスが言った。
「でも、警備が厳重で――」
その時だった。
視界に、メッセージが表示された。
【試練段階: 4/7 進行中】
【評価: 倫理的判断に直面】
【選択肢を提示】
【A: 研究に協力し、知識の兵器化を許容】
【B: 研究を妨害し、公爵と全面対立】
【C: 第三の道を模索】
【警告: 選択により真実への扉の進行が変化】
選択肢……?
今まで、こんな表示はなかった。
「ミサキ?」
エリカが心配そうに見ている。
Aは論外だ。知識を兵器にするなんて。
Bは――全面対立すれば、仲間たちも危険にさらされる。そして、魔獣たちも殺されるかもしれない。
Cの道。第三の道。
「皆さん、提案があります」
私は言った。
「公爵の研究を、内側から変えるんです」
「変える?」
「はい。制御薬ではなく、魔獣を穏やかにする薬を開発します」
「それは――」
「公爵には、制御薬だと言います。でも実際は、魔獣の凶暴性を抑え、理性を保たせる薬です。そうすれば、魔獣は兵器にならない。森に帰せる」
レオノーラが目を細めた。
「騙すのか」
「はい。知識を、正しい方向に使うために」
マティアスが頷いた。
「それは……知恵だな。力でも屈服でもなく、知恵で」
「でも、失敗すれば――」
エリカが言いかけた。
「失敗すれば、私が責任を取ります」
私は拳を握りしめた。
「でも、これが最善の道だと思います」
ルーカスが笑った。
「面白い。やってみる価値はある」
私は心の中で答えた。
【選択: C】
瞬間――。
視界に、新しいメッセージが表示された。
【選択: C 第三の道】
【評価: 知恵と倫理の両立】
【真実への扉: 35% → 45%】
【試練進行: 順調】
【新たな課題: 実行の困難さ】
【補足: 公爵の真意は権力だけではない】
進んだ。
真実への扉が、10%進んだ。
そして――公爵の真意。
新たな謎。
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## エピローグ:失われゆく自己
一週間後。
私は研究施設で、新しい薬の開発を進めていた。
公爵には「制御薬」だと言いながら、実際には「鎮静薬」を作っている。
魔獣の排泄物、抜けた毛、爪――死んだ細胞を分析し、そこからホルモンバランスを推測する。
【物質分析: 魔獣の毛】
【成分: 特殊タンパク質検出】
【推定: 攻撃性ホルモン過剰分泌】
【精神力: 50/80 → 45/80】
毎日の研究で、消耗している。
そして――。
ある日の朝、目が覚めたとき。
何かが、また消えていた。
前世の記憶。
今度は――家族の顔が、ぼやけている。
母の顔。笑顔だったはず。でも、どんな笑顔だったか思い出せない。
父の顔。厳しかったはず。でも、輪郭が曖昧だ。
「いや……」
ベッドに座り込む。
思い出そうとするたび、胸の奥がざらりと削れるように痛む。
どんどん、消えていく。
私は、誰なんだ?
視界に、メッセージが表示される。
【記憶消失: 累積7件】
【内訳: 会社名、同僚2名、オフィス配置、家族の顔2名、家族の記憶(日常)】
【アイデンティティ喪失リスク: 23%】
【警告: 記憶消失が加速している】
【原因: 物質分析の過度な使用】
【補足: 物質分析は精神力消費が検索の5倍】
5倍……
知らなかった。いや、警告はあったのかもしれない。でも、気づかなかった。
でも、止められない。
目の前に、救うべき魔獣たちがいる。
止めるべき、公爵の野望がある。
ノックの音。
「ミサキ、入るわよ」
エリカが入ってきた。
「顔色、悪いわよ。また記憶が……?」
「……ええ」
嘘はつけなかった。
「無理しないで。あなたが倒れたら、元も子もないわ」
「でも――」
「一人で抱え込まないで」
エリカは私の手を握った。
「私たちがいるんだから。記憶が消えても、私たちが覚えてる。あなたが誰だったか、私たちが教えてあげる」
涙が出そうになる。
「ありがとう、エリカ」
「さて、今日も作戦会議よ。マティアス様たちが待ってる」
私は立ち上がった。
窓の外、王都の空が見える。
まだ、戦いは続く。
でも、私は一人じゃない。
仲間がいる。
だから、戦える。
視界の端で、また何かが光った。
【試練段階: 4/7 進行中】
【次の課題: 公爵の真意を暴け】
【ヒント1: 公爵の目的は権力だけではない】
【ヒント2: 十年前の魔獣大戦に秘密がある】
【ヒント3: 観察者との接点を探れ】
公爵と観察者……繋がっている?
新たな謎が、浮かび上がった。
第五話 完
次回:第六話「真意と裏切り」
鎮静薬の開発が進む中、公爵の真の目的が明らかになる。十年前の魔獣大戦。観察者との接点。そこには、王国を揺るがす陰謀が――。そして、ミサキの記憶は、もう限界に近づいていた。
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ミサキの選択は続きます。
次回は王都の深部で明かされる真実と、記憶を賭けた決断が物語を揺るがします。




