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詩織、泣いてた
ある雨の放課後。
俺はいつものように屋上へ向かった。
だが、いつもと違うのは、ドアの前に立つ詩織の姿だった。
目に涙を浮かべ、肩を震わせている。
俺は驚きつつも、ゆっくりと声をかけた。
「詩織……どうしたんだよ?」
彼女は振り返り、無理に笑顔を作ろうとしたけど、泣き声が漏れた。
「ごめん、神谷くん。今日は話を聞いてほしいの」
俺は黙って頷いた。
「昔のことがフラッシュバックして……怖くなったの」
詩織は涙をこらえながら、語り始めた。
「昔の彼氏にひどく振られて、友達にも裏切られて……それ以来、誰も信じられなくなったの」
俺は彼女の手をそっと握った。
「俺は……詩織が誰よりも強いって知ってる。だけど、そんな時は頼っていいんだぜ」
彼女は目を閉じて、俺の手を握り返した。
「ありがとう、神谷くん。あなたがいてくれてよかった」
その日から、二人の絆はさらに深まった。




