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私、男なんて嫌いだった
ある日の放課後、屋上で二人きりの時間。
いつものように沈黙が流れると思いきや、詩織がぽつりと言った。
「神谷くん、私、昔は男なんて大嫌いだった」
「え……?」
驚く俺に、彼女は少しだけ視線を落としながら続けた。
「過去に、酷い振られ方をしてね。だから、男子には冷たく接していたの」
俺は言葉を探した。
「そんな……なんで教えてくれなかったんだ?」
「言いにくかったの。人に弱みを見せるのは嫌いだから」
詩織の表情は少しだけ柔らかく見えた。
「でも、神谷くんには違う。
あなたといると、自分を隠す必要がないって思える」
俺は胸が熱くなった。
「俺も、詩織さんがそう思ってくれてるなら……ずっとそばにいるよ」
詩織は小さく笑い、そっと手を伸ばしてきた。
「これからは、一緒に歩んでいきましょう」
俺はその手をぎゅっと握り返した。




