番外編 過去が繋ぐ未来
詩織の告白
ある日の放課後、屋上で詩織が静かに語り始めた。
「遼、私……あの時のこと、ずっと引きずってたの」
彼女の目には、薄く涙が光っている。
「昔、振られたことで、男の人全てを信用できなくなってしまった。だから、誰にも本当の自分を見せられなかった」
俺はそっと彼女の手を握った。
「それでも、俺は詩織のことを信じてる。無理に変わる必要なんてない。ありのままの詩織が好きだ」
詩織は驚いたように俺を見つめ、そしてゆっくりと微笑んだ。
***
遼の弱さ
その夜、遼は自分の部屋で、幼い頃の自分を思い返していた。
「俺はいつも、恋愛がわからなかった。告白されても、怖くて逃げてしまった。自分の気持ちすらわからなかった」
でも今は違う。
「詩織がいるから、少しずつ自分の気持ちに素直になれてる気がする」
***
未来への約束
次の日、二人は屋上で向かい合った。
「過去は変えられないけど、未来は自分たちで創っていける」
詩織の言葉に遼は強く頷いた。
「そうだな。これからも、一緒に歩いていこう」
二人の手が自然と重なり合い、温かさが伝わった。