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番外編 ふたりの過去 —影と光—
詩織の過去
氷室詩織は、小さい頃から勉強とスポーツで常にトップを走っていた。
だが、その反面、クラスメイトとは距離を置き、感情を表に出さない孤独な少女だった。
小学校のある日、詩織は初めての恋をした。
しかし、彼に酷く振られ、しかもそれがクラス中に広まってしまったことで、
彼女は男の子を信用できなくなってしまった。
それからは冷たい態度をとり、誰にも弱みを見せなくなった。
***
遼の過去
神谷遼は、幼い頃から恋愛に鈍感で、周囲の気持ちを理解するのが苦手だった。
好きな女の子から告白されても、うまく返事ができず、結果的に断ってしまうことが多かった。
そんな遼は、友達とも少し距離を置きがちで、自分の世界に閉じこもることが多かった。
***
運命の交差点
高校に入学して間もなく、二人は偶然屋上で出会う。
詩織は遼の純粋で飾らない態度に心惹かれ、
遼は詩織の強さと、その奥に隠れた優しさに気づく。
それぞれの過去の傷を抱えながらも、二人はお互いを少しずつ理解し、支え合うようになった。