1/3
プロローグ
あ
その雰囲気で、分かった。
予想通り、白髪のおっさんがもったいぶった様子でこちらに向かって歩いてくる。
「アーデルベルト・ロマーヌス・アウグスティーン・ギルベルト・ローレンツ」
名を呼ばれて、はい、と返事をする。
分かってる。次に何を言われるか。
あー、明日からどうやって生活していこうか。
まずは求人広告出さなきゃいけないな。
それから、今の家を出払う手続きも――
二、三度咳払いをして、そのおっさんが重々しく言った。
「君を、解雇する」
ほら、やっぱりな。
そんな気がしてたんだ。
また性懲りもなく新連載をスタートさせました。
更新は気分ですので、あしからず。