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イ国の魔女  作者: ネコおす
序章 不思議な記憶
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初めてのお使い 前編




「どうしてこんなことになったんだろう。」


私はそう広くもない部屋の中で1人呟く。壁は石造りで頑丈そうだけれど、外では何かが外壁にぶつかる音や大人の人の怒鳴る声が聞こえている。冷たい石の上で膝を抱えて縮こまるしか不安を抑える術がない私は、今日の出来事を思い出していた。



私が住むこの街はインラカスイ国の城都コルトー。その下町に私たち家族は暮らしている。お父さんは街の門兵さんでお母さんは布生地の職人さん。お姉ちゃんは私より2つ年上で機織りを手伝いながら時折学校に通って文字を習ったりしている。私もお手伝いをしたいのだけれど、生まれつき体力のない私はろくにお手伝いも出来ない。だから今日は私がお父さんにお昼ご飯を届けに行くと自分から言い出した。


「いってらしゃい。気をつけて行ってくるのよ。」

「気分が悪くなったりしたら無理せずお父さんのところに居てね。迎えにいくから。」


見送ってくれるお母さんもお姉ちゃんもハラハラしてるのがわかる。私だってお使いぐらいできるもん。


家からお父さんの働いてる門までは私の足で10分ほどしか離れていない。下町は治安が良いとは言えないけど門までの道順はご近所さんばかりが殆ど。だから不安はなかった。実際に門に着くまで何も特別なことはなかったし、昼食も無事に門の控室まで届けることができた。



そこまでは何も起こらなかった。



控室の扉を開けるとちょうどお父さんは休憩中だった。、私を見つけたお父さんは両手を広げ満面の笑みで私を迎えてくれる。周りにいる人たちもお父さんの同僚の人達で私も何度か会ったことある人たち。


「昼飯を持ってきてくれたのか。1人でえらいぞ!」


頭をガシガシ撫でてくる。ちょっと恥ずかしい。

今日は体の調子もいいし、初めて1人でのお使いも達成できた。ちょっとだけワクワクした良い日だ…そう思ってた。



バンッ!!



激しく控室の扉が開いて何人か門兵さん達が入ってくる。見た事のない人もいるけどみんな、お父さんの職場の人達だと思う。なんだか慌てているみたい。


「〜〜〜〜」「____」「〜〜〜〜」


控室にいたお父さんとその仲間の人達はその門兵さん達とお話をしていて、何を話しているか慌ただしくて聞き取れない。するとお父さんは私のところに急足で近づいてきました。


「すぐに帰りなさい。家に帰ったら絶対に外に出ないように。」


そう言い残すと控室にいたお父さんと同僚の人たちは急いで門の外へ出ていった。1人残された私は言いつけ通りに帰ろうとしたけれど、急に足がすくむ。


今までこの狭い部屋の中にたくさんの人が居たのに急に誰もいなくなってしまったこと、外で聞こえていた声が遠のいて行くさま。狭かった部屋が急に広く感じて、私は不安になってしまった。足が思うように動かない。だから私はこのままお父さんが帰ってくるのを待つことにした。


先ほど遠ざかって聞こえなくなっていた声が遠くから聞こえる。激しく怒鳴っているのはわかるけど何を言っているのかまでは聞き取れない。


そんな声の間に「ガーン!」とか「パアン!」とか今まで聞いたこともない音が聞こえてきます。そして何かが外壁にあたる音も。


「チュン!」「キィン!」


何の音かわからないけど、さっきまで以上に怖くなってしまった私は、部屋の端に行って膝を抱えて小さくなりました。きっとお父さんが迎えに来てくれる。



数分も経ったか、町の方からウマの足音が聞こえてきて近くで止まった。私はまだ部屋の隅で縮こまっていた。外壁にあたる音は今はおさまったけど外では騒動は続いているみたい。


待っているけれどお父さんは来てくれない。この際、誰でもいいから私のそばに来てほしい。不安と緊張で自分の呼吸が浅くなっているのが解る。息が苦しい。身体が硬直して上手く動かせない。口の中と唇はカラカラで今すぐ水で潤したい。頭もさっきからなんだかズキズキする。そしてその痛みはどんどん酷くなってくる。突然、倒れた経験はあるけれど、こんな痛みは私は知しらないっ!


私はあまりの痛みに耐えかねて意識を失った。


完結までは頭にあるのであとは走り抜くのみ。


題名は最近流行りのタヌキとキツネの学園イチャラプロボットアニメとは一切関係ありません。

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