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67:絶望との再会

 私たちは塔をのぼっていく。


 道中、魔物に襲われることもあったが、私たちの敵ではない。


 クレア、そしてティアがいる。


 シオンも魔物の気配を察知して矢で先制攻撃を加える。


 そして私だって強力な魔法を放てる。




 早く進んでペンダントを手に入れる。

 そして聖域からなだれ込んでいる魔物戦っているスザクたちを助けるんだ。




「今のところ順調に登れているわね」

 クレアが言った。


「シオンもジュリアも遠距離攻撃で先制してくれるのはありがたいな。」



 ティアはそういうけど、近くに来た敵を簡単に一刀両断する。

 むしろクレアとティアが前にいるから、私たちは安心して魔法や矢を放てる。



「この調子でどんどん登るわよ。」




 ******




「・・・この部屋なにか雰囲気違うわね。」



 私たちは順調に塔を登っていた。


 しかしあるフロアにたどり着いた時、大きな部屋に出た。




『しかし、なかなか強い女達じゃのう』



 この声は・・・。



「女だからって舐めないでほしいわね。」


 シオンはその声に対して叫ぶ。


 私はスザクに守られるだけじゃない。

 共に成長する存在なんだ。




『わらわも少し本気を出そうかのう・・・。』

「本気・・・だと?」



 ドシーン、ドシーン



 大きな足音が近づいてくる。







 奥から部屋に入ってきたのは・・・。








 ビッグゴーレム、ファイナルドラゴン、レジェンドサイクロプスだ。


 その系統でもレアで高レベルなモンスターたちだ。


「こんなモンスターがいるなんて・・・」

 私は思わず身構える。






『さあ、どうする?女ども』

「怯まないわよ」

「ああこれくらいな」


 クレアとティアはそう言った。


『は?』


 素っ頓狂な声を出しているその一瞬・・・。




 クレアはファイナルドラゴンの首と胴体を既に切り離していた。

 ティアもレジェンドサイクロプスをまるでサイコロのように切り刻んでいた。




「さてと・・・」



 クレアはドラゴンの首を跡形もなく切ると・・・



「そこのビックゴーレムさんはどうするの?」

「私たちの可愛い仲間に手を出して死ぬか?」



 二人は殺気立ててビッグゴーレムを見る。



 ビッグゴーレムはおとなしくなる。



 そして部屋から逃げるように去っていく。



 ストーン、ストーン



 足音も心無しかおとなしい・・・。



「・・・あの二人、凄すぎるわ。」

「わ、私たちの見せ場が・・・」


 私とシオンは安心したような落胆したような声を出す。




「天の声さん、これが奥の手かしら・・・」


 クレアが挑発するように言う。


『・・・なめるなよ、女共』


 その挑発に乗ったのか・・・。


 天の声の雰囲気が変わる。





 カタ、カタ、カタ




 歩いてくる人の足音がする。

 その音はこの部屋に近づいてきている。


 もしかしてスザクたちが追い付いてきてくれた?











 でも私のその考えは甘かった。




「なっ、そんな」



 ファイナルドラゴンを一瞬で倒したクレアがか弱い声を出す。

 私も身が震える。




 それもそのはずだ。




 部屋に入ってきた男・・・







 それは待ち望んだスザクたちではなく・・・







『勇者』だったから。


次回は女神の塔一階で戦うスザク視点の話となります。

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