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45:おやすみ

ジュリア視点に戻ります。

 ティアさんは剣聖エリーの剣術と対等に戦いながら、

 距離を置いて魔法を放つ賢者シュリの魔法の攻撃をかわしている。



 ルギウスさんは魔王からふいうちを受けて手負いとは思えない動き。


 魔王とそしてディーンさん・・・いや魔族と化したディーンと戦っている。




「本当にルギウスさん凄いわね。」

 シオンさんが矢を放ちながら言った。


 彼女もも二人の攻撃の邪魔にならないように、ディーンに矢を当てて、シュリの魔法演唱の妨害をしている。


 しっかり自分の役割をこなしているシオンさんも凄いと思う。



 漆黒の騎士とスザクの戦いも気になる。

 けど私も自分のやるべきことに集中しないと。



「ファイアーピラー」


 ルギウスさんが魔王との戦いに集中できるように、ディーンに魔法を飛ばす。


 ディーンは私の炎魔法をもろに受ける。




「ぐわあああああああ」

「デ、ディーン。や、やめてくれジュリア」

 エレンさんは攻撃するわけでもなく、私たちにすがるような目線を飛ばして言う。


「エレン、目を覚ましなさい。あなたの夫は私の矢を何本も受けて、炎魔法を受けて死なないの?」


 シオンさんが叫ぶ。


「やるね、君たち。流石僕の妻の元仲間だ。」


 炎魔法を直に受けたんだ。

 流石にダメージがあるはず。



「でもこれ以上、僕の妻を惑わすなら・・・。」


 息をのむ。

 思ったよりダメージが入ってない。


「殺すよ」


 ディーンの殺気がルギウスさんから私たちの方へ向く。


 もうこの人は・・・


 立派な魔族なんだ・・・。




「ジュリア。魔法を矢に纏わして」

「わかりました。」


 ディーンさんがこちらに来る前にコンボ攻撃で倒すんだ!



「ディーン。彼女たちを攻撃するのはやめてくれ。あれは仲間だった可愛い妹分たちだ。」

 エレンさんは私たち向かおうとするディーンを止める。


「君がそういうなら」


 ・・・エレンさんがディーンを止めてくれたおかげで時間ができた。



「目を覚まさせてあげるわエレン。ファイアアロー!」


 私の火の魔力を纏った矢がディーンに向かう。

 これが直撃すれば・・・・。






「なんで!?」

「エレンさん」





 その矢をエレンさんが受け止めた。




「ジュリア、シオン・・・。やめてくれ・・・。」

 エレンさんが私たちに敵意をみせる。



 魅了状態から解かれたときも、王都に行くときも。

 そして冒険者パーティの(リーダー)として、


 たくさんの勇気を私たちに与えて

 そして、かっこいい(リーダー)として居てくれた。




 その人から敵意を向けられている。



 とても、怖いよ・・・。




「私はお前たちを生かしてやりたい。だからおとなしくしててくれるか」


 私は動きが止まる。


 ダメだ。魔法を唱えないと


 ルギウスさんはあの手負いの状態で魔王を圧している。


 ティアさんは二人と抑えながら、対等に渡り合っている。


 ここで私が魔法で追撃したら、きっと勝てる。


 でも体が動かないよ。


 エレンさんの言葉には逆らえないよ。



「ジュリア。しっかりして!」

 シオンさんが私に声をかける。


「エレン。私はこれ以上『洗脳』なんかで大切なものを失いたくない。だから・・・私はこの矢であなたを目覚めさせるわ!」

「シオンは言うことを聞いてくれないか・・・」

 エレンさんは声を落として言うと・・・。



「シオン。おやすみ」


 パタン。とシオンさんが倒れる。


「なんで!?」

「安心してくれ。眠っているだけだから」


 エレンさんはどうやってシオンさんを眠らせたの?

 眠らせる魔法なんて・・・。



「あそこに哀れに倒れている男に教えてもらったから使えるんだよ。」


 エレンさんは勇者に洗脳されているときに、眠りの魔法を勇者から教わっている。


 その魔法でディーンさんを眠らせて、勇者と愛し合っていた。

 彼女にとってつらい魔法なのに・・・。






「ジュリアはいい子にしているな。」

 その言葉で私の戦意はなくなった。

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