39:城への道
城に向かう道中、様々な魔物と戦った。
ポイズンバタフライのような蝶の魔物。
粉を振り撒くが、私の風魔法ではじき返す。
「ほう。やるね。」
とティアさんが言う。
「じゃあスザク。一撃で決めてきな。」
スザクは火の魔力を纏い、剣に込める。
「はああああ」
スザクはきあいを込めて切る。
ポイズンバタフライのような蝶の魔物は一刀両断された。
「凄いスザク・・・」
「何言ってるんだ。ジュリアの風魔法があってだぞ」
「エレンさんの言う通りだよ。」
「スザクさん、少し毒の粉を浴びてしまったようです。魔法で解毒いたします。」
マリアさんは、スザクに魔法をかける。
「ありがとうございます。マリアさん。」
「いえいえ」
**********
ドラゴンフライの群れが襲ってきた。
数が多く、そして見た目も相まって気持ち悪い群れだった。
「数が多くてめんどいわ。それになんか気持ち悪い・・・」
シオンさんがうんざりしたように言う。
「私の実力を少し見せようかな。君たちは見ていてくれ。」というとティアさんは剣を構える。
「竜巻乱舞」
竜巻を起こし、その竜巻の上でまるで踊るように舞う。その竜巻に巻き込まれたドラゴンフライ達は切り刻まれる。
「流石ティアさん。」
あれだけの群れだったのに、もう既に全滅していた。
「どうだ?わたしの実力は・・・」
「す、すごいです。」
流石、女性でギルド副マスターまでの地位の人なんだなぁと思った。
「君たちに言いところみせられて良かったかな。これで少しは安心したかい?」
**********
エイシェントドラゴンが黒くなったようなドラゴンとも戦った。
「そろそろ私も良いところ見せないとね。」
とシオンさんはあっという間にドラゴンの羽に矢を命中させる。
ドラゴンは飛行能力を維持できなくなったのか地上へ降りてくる。
「ジュリア、氷の魔力を頼む。」
私はエレンさんの拳に氷の魔力を纏わす
「宿れ、氷の力」
「凄いねジュリア。僕も負けてられないね。」というとスザクも氷の魔力を剣に纏わす。
美しい剣で思わず見とれてしまう。
「ドラゴンがブレスを吐こうとしているわ」
マリアさんが叫ぶ。彼女が叫んだと同時に矢がドラゴンの口に刺さる。
「流石、シオン。」
「マリアもよく気づいてくれたわ」
そしてドラゴンに向かって2人が向かう。
「エレンさん右側をお願いします。」
「わかった。」
エレンさんの拳とスザクの剣が刺さる。
「ビックバン・アイスブロー」
「アイスソード」
ドラゴンは弱点の氷の攻撃を受けて倒れた。
「大丈夫ですかエレンさん。」
マリアさんはそう言いながら、拳で殴ったエレンさんに癒し魔法をかける。
「ああ、ありがとう。」
「ドラゴン相手に私の出番なしか・・・。見事な連携だ。これなら将来ギルドも安泰だな。」
ティアさんは私たちを見ながらうんうんとうなずきながら言った。
**********
アンデッドキングのような魔物がゾンビの群れを引き連れている。
「ここは私の出番ですね」
マリアさんは張り切ったように言う。
「セイクリッド・ハイヒール」
マリアさんが作り出すあたたかい魔法。優しい傷を癒す魔法だ。
「流石マリアさん、まるで聖母のような優しい魔法だ。」
けれど、アンデッドたちとっては違う。
あれだけいたゾンビの軍団が一気に浄化される。
「これは凄い・・・。あれだけのゾンビたちが一瞬で・・・」
ティアさんが驚いたような声をあげる。
まさにVSアンデッドはマリアさんの独壇場だ。
**********
様々な魔物を退け、私たちは城の前にいる。
「さあ、覚悟はいいか?」とティアさんは言った。
「もちろんだ」
エレンさんは言う。
そして彼女は続けて私たちに言った。
「さあジュリア、シオン、マリア、過去に蹴りをつけよう。」
その言葉と共に、私たちは城の中に踏み出した。
(今のところは)ハッピーエンドに向かって全速前進してます




