ここまでお読みいただき本当にありがとうございます
作者のあとがきです。
初めての長編小説。
エタらず、そして更新頻度も落とさず、なんとか書き終えることができました。
一つの物語を書き切るだけでも大変なのに、同時並行で様々な物語を書いている人は本当に凄いです。
思ったよりも長い話になってしまいました。
※当初は100話位で終わるのかなと思ったのですが・・・。結果的に110話以上となってしまいました。
この物語を考えたとき、「始まり(プロローグ)」はもちろん、「終わり(エピローグ)」も決めてました。
始まりは、勇者に洗脳された女性が洗脳を解除されること。
終わりは、その女性と恋人が幸せな家庭を築いていること。
始まりから終わりを実現するためにどのような物語を展開していくのか。という形で書き始めました。
この物語のあらすじに
―その水は既に他のお盆に注がれている。
―その水を入れようとして、誤ってお盆に泥を入れてしまう。
―その水を入れるためのお盆に穴が開いている。
―その水は既に蒸発している。
と記載しました。
「その水は既に他のお盆に注がれている。」はマリア。
「その水を入れようとして、誤ってお盆に泥を入れてしまう。」はシオン。
「その水を入れるためのお盆に穴が開いている。」はジュリア。
「その水は既に蒸発している。」はエレン。
4人の女性たちにこう表現しました。
ジュリアについてはハッピーエンドを迎えたので、他の3人の女性キャラについて書いて行こうかなと思います。
まずはマリアについて。
きっと彼女が一番報われない結果だったと思います。
長い期間洗脳されて、恋人は他の人と結婚していて・・・。
それでも前を向くために王都にきました。
スザクに恋したが、スザクの言った大切な人がジュリアだと知ったときもジュリアを応援したり・・・。
そして想い人がいないまま、魔界に行った結果、魔王に洗脳されてしまいました。
最終章でシオンとラフェールに敗北しました。
恐らく読者としては、一番好感を持てる行動をしたのではないでしょうか?
恋人が他の人と結婚してもそれに縋らず前を向き続けた。
でも結果としてはまた洗脳されて、最後は死んでしまった。
正しいと思われる行動、前向きな行動、読者視点から好感が高い行動をしたとしても救われるとは限らない。
そんな厳しい現実を突きつけるキャラだったのかなと思います。
次にシオンについて。
彼女は恋人のラフェールに拒絶されたにも関わらず、自分が洗脳されたことを前面に出して許してもらおうとしました。
でも結果的にダメで結局王都に向かいました。
そこで偶然にもエレンと再会して、冒険者として歩き出しました。
彼女もラフェールと一区切りつけた・・・のかと思いきや、魔王に洗脳されてなかったことで、ラフェールをまだ想い続けていることがわかりました。
マリアと違って『未練』たらたらと思われるかもしれませんが、結果的にその未練を持っていたことで魔王に洗脳されずに済みました。
未練たらたらなキャラは、読者視点だとあまり好感度は高くないと思いますが、物語的には洗脳されず、さらにはジュリア次ぐメインキャラとして活躍しました。
そして、ラフェールとはどうなったのか。『狙撃場』を手伝ったり関係は良好そうですが・・・。
最後はエレン。
序盤はこの物語を進めてくれるキーキャラでした。
エレンがジュリア達を勇気付けなかったら進みませんでした。
洗脳された話でかなりヘイトを集めたキャラかなと思います。
パーティのリーダーとしてジュリア達を引っ張り、魔界にも乗り込みました。
ですがそこで魔王によってディーンが復活して、「自分の意志」で魔王側にいるディーンの隣に立ちました。
※決して洗脳されたわけではありません。
ただ、やはりその決断でジュリア達に怖い思いをさせてしまった、裏切ってしまったことを心に抱えていました。
そこを魔王に上手く突かれてしまい、ジュリア達も魔族として引き込めば、裏切ったことにはならない。と言われ、ジュリアを迎えに行くという形で、城でジュリアとスザクと対面しました。
最期は・・・いや最期まで、自らの意志でディーンの隣にいることを選択しました。
物語的にはバッドエンドだったと思いますが、愛する人と隣にいることができた、と考えるとエレン的にはハッピーエンドな最期だったのかもしれません。
しっかりものですが、精神的には結構脆いキャラでした。
ちなみにエレンさんに関しては、最初からバッドエンドにしようと思ってました。
ディーンがきっかけで魔王側に付く事も最初から決めてました。
バッドエンドありきでしたので、作者としては少々心が痛かったです・・・。
3人の女性たちについて書きたいことを書きました。
物語を通して「心理描写」は丁寧に書いたつもりです。
・都合の良い妄想をしてしまうこと。
・勇気がでないから「言い訳」をして、結局行動に移せないこと。
・「偶然」に期待してしまうこと。
・大切な人が本当に自分のことを思っているか試してしまう「卑怯」な手段を使ってしまうこと。
・自分の今やっている努力が自己満足かもしれないこと。
・物事を「楽」な方へ持っていこうとすること。
現実世界でも以上のことに当てはまる人がいたかもしれません。
※自分も書いていて、現実世界でもこういう行動をしてしまう、こういう考え方をしてしまうって思うこともありました。
そういう視点からも、何かを感じ取ってくれたら嬉しく思います。
この「あとがき」で本編は終わりとなります。
反省点は、構想力不足ですかね。
ここも構想に入れておけばよかったとか、逆に省いてもよかった箇所、ここ描き切れなかったこととかも少なからずありました。
※例えばティアが女神の塔で見た『幻』について少し書いておいた方が良かったかもしれないと思ったり・・・。けどその時点で触れると最終章のティア視点の話にインパクトがなくなったり・・・。
また1話としての長さが適切なのか、分けた方が良かったのか等々、実際に長編小説を書いてみないとわからない難しさにも気づきました。
他には「タイトル」について、もう少し考えた方がよかったかなと思いました。なろう系だと長いタイトルの方が目につきやすい気もするので・・・。
少し別の意味で難しかったのは勇者視点の話ですかね。「GoToノクターン」にならないようにかなり気を付けました。
構成などの意見に関しても、このあとがきの感想欄に沢山書いていただければと思います。また長編小説を書くかはわかりませんが、参考にしたいと思っております。
「書くとしたら番外編かな。」と思って、あえて外した部分もあります。
※例えばエレンとシオンとマリアが手に入れたお屋敷の話とか・・・。
上記も含めて、番外編として投稿しようかなと思ったら、また書こうと思います。元々書いていたが外した話もありますが・・・。
・エレンとシオンとマリアのお屋敷を手に入れたときの話
・マリアがスザクにかかった呪いを解いた時の二人の会話
・クレアとティアの女神の塔での幻想の話
・ティアとスザクの王都への道中の話
・ドニーの村での休息
等々(結構あるな)
その時はまた読みに来ていただけると嬉しいです。
※タイトルに【本編完結】とでも付けておきましょうか・・・。
長くなりましたが、以上となります。
最後に。
感想を書いてくれた方
ブックマークしてくれた方
評価してくれた方
そしてこの物語を最後まで読んでくれた方。
全ての人に感謝いたします。




