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魔物が溢れる世界で、ぼっち亜人に出会いました。  作者: 黒猫
第一章 風の亜人編
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第七話 今のは本音だね 

~ 凪 side ~


「そっか…風魔法も…入ってるんだ…。」


言われてみれば、空間に干渉するのは風魔法の十八番。

それを使わない手は無い。いや、でも…。


「君は人間って言ったよね?じゃあ、君のお母さんも…」

「父さんは人間だけど、母さんは人間じゃないんだなぁ、これが。

信じられない話だろうけど、俺の母さんは実は…エルフなんだ。」


彼、フライハイトがドヤ顔をキメてくる。

彼の話ではその母親も旅をしていたという。

あたし達の森には居ないが、エルフは風の加護を受けた亜人として有名だ。

旅をする亜人など、聞いたことも無かった。





でも、あたしにはそれに対するリアクションを取る余裕は無かった。


そんなことは重要では無かった。


()()()()()()()()()()()()()()() そう、思ったのに…。





「…やっぱり、そんなものよね。」

「うん? それはどういう…?」


ほんの、小さな呟きだったのに…聞こえてしまったらしい。


「なんでもないわ。お邪魔したわね。

今日はありがとう。楽しかったわ。」


お礼を言って、彼の横を通り過ぎようとする。と…


「待った。」


彼が少しずれて、険しい顔で道を遮った。





「何?お土産ならいらないわよ?」


精一杯、明るい声で答える。


「その笑顔もやめてくれ。()() かまでは分からないが、

さっき、俺は君を傷つけたんだろ?」

「そんなことないわ。」


やめてほしいのはこっちだ。()()()()()()()()()


「今日会ったばかりの俺にすら分かる、()()()()()()。」




その言い様が無性に癇に障った。


「……あんたなんかに! あんたなんかに何が分かるっていうのよ!!」

「そんなにしっぽが萎れてるのを見逃すほど、俺の眼は節穴じゃねんだよ!!」


しっぽ?しっぽがなんだというのだろうか?

あたしのしっぽは、萎れるどころか逆立っている。


「今のは本音だね。()()()()()()()()()()()

君を傷つける意図は無かった。だから理由を聞いた上で、謝罪させて欲しい。」


と、彼は表情を和らげた。



◇ ◇



あたしは、それで毒気を抜かれてしまった。

でも、負けたままは釈然としないなぁ…。

そうだ。少しお返ししよう。


「分かったわ。初対面で『綺麗だぁ~』なんて

あたしに見とれてしまった君に教えてあげる。」


聞かれていたとは思っていなかったのだろう。

彼は耳を真っ赤にしていた。かわいいなあ。


「長くなるから覚悟してよね!」


さっきまでとは打って変わって、あたしの心は軽くなっていた。

大変見苦しいものを書いてしまったかもしれませんが

ある意味、作品タイトルよりもこういう「悩み」をテーマに

したくて書き始めたものでもあります。


※鬱成分はあっても、ストーリーとしての鬱展開は書くつもりはありません。

キャラ達が楽しくしてるところを想像したいのです。


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