ただいま転送中
どっかでみたことあるかも知れないSFモドキ
人によっては怖いかも
「あーあ めんどくさい」
高速で動く電磁力干渉式真空パイプ型輸送機という長ったらしい
名前の乗り物に乗って外を見ながら目の前の隼斗に話しかける
「まあ そう言うなよ 百五十年の内のたった二年じゃねえか」
とのんびりした顔というのがピタリと当てはまるこの友人兼
今日からの同僚が答える
「昔は八十年のうち四十年 しかも1日八時間も働いていた
って言うじゃねえかそれに比べれば1日一時間なんて
知れてるだろう」
「そんな300年前のことを言ってもしょうがないだろ
よりによってスペースクエストサードの公開のタイミングで
労役かよ あー火星からじゃできないから二年もお預けか
その間に美里たちは楽しんでプレイ日記とか送ってきやがる
んだろ あーこの」
「まあまあ 航太 おっそろそろ 宙港が見えてくるぞ」
隼斗の言葉に促され外を見るとちょうど箱形居住区が
とぎれその向こうからずんぐりしたフォルムの宇宙船が
いまにも飛び立とうと白い煙をあげていた
「おっ ありゃ最新式のMTJ356のモデル4じゃねえか!」
「相変わらず宇宙船の話となると無駄に記憶力を発揮するな」
「航太 宇宙船ってのはは男のロマンだぜロマン」
「電送装置があるんだ宇宙船なんて使わないだろ
それとも金持ち連中みたいにあえて宇宙船で行くのが
本物志向ってか
奴ら月に行くのでも船使いやがるからな
どうせ高い維持費がもったいないから元を取ろうという考えだ
ろうけど」
「あんな紛い物と一緒にしないでくれ
宇宙船で星から星へっていうのは憧れだろ
シュミレーションで鍛えた操縦の腕を見せてやるぜ」
「バカいうな 全自動オートパイロットに腕もくそもあるか
お 話しているうちにそろそろ転送センターにつくぞ」
第三転送センター 2152年に実用化された電子式人体転送機
のセンター 地球上に10ヶ所ある内の一つでスンダ州北西部
に位置しかつてはマレーシアと呼ばれた国の領海内だったので
マレーセンターとも呼ばれている ちなみに海の上である
転送先は月 火星 カリスト ケレス トリトン であり
太陽系外は第一センターのみとなっている
「いつきても この合金の感じが慣れないよな」
「ああ スキャンを正確にやるためとは言え気持ち悪い」
「Jda6589652350255番ノカタg4508号室デス
スワッタママデオマチクダサイ
ジドウデオツレシマス」
「じゃあ隼斗 また後で火星で」
「ああ」
「Jda642・・・・・ 」
「コノママオハイリクダサイ」
機械音声に従って入ると真ん中のカプセル以外はカプトポステリ
オルナコヤ合金とかいうふざけた名前の合金で出来た壁しかない
カプセルに入ると次第に眠くなって来たのでそれに任せて
眠りについた
「対象ノ睡眠ヲ確認
脳波ヲ確認 睡眠ヲ再確認
対象ノ姿勢ヲ調節
調節ヲ完了
対象ノ情報ノ取得ニ移行
イールドシステムA-23ヲ起動
スキャン開始
スキャンヲ完了
情報ヲ確認
確認完了 異常ナシ
情報ヲ送信
対象ノ処理ヲ開始
エリーガデークガスヲ散布
対象ノ心拍数低下ヲ確認
対象ノ心停止オヨビ脳機能ノ全停止ヲ確認
対象ノ生命反応ノ消失ヲ確認
遺体ノ処理ヲ開始
カプセル加熱開始
カプセル内温度3500K
カプセル内ノ洗浄ヲ開始
遺体ノ処理ヲ完了」
――――――――――――――――――――――
「情報ヲ確認
イールドシステムB-23をヲ作動
対象ノ再現ヲ開始
カプセル内ニ対象ノ生成ヲ完了
対象ノ生命活動正常
覚醒促進ノタメノ刺激ヲ実行」
ピー ピー ピー
「うーん うるさいなあ」
(なんだかずいぶん寝てた気がするが)
「対象ノ覚醒ヲ確認
プログラムヲ完了」
(あ そっか 火星に来たんだっけ)
火星第一センターを出るとすでに隼斗が待っていた
「遅かったな」
「悪い 寝すぎた」
「それにしても どうやって人を送ってるんだろうなコレ」
「そんなことはコンピュータに任せときゃいいのさ
それより集合場所どこだっけ 早く行くぞ」
「ここから チューブで15分の宙港だ
どうした やる気になったのか」
「いや 人生のうち一度は労働の経験をとか言ってる政府
は今でも頭おかしいと思ってるさ
ただなんとなくこのセンターから離れたくなっただけだ」
「ああ 確かにな そんならさっさといこうぜ」
「おう」
思い付いたので書いて見ました
テーマは一応「自分とは何か」にしてます
転生ものや憑依ものを読んでいると
自分というのは何だろうと疑問に思い書きました
技術的に可能かや社会システムがどうなっている
かは全く考えていないのでSFかは怪しいです
意味が分からなかった人は感想に下さい