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4-20 「ぎゅっ」

 ほのぼのそして...急展開です。

ーマルブランシュ王国 首都オーベル 宿屋


 私が目を覚ますとソフィが私が眠るベッドに腕を着いて眠っていた。

 どうやらここは宿屋らしく、私の漆黒の鎧は部屋の隅に大事そうに並べられていた。

 どうやら私が眠ってしまった後、ソフィが介抱してくれていた見たいだった。


 私は天使の様なソフィの寝顔を見詰めながら、頬にかかったソフィの輝く銀髪を指で掬い耳に掛ける。


「んっ...あっ...お姉様。」


 ソフィが目を擦りながら目覚める。


「ゴメンね。起こしちゃった?」


「いえ。急に倒れたので心配しました...。」


 ソフィが今にも泣きだしそうな表情で言う。


「ゴメンね。心配掛けたわ。

 でも、もう大丈夫よ。それより私が目覚めるまで介抱してくれてたのね。ソフィありがとう。」

 

 そう言って私はソフィの頭を優しく撫でる。

 するとソフィは気持ち良さそうに目をつぶる。


「あっ...。お姉様...。」


「あ、そうだ。ソフィ。心配かけたお詫びに何か私にして欲しい事とかってある?」


「いえ、そう言って頂けるだけで私は...あっ...そ、その...。い、いえ何でもないです。」


 ソフィは何かを言いかけて止める。


「ん?どうしたの?何かある?」


「その...コハクにしたみたいに...ぎゅって...して下さい...。」


 アレは事故なんだけど...。


 ソフィが頬を染めて上目遣いでベッドに体重を掛けてお願いする。

 ただでさえ美少女のソフィは、何時にも増して可愛く見えた。

 






 私が鎧を着込んで宿屋の1階の食堂にソフィと一緒に降りていくと”黒の大剣”の皆とマルクスは食事を囲んでいた。


「あ!ジャズ!もう身体は良いの?」


 クリス姉ちゃんは私を見つけるとフォークを置いて声をかけて来る。


「あぁ、大丈夫だ。心配を掛けたな。」


 その後他のメンバーにも順番に声をかけて行き、最後にマルクスにも声をかける。


「色々あったが何とかマルブランシュは止められた。お前の情報は役に立った。感謝する。」


「いやいや、そもそも僕がお願いした事だし...。そ、それにまさか古代兵器の破壊どころか、略取に成功するなんてね...。信じられないよ...。」


 マルクスはどこか落ち着きが無い様子で話す。


「で、君達はこの後はどうするんだい?」


「戦力は揃った。このまま帝国との”交渉”準備に入る。」


「っ...!そ、そっか...この(・・)世界の戦争を止めるんだよね...。」


 自分も戦争を止めないと元の世界に戻れないのに、何故かマルクスは他人事の様に話す。


 その後、食事を終え皆と歓談し、マルクスの能力で”黒の大剣”の拠点へと戻る。









ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点 前


「ではマルクス。達者でな。」


 私はマルクスに別れを告げる。

 マルクスはマルクスのやり方で世界の戦争を止める方法を探すそうで、その”能力”で世界中を周り情報収集に励むそうだ。


「うん。また何か情報を掴んだらここに戻って来るよ!」


「今度は決闘は無しで頼むぞ!」


 ヤスがマルクスにヤジを飛ばす。


「もう!分かってるってば!」


 マルクスはヤスの肩に向かって軽く小突き、ヤスがそれを笑って受け止める。

 どうやらこの二人は意気投合した様で、首都オーベルでの散策依頼こんな感じで度々ふざけ合っている。


「じゃあまたねっ!」


 そう言うとマルクスは跡形もなく消えた。


 他の皆は大勝負の後で緊張の糸が切れリラックスした様子だっただけに、消える瞬間に見せたマルクスの浮かない表情が印象に残った。










ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点 茉莉花の部屋


 そして、その夜久々の自室のベッドで安眠を貪るべく床に就く。


 あぁ、久し振りの自分のベッドはやっぱり落ち着くわ!


 私はここ数日の”武具錬成”の疲れもあり、その日直ぐに意識を手放した。











────すぐ近くで話し声が聞こえる...。


「...うか...やっぱり...お前...か...。」


 私は真っ暗な自室で眠い目を擦りながら、周りを見渡す。

 徐々に目が慣れて来ると目の前には銀色にギラギラと光るナイフが突き立てられていた。


「ひっ...!?えっ!?」


 私は寝起きと言う事もあり状況が飲み込めず、思わず短い悲鳴を発してしまう。

 そしてそのナイフの持ち主を見て更に驚く。

 そこには銀色のナイフを持つマルクスと、その腕を掴むヤスが居た。


「えっ?ちょ、ちょっとどう言う...事なの?な、何で...二人共...わ、私の部屋に居るの?」


 私は不安感や恐怖心を抑え、何とか言葉を紡ぐ。


「こいつはな...お前を殺そう(・・・)としたんだよ...。」


「......。」


 ヤスがそんな事を言うが、マルクスは俯いたまま喋らない。


 

 次回土曜投稿予定です。

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