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3-30 「今の気持ち」

 3章のまとめ回です。

 心理描写多目で、つまらないかも知れませんがどこかでまとめておかないといけないので。

ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点 茉莉花の部屋


 ソフィとクリス姉ちゃんが自分の部屋に帰った後、私は一人自室で気持ちの整理を行っていた。


────いつからだろうか?


 クリス姉ちゃんに出会ったのはリョーリカの街の武具屋だ。

 最初は...胸が大きくて、美人で、男の人とも気作に話してて、”年齢=彼氏いない歴”の私とは住む世界が違う住人何だろうなぁって思ってた。

 だけど、見ず知らずの私にも気作に声を掛けて来て、金策のナイフを買い取ってくれて、生活用品の買出しにも付いて来てくれて、魔法まで教えてくれた。

 この世界の常識も魔法も無知な私にとっては、クリス姉ちゃんはこの世界に初めて出来た知人で、恩人で、パーティメンバーで...。

 うーん、何なんだろう...。それだけ...じゃないよね。


 こう言う時こそ、”哲学”だ。本質を見極める事こそ”哲学”の真骨頂だと私は思っている。


 クリス姉ちゃんに魔法を教えて貰う日の朝。私はウキウキしながら身支度をしていた。

 その時私は”魔法を見せて貰う事”でウキウキしていたと思っていたけど、本当にそうなのだろうか?

 そもそも私は魔法に興味があるだろうか?確かに無いといえば嘘になるが、そこまでの興味は無い。

 現に私は”武具錬成”に対しての検証は多く行って来たけど、魔法に対してはさほど拘っていないし、自分からは積極的に魔法を習得(コピー)したのはクリス姉ちゃんとの一件だけだ。

 だとするとウキウキしていた理由は魔法では無く、”クリス姉ちゃんに会う事”にあったと考えられる。

 確かにその時から、クリスさん(・・)の呼び方を”クリス姉ちゃん”に変えたらどんな顔をして喜んでくれるだろう?と考えていた気がする...。

 クリス姉ちゃんは表情豊かで、話しているともっと色んな表情を見たくなる。表情に乏しいと言われる私とは正反対だ。


 そしてクリス姉ちゃんとキスした時、自分でもビックリする位心臓がドキドキした。アレってクリス姉ちゃんだから?それとも誰とでもそうなるものなのかな?

 キスはアレが初めてだ...。正直比較しようがないから、この項目の思考は置いておこう。

 なら次に解決すべき項目は、”なぜクリス姉ちゃんにキスしたのか?”だ。

 もちろんキスをした理由は、流石に何もしないのではクリス姉ちゃんも収まりがつかないだろうと考えたからだが、だとしてもなぜ私はファーストキスをそんな形で捧げる事を許容したのだろうか?

 コレは自分でも驚いている。

 高校生の時に、紙に書いた罰ゲームで”女の子同士でキスをする”と言うのがあったが、私は頑なに拒否したのだ。

 つまり女の子同士だからキスをしても大丈夫何て軽く考えている訳では無いのだ...。

 それはやっぱり無意識的に”クリス姉ちゃんとならキスをしても良い”と思ったと言う事に他ならない。


 でも結局、今の気持ちが何なのかは人を好きになった事が無い私には分からなかった。




────────




 翌日。

 今日は暫く構ってあげられなかったソフィと一緒に過ごす事にした。


「じゃあソフィそこの椅子に掛けて。」

 

 私は黒騎士の格好では無く、村人ルックでソフィに椅子に座る様に促す。

 するとソフィは椅子にチョコんと姿勢良く腰掛ける。


「今日はねぇ、ソフィの髪を結ってあげるわ。」


 そう言って私はさっき市場で買っておいた黒いリボンを取り出す。

 一人っ子の私は妹の髪を結う事に憧れていたのだ。


「はい。お願いします。」


 ソフィは嬉しそうに頷く。


「ソフィは何かして欲しい髪型とかってある?」


「お姉様の好きな様にして下さい。」


 んー。ソフィに似合いそうな髪型かぁ...。


 ソフィは元の世界では見た事も無い様な綺麗な長い銀髪で赤い目と相まってとても神秘的な美しさがあった。


 赤目、銀髪、幼女と言ったらやっぱりツインテールね!異論は認め無いわ!

 

 そう誰かに宣言し、私はソフィの髪を先ずは木製のダッカールで固定していく。

 次に後頭部の髪の束をクロスする様に小さなリボンで仮止めする。ゴムを使えば楽だったが、この世界にゴムは無い様なのでリボンで代用した。

 そして最後に小さい仮止めのリボンの上から黒いリボンを止めて完成だ。


「出来たわ。ソフィ。」


 私はそう言ってソフィに『ミラーダガー』を渡す。


「凄いです。こんな結い方は見た事無いです。ありがとうございます。」


 ソフィは『ミラーダガー』片手に色んな角度から自分の髪を見ながら話す。


 あぁ、やっぱり大正義ねっ!


「よく似合ってるわ、ソフィ!」


「お姉様にそう言って貰えるなら...嬉しいです。」


 ソフィが満面の笑で自分のツインテールを掴みながら首を(かし)げる。

 

 こ、これは...!また誘拐でもされないか心配するレベルの可愛さだ...!


 ソフィが余りにも可愛かった為、スタングレネード...もとい『閃光のナイフ』を追加で数本渡しておく。

 ソフィは首を戸惑いつつも純白の『閃光のナイフ』を受け取っていた。


 次回は水曜投稿予定です。

 次回よりやっと新章突入です。

 3章は新キャラが多く、プロット時よりもかなり長くなってしまいましたが4章はサクッといくんじゃ無いかと思います。

 なお4章では私の他の小説を読んで頂いている方にはお馴染みの”あのキャラ”が登場します。

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