3-28 「お礼の続き」【挿絵】
今回は3/7に実施したキャラクター人気投票で1位だった「クリスティーナ」の挿絵付きです!
「クリスティーナ」です。
〈クリス視点〉
ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点
「ジャズ!ちょっと開けてっ!!」
私がジャズの部屋の扉をノックをするとジャズが扉を開けて出て来る。
思わず勢いでジャズの部屋に来ちゃったけど、何て言えばいいの?
ソフィがジャズの妾だって認められたら...?じゃあプロポーズを受けた私は...?
いや待って、妾って事は本妻じゃ無いんだし、それはつまり私を本妻にして、ソフィを妾にするって事...?それなら...。
「どうしたクリス。考え込んで。用があるのではないのか?」
私が何て言おうかと悩んでいると先にジャズに声をかけられてしまう。
「え...あ、うん。ジャズやっぱり隣の部屋にしてくれない?
団長はやっぱり真ん中にどんっと構えておいて貰わないとねっ!」
うーん、私の馬鹿ぁ...!
でも、いきなりそんな事聞けないよ...!
「あぁ、別に構わない。では、隣に移ろう。」
そう言ってジャズはそのまま隣の部屋に移動する。
でもこれでジャズは真ん中の部屋に移ったから、部屋問題は解決ね。
その後、ソフィにジャズが真ん中の部屋に移った事を告げ、ソフィはジャズが最初に入った右側の部屋で、私がジャズの左側の部屋となる事で落ち着いた。
先程の事もあり少々気まずかったが、ソフィは全く気にする様子は無く、自室へと入っていった。
ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点 クリスの部屋
ソフィはさっきの事特に気にしてる訳じゃないし、私も気にしてちゃ駄目よ!同じ傭兵団で、同じ家に住む同士仲良くしないとね!
それにソフィとは...これから家族になるんだし...。
私は想像して頬が熱くなるのを感じる。
ってこれから増えていくのかな...?
そこでふとジャスミンの顔が浮かぶ。
あ、そう言えばジャスミンってジャズとどういった関係何だろう?
さっきもジャズを呼びに行くって言って出て行ったって事は、ジャスミンはジャズの場所を知らされてたんだよね?
それにジャズもトレジャーハンターとして真っ先にジャスミンを紹介する位”信頼”してたし...。
あれ?良く考えるとジャスミンってソフィと同じ位の年齢だよね...。それにジャスミンもソフィとは系統は違うけどかなりの美少女だ。
嘘っ...え?もしかしてジャズってそう言う趣味なのっ!?
私は慌てて荷物から以前ジャスミンと買った縞パンを取り出す。
こんなんじゃ駄目だ...!ジャズが間違った方向に行こうとしているなら、私が連れ戻してあげないとっ!
私は急いで街の下着屋へと向かい、その店で一番大人っぽい下着を一式買い揃えた。
こ、これ...凄い...。このベビードールなんてこんなに透けて...。
で、でもこれもジャズの為よっ!
私は自分を奮励してさっき買い揃えた下着をつけ、ジャズの部屋へと向かった。
〈茉莉花視点〉
ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点 茉莉花の部屋
私が備え付けのベッドで寛いでいると。部屋の扉がノックされたので、”早着替え”で黒騎士の姿になり誰何する。
「く、クリスよっ!」
もう夜なのにどうしたんだろう?
私は扉を開けて、驚く。
何故ならクリス姉ちゃんはほとんど下着姿だったからだ。
私はクリス姉ちゃんを部屋に迎え入れ、椅子に座る様に促す。
そして暫く沈黙が流れた後、クリス姉ちゃんが話し始める。
「あ、あのね...ジャズ。ジャズのくれた剣のお陰で無事に帰ってこれたよ。
その...だからね...。お礼の続きを...。」
ついに来たか...。
鍵の迷宮の前は何とか誤魔化したが、鍵の迷宮で色々と誤解が進行してしまった...。
だが、今のクリス姉ちゃんは鍵の迷宮で魔物を圧倒していた特A級冒険者”清輝のクリスティーナ”では無く、一人の乙女だった。
その頬は紅潮し、恥ずかしそうにこちらを伺い、勇気を出してこんな大胆なベビードールまで着て男の部屋に来たのだ。
ん...?男...。そうかクリス姉ちゃんは私をドワーフの男だと勘違いしている筈だ。
何もジャスミンと言う事を隠したままでも諦めて貰えるのんじゃ...。
”諦める”か...。本当にそれでいいの...?
何故だか私の中で、その選択は後悔を産むような気がして決心が揺らいだ。
「ジャズ...何か言ってよ...。
そ、それとも似合って無いかな...?」
クリス姉ちゃんはベビードールの裾を掴み、不安そうな顔で私を見る。
私は心臓を締め付けられる様な気持ちになり、思わず言葉を紡ぐ。
「いや...そんな事は無い。とても似合っている。」
駄目だ!こんな事を言ったら...もっと期待させてしまう...!
「へへっ...ありがとう!」
クリス姉ちゃんはそう言うと嬉しそうにいつもの様に元気な笑顔を振り撒く。
私はそれを見るのが嬉しくて、そしてつらくて...。
「今は世界の戦争を止めなければいけない使命がある。
だから今は...き、キスで...許してくれないか?」
私は顔が熱を帯びるのが分かる。
今はこの兜に救われているが、きっと顔は真っ赤だろう。
「う、うん。」
クリス姉ちゃんが嬉しそうにゆっくりと頷く。
それを確認し、私は兜の顎部を外す。
「髭が無い...!」
クリス姉ちゃんが驚いて声を上げる。
だがあんまりジロジロ見られてバレても困る...。
私は恥ずかしさを押し殺し、クリス姉ちゃんの顎を人差し指で上げる。
「あっ...!」
するとクリス姉ちゃんは少し声を漏らし、目を閉じて唇を少し突き出す。
クリス姉ちゃんの唇はとても艶やかに潤っていた。
私は覚悟を決め、クリス姉ちゃんの唇に自分の唇を近付ける。
すいません長くなってしまったので、次回に持ち越しです。
次回水曜投稿予定です。




