3-27 「新生”黒の大剣”」
無事に”黒の大剣”の為の施設を貰った黒騎士一向。
しかし、新生”黒の大剣”内部で新たな火種が...。
〈茉莉花視点〉
ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点
私はエピクロス城でクリス姉ちゃん達と別れた後、黒騎士に伝えて来ると言ってソフィ達が滞在している宿屋へと行き、再び黒騎士としてクリス姉ちゃん達と合流し、一緒にアリス教皇から下賜された”黒の大剣”の拠点となる施設へ来ていた。
メンバーは私、ヤス、ソフィ、そしてクリス姉ちゃんとシルヴィアさんだ。
来る途中でシルヴィアさんが”黒の大剣”への入団を受理し、”黒の大剣”は”5人”の傭兵団になった。
なお、ソフィとヤスには既にクリス姉ちゃんとシルヴィアさんに正体を明かせない事を説明済みだ。
「ここが例の施設ね。」
クリス姉ちゃんが建物を見上げながら言う。
建物は2エリアになっており、左側は2階建ての居住区で、右側のエリアは多目的ホールとなっている。
元々教団の宗教施設だったそうだから、多目的ホールにはかなりの人数が入れそうだ。
私達は2階建ての居住区に入り、1階のリビングにある大きい長机に座る。
「ではこれより新生”黒の大剣”の組織を発表する。
まず、副団長はこの施設を入手した功績や、これまでの実績を鑑みてクリスに頼みたい。」
するとクリス姉ちゃんが満足そうに頷く。
「次に今後”黒の大剣”は人手を募集する。それにあたり、人事担当は”精霊の加護”の能力を持つソフィ。そして諜報は今まで通りヤスに頼みたい。」
ソフィとヤスが頷く。
「最後にシルヴィアには当面皆のサポートを頼みたい。」
「分かりました。」
シルヴィアさんが頷く。
「で、次に部屋割りだが何か希望はあるか?」
「希望か...あるにはあるけど...。まぁ先ずはジャズが決めてくれないと...。」
クリス姉ちゃんが部屋の端を見ながら話す。
「私も先ずは黒騎士様が決められるのがいいかと思います。」
ソフィもクリス姉ちゃんの意見に同調し、他の皆も頷く。
皆私に遠慮してるのかな?
じゃあ、お言葉に甘えて...角部屋にしよう。
「なら、我はあちらの部屋にしよう。
では、各々買い出しや部屋の準備等あろう。
今日は解散とする。残りの部屋割りは任せる。」
私はそう言い残し、角部屋へと向かう。
が、途中でソフィに引き止められる。
「あ、黒騎士様!コレを...。」
するとソフィはピンクのリボンの付いた可愛らしい包を渡して来る。
ハーブのいい香りが鼻腔を擽る。
「今朝焼いたハーブクッキーです。
その...疲れてるかと思って...。」
迷宮は甘味が無く、甘い物は嬉しい。
「あぁ、丁度食べたかった所だ。ソフィありがとう。」
私はそう言ってソフィの頭を軽く撫でる。
「あ...黒騎士様...。」
ソフィは気持ち良さそうに、目をつぶり私の漆黒の手甲を受け入れる。
何故だかクリス姉ちゃんがそわそわとしながらそのやり取りを見詰めていた。
私は久々にソフィのサラサラの銀髪を愛でた後、角部屋へと入る。
そして部屋に入り部屋の鍵を閉めて”早着替え”を行い、ジャスミンの姿になる。
ふーっ、黒騎士の格好は久しぶりだから何だか疲れるなぁ...。
でも、クリス姉ちゃんとシルヴィアさんにはバレる訳にはいかないからこの拠点でも気を付けないとな...。
それとソフィ達とクリス姉ちゃん達が上手くやってくれるといいけど...。
って良く考えるとヤスってハーレム状態じゃない!?何か解せないんだけど...。
私はそんな事を考えながらソフィから貰ったクッキーをつまむ。
あっ!これ美味しい...!この世界に来てから甘味と言えば自作の”カロリーメイド”位しか無かったからね...。
よし、お礼に...っと。
私は武具錬成を起動させ、ソフィに似合いそうな”鍵が付いたペンダント”を部屋のテーブルの上に錬成する。
”鍵の迷宮”のお土産も兼ねてって事で、ソフィ喜んでくれるかな?
うーん、そうなるとペンダントを入れる何かいい感じの箱も欲しいな...。
でも、箱は私の能力じゃ出せないんだよねぇ。
あ!箱と言えば別れ際にアリス教皇から高級そうな木箱を貰ってたんだった!
私はアリス教皇から貰った高級そうな木箱をアイテムボックスから取り出し机の上に置く。
すると突如部屋の扉が強くノックされ、私は思わずビクリと反応し扉を見る。
「ジャズ!ちょっと開けてっ!!」
私は慌てて”早着替え”を行い、黒騎士の姿に戻り、部屋の扉を開ける。
〈クリス視点〉
ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 黒の大剣拠点
ジャズが端っこの部屋へと向かおうとすると突如ソフィが呼び止め、何やら可愛らしい包み紙をジャズに渡した。
すると驚いた事にジャズがソフィを可愛がる様に頭を撫でた。
え?意外だ...ジャズは子供を可愛がるタイプだったんだ。どっちかと言うと子供には厳しいイメージがあったんだけど...。
ってそう言えば前にジャスミンから、ジャズは子供っぽい女性が好きって...。
いやいや!違う違う!確かにソフィはかなりの美少女だとは思うけど...ねぇ?ち、違うよね?
私はソフィが気になり少し不安になりながらも、ジャズが部屋に入った後、皆と部屋割りの相談をする事にした。
「改めて副団長に任命されたクリスティーナよ。クリスでいいわ。
部屋割りだけど副団長として、団長の隣の部屋を使わせて貰おうと思うんだけど...。」
「待って。ソレとコレとは別。黒騎士様の身の回りの世話は私の役目。私が黒騎士様の隣の部屋を使うべき。」
ソフィにいきなり食いつかれた!?
「でも、その...団長とは副団長として綿密に打ち合わせをしないと...ね?」
「打ち合わせは同じ部屋でするもの、だから隣の部屋で生活する必要は無い。」
ソフィが淡々と論破する。
くっ...!な、何なのこの娘!?
「ジャズのお世話って、そもそもソフィはジャズの何なの?」
私は少しカチンと来てしまいソフィに気になっていた疑問をぶつける。
「私は黒騎士様の妾。だから、黒騎士様の隣の部屋で身の回りのお世話をする事は当然の権利で義務。」
「なっ!?め、め、妾!?」
な、何を言ってるのこの娘は!?
私は頭を強く殴られたかの様な衝撃を受け、気付くと思わずジャズの部屋へと走っていた。
次回土曜投稿予定です。
大変お待たせしてしまいましたが、キャラクター人気投票で1位に輝いた”クリス”のイラストも次回投稿予定です。(エロカッコイイ感じになりました)
投票して下さった皆様方、ありがとうございました!




