3-23 「勧誘」
ペース狂いそうだったので、水曜より前には入れれませんでした。すいません...。
アリス教皇の問題発言からです。
ー宗教国家エピクロス エピクロス城 アリス教皇の自室
「あっ...ダメ...。」
ガチャガチャ。
「そ、そこは...!」
ガチャガチャ。
「そんなに引っ張ったら...!あぁっ...!」
ガチャガチャ...カチャッ!
「あ、開きました。」
「...貴方ノリが悪いわね。」
私が貞操帯に付いている南京錠の解錠を報告すると、アリス教皇が不機嫌そうに答える。
「じゃあ着替えさせて頂戴。」
するとアリス教皇はフリルが付いた紐状のショーツを引き出しから取り出し、座りながら股を開き、着替えを要求してくる。
やんごとなき人なので自分では着替えられないとかそう言う事なのだろうか...?
しかし、貞操帯も驚いたが、通常の下着も何と言うか...エグい。
「え?いやぁ...それはちょっと...。
お付の女性を呼びましょうか?」
「ちょっと!こんな状態を他の人に見せろって言うの?」
そう言って、アリス教皇は貞操帯を掴んでアピールする。
いやぁ...自業自得じゃあ...。
「わ、分かりました...。」
私は渋々承諾し、まずはアリス教皇の貞操帯を脱がす。
「優しくしてね♡」
アリス教皇が満面の笑で言う。
こ、この人...楽しんでない?いや、絶対楽しんでるよね...?
そして次にアリス教皇から渡された紐状のショーツを掴み、アリス教皇の股のラインに合わせて、紐を留める。
目のやり場に困り、余り見ない様にしてショーツの紐を結んでいると、突如アリス教皇から声が上がる。
「ひゃっ...!くすぐったい...♡」
近くで見るとこのショーツ本当に面積少ないっ...!こんなんじゃ大事な部分がほとんど隠せないんじゃ...。
そして、何とかアリス教皇にショーツを穿かせ終わる。
「ふふふ...顔を真っ赤にしちゃって...!貴方中々良かったわよ?」
何が良かったのだろうか...?というツッコミは、聞くと面倒臭い事になりそうなので心に閉まっておこう。
「ところで、貴方...。庭に来るつもりはないかしら?」
「庭ですか...?」
「ふふふ...貴方この国の事を何も知らないのね。
まぁいいわ、クリスティーナにでも聞いてみなさい。いい返事を期待しておくわ。」
そうして何とか試練を乗り越えた私は、アリス教皇の部屋を出て、クリス姉ちゃんの部屋へと向かう。
ー宗教国家エピクロス エピクロス城 クリスティーナの自室
私は黒騎士に”早着替え”し、クリス姉ちゃんの部屋の扉をノックする。
「はい。誰?」
「我だ。ジャズだ。」
私はいつもの低い声で答える。
「えっ!?ちょ、ちょっと待って!」
すると、中から慌ただしい音が聞こえ、暫くすると音が止んで中へと招き入れられる。
部屋に入り、クリス姉ちゃんが部屋の備え付けの椅子を差し出して来たので、それに座る。
「ど、どうしたの急に?」
「迷宮から無事戻ったと聞いてな。」
「それにしては早くない?」
クリス姉ちゃんが訝しげに聞いてくる。
うっ...痛いとこをつかれた...。
しかし、明日の朝までにクリス姉ちゃんと話をしとかないとアリス教皇は落とせない。
ここは”人を信じさせる心理学”で切り抜けよう。
「実はアポス教団に知り合いが居てな...。それでクリスが帰還すれば直ぐに知らせる様に話を通していたのだ。」
クリス姉ちゃんはさっきのアリス教皇との謁見で、”黒の大剣とディオティマ大司教は知り合い”と言う情報を得ている。
この情報とあの場に居なかった私の情報が一致する事で、私の話を信じ易くなる。
これは心理学用語で”一致情報の選択的注意”と言われるもので、人は自分が持つ情報が一致すると他の部分に多少の齟齬が発生しても気にならなくなる。
例えば”A型は真面目”と言う概念を持っている人は、実際にA型の人に出会うとその人の”真面目”な部分にばかり注意を払い、その人の真面目な部分しか見えなくなってしまう。
その結果、”やっぱりA型は真面目”と思い込んでしまう。
これが血液型占いのカラクリで、だからこそ血液型占いは当たるのだ。
「あぁ...なるほどそうだったんだ!
えっと...と言う事は...ジャズは...私を心配してくれて...その...ずっと近くで待っててくれたんだ...?」
クリス姉ちゃんがもじもじとしながら顔を赤らめて聞いてくる。
うん、そう言う事になるよね...。
「あぁ、まぁな。」
私の答えを聞くなり、クリス姉ちゃんが恥ずかしそうに俯く。
そして、話題を変える様に、黒騎士としては初耳なので、アリス教皇とのやり取りをもう一度聞き出す。
「...って訳で、アリス教皇に却下されちゃったんだ...。
勝手な事してごめんね。
でも、前にジャズがアリス教皇に接触しようとしてて取り付く島もなかったから...。」
なるほど...。あの時のやり取りを見て、クリス姉ちゃんは自分がやらなきゃって奮励してくれたんだ。
確かにあの状況から、黒騎士がアリス教皇にコネを作るのは絶望的だった。
「なるほどな...。
だが、何故クリスはここエピクロスに傭兵団の拠点を?」
「エピクロスは中立国だからこそ、どの国の勢力にも属さない、”平和の為の傭兵団”をアピール出来るわ!」
なるほど...クリス姉ちゃんはそこまで考えて...。
ただ強いだけじゃなく、信念、正義、そして人徳を持つ。
やはりクリス姉ちゃんは欲しい。
「クリス。提案だが...。
”黒の大剣”に入らないか?」
迷宮回で戦闘三昧でストーリーが停滞気味でしたが、ここからサクサク展開します。
全ての感想返信させて頂きました。
沢山の感想ありがとうございます!励みにさせて頂いています。
皆さんが気にされている”百合成分”についても、今話を始め、徐々に増えていくのでもう少々お待ち下さい。
次回土曜投稿予定です。




