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3-20 「プロポーズ」

 8万PVありがとうございます!

 閑話(ソフィ回)はもう少し後で入れたいと思います。


 今回はスライム戦の続きです。

ー宗教国家エピクロス 首都ラミア郊外 鍵の迷宮


 ロビラさんが掛け声と共に前に出て、スライムの体当たりを受ける。


「くっ...!!」


 スレッジハンマーを横に構えたロビラさんがスライムの体当たりにより、砂煙を巻き散らせながら後ろに押される。

 なんと驚いた事に、あのロビラさんがスライムに力で押し負けていた...。


「なっ!スライムの攻撃を1人で受け止めているだと...!!馬鹿な信じられんっ!?」


 エッジワースさんが驚きの声を上げる。

 いや、ロビラさんはやっぱり十分ヤバいらしかった...。

 しかし、やはり一番驚いたのはスライムのその硬さ(・・)だ。

 あの威力の『フレア』を直撃したにも関わらず、未だピンピンとしており、先程からロビラさんのオリハルコン製のスレッジハンマーの直撃を受けているが、ほとんどダメージを受けている様に思えなかった...。


 そして、遂にロビラさんが攻撃を受け止め切れず、スライムに弾き飛ばされ、迷宮の壁に激突する。


「ぐわぁぁぁぁ!!」


「ロビラっ!!」


 クリス姉ちゃんがスライムを警戒しながらロビラさんに掛けよる。

 それと入れ替わる様にエッジワースさんが前線に上がる。

 私はスライムを牽制する様に『フレア』を放つ。

 どうやらスライムに魔法はほとんど効かないが、動けなくはなる様だ。




「シルヴィー魔法で奴の動きを止めて!」


 ロビラさんを治療し終えたクリス姉ちゃんが前線へと復帰しながら、シルヴィアさんに指示を出す。


「分かりましたっ!」


『ファイヤーボール!』


 詠唱を終えたシルヴィアさんの『ファイヤーボール』がスライムに直撃するが、それでもスライム一瞬硬直しただけで、ダメージは無さそうだ。


「くっ...やはり噂通り”魔法耐性大”でほとんど無効化されてしまう様ですね...。」


 シルヴィアさんが苦い顔をする。


「はっ!!」


 シルヴィアさんの魔法で硬直したスライムに、クリス姉ちゃんが間髪入れず渾身の突きを放つ。

 すると、スライムに”クリストフォルス”が接触した瞬間(・・)、スライムが蒸発する。


「えっ!?」


 突きを放ったクリス姉ちゃんが一番驚いていた。


「く、クリスお前何やったんだ!?」


 前線へ戻ろうと駆けていたロビラさんが蒸発したスライムを見て、目を見開いて唖然とする。


「普通に突きを放っただけなんだけど...。」


「そんな馬鹿な...スライムは”物理耐性大”も持っているからほとんど物理も効かない筈だぞ...。」


 ロビラさんの言葉に答える様にエッジワースさんも会話に入る。


「あぁ、そうだ。

 だから俺達も魔道士2人が常に攻撃魔法を打ち続け、前衛が守りに徹して1時間かけて何とか削りきったんだ...。

 それをあんな一瞬で...信じられん...。」


「とこらでクリスが昨日話してた、男に貰った武器ってそれの事か...?

 もしかしてそれって特別な呪文か何かが入ってるん”魔剣”じゃないのか?」


 ロビラさんがクリス姉ちゃんの”クリストフォルス”を指さして、クリス姉ちゃんに尋ねる。


「うん、そうよ。確かにジャズは”スライムに対して高い攻撃性能を持つ”って言ってたわ。

 でもまさかこれ程とは...。」


 うん、私も正直これ程とは思って無かった...。

 ”スライム特攻”って一撃死させれる程強力なものとは...。どうやら私の”武具錬成”は対象を指定すると効果が上がる様だ。

 ただしその特性はスライム以外には全く効果がないデメリットもあるけど...。


「だとしたらそれって唯一無二(アンタッチャブル)級の魔剣じゃないのか?」


 何かよく分からない単語が出て来たので、ロビラさんに聞いたところ。

 魔剣には大まかに3ランク程あり、1番低い貴重(ノーブル)級、次に神話(レジェンド)級、そして1番高いとされているのが唯一無二(アンタッチャブル)級なのだそうだ。

 そして、ドワーフの為、高名な鍛冶師との知り合いが多いロビラさんでも唯一無二(アンタッチャブル)級の武器は実際には見た事が無いそうだ。

 

「どうなのかな...分からない...。」


 クリス姉ちゃんも返答に困っている。

 そりゃあその場で創ったとか言えないよね...。


「因みにその剣の名前は何て言うんだ?」


「えっと...ジャズは”クリストフォルス”って...。」


「ブッー!!」


 クリス姉ちゃんの答えに突然ロビラさんが吹き出す。


「あぁ...そう言う事か...うん、やっぱりな...。」


 何故かロビラさんが1人で納得しながら、ブツブツと呟く。

 え?ネーミングセンスおかしかった...?


「あのな...クリス。ドワーフの職人に伝わる伝統的なプロポーズのやり方に、自分の造った最高の品物に相手の名前を付けてプレゼントするって言うのがあってな...。

 だからクリスの言っている男ってのは多分ドワーフの職人だ。

 しかも、世界最高レベルの工匠だろう。」


「本当にプロポーズだったんだ...。」


 クリス姉ちゃんが顔を真っ赤にして呟く。


 どうやらまたしても私はやらかしてしまった様だ...。

 感想等ありがとうございます。励みになります。

 更新を優先し、少し遅くなる事もありますが返信させて貰います。

 次回は水曜更新予定です。

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