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3-14 「コンビネーション」

 早くも5万PV達成しました!皆様のお陰です、ありがとうございます!『5万記念』は後書きに記載します。

 【訂正】1-12の傭兵登録試験で出てきたシルヴィアですが、傭兵では無く”冒険者”の間違いです。1-12既に修正済ですので、内容が気になる方は確認願います。

ー宗教国家エピクロス 首都ラミア郊外 鍵の迷宮


 暫く進むと周りをキョロキョロと見回すクリス姉ちゃん達のパーティが遠目に見えたので、私はフランケルに耳打ちする。


 (クリス姉ちゃん達と合流したら、皆とは転移前の態度で接し、そのまま仲間を連れて地上に帰る事。)


 (わ、分かりました!)


 (もし私の事をバラしたり、復讐を企てたりすると

千切れるのは腕だけでは済まない。)


 (ひっ...!)


 一通りこれからの事をフランケルに説明して、フランケルの装備を返してやった。




「あっ、ジャスミン!良かった無事だったのね!」


 クリス姉ちゃんが私を見つけると、全力で駆け寄って来て抱きしめられた。


「クリス姉ちゃんも無事で良かった。」


「転移先にトロールの群れが居なかった?怪我してない?」


 クリス姉ちゃんは心配して私の身体を触る。


「くすぐったいよ、クリス姉ちゃん!大丈夫だよ、フランケルさんが切った張ったの大立ち回りでトロールの群れを撃退してくれたから。

 ね?フランケルさん?」


 私はフランケルに微笑みかける。


「はい!あ...あぁ...僕が居ないと危ない所だったけど、トロール位はね。ぼ、僕も一応B級冒険者だし。」


 ちょっとぎこちないがまぁ良しとしよう。




 一通り”黄昏の輝き”のメンバーと状況を確認し、再び迷宮探査を再開しようとした時、フランケルさんが話を切り出す。


「あ、あの、クリスティーナさん。ちょっと久し振りに沢山の魔物の相手をしたからか、体調が良くないので今回はここで引き返そうと思うのですが...?」


 何か後ろで”銀狼”のメンバー達が騒いでいるが、フランケルさんが睨んで黙らせる。


「ん?別にユニオンを組んでいた訳じゃないし、私達は勝手にするので。

 あ、怪我ならヒールかけたげようか?」


「あっ、大丈夫です。その足はもう治った、ひっ!...あ、いやその...メンタル的な方なので魔法では...。」


 フランケルが何か言い出しそうだったので、クリス姉ちゃんの後ろから微笑んで(・・・・)おいた。


「うん、それじゃあ帰りも気を付けてねー。」


 クリス姉ちゃんはそう言うと手をヒラヒラとさせて、迷宮の奥へと歩き出し、私達もそれに従う。

 かなり寄り道を喰ったけど、やっと迷宮探査再開だ。




 その後、”黄昏の輝き”だけになった私達は順調に4階層へと進んだ。

 どうやらフランケルの所為で余計な道草を食った為、既に他の冒険者に先を越された様で、そこら中にトロールの死骸が転がっていた。

 さらに残党のトロール達をクリス姉ちゃんが秒殺していくので、相変わらず進みが早かった。

 ロビラさんとシルヴィアさんはクリス姉ちゃんの実力を良く知っているからか、一切手を出さず暇そうだ。私も順調に罠の紹介の役割をこなしていった。



 そして私達は第5階層までやって来た。

 そこは今までとは雰囲気が違い、火山岩の様な岩壁で覆われており、気温も今までよりもかなり高かった。

 

「ここからは気温が高くなり、”サラマンダー”も出てくるそうなので『サーマルシャッター』を掛けておきますね。」


 そう言ってシルヴィアさんは初級支援魔法の『サーマルシャッター』を全員に掛けてくれる。


「コレで暑さが和らいだと思います。」


 シルヴィアさんの言う通り、さっきまでの暑さが嘘の様に快適な外気温となった。支援魔法は初めて見るけどこれは便利だ!帰ったら”武具錬成”しとこう!




 暫く罠を検知しながら先頭を進むと、真っ赤なオオサンショウウオの様な魔物の群れがゆっくりと向かってくるのが見えた。


「サラマンダーよ!ジャスミン下がって!」


 クリス姉ちゃんはそう言い放つと私の前に出てレイピアを構える。


「私も援護しますっ!」

 

 シルヴィアさんも魔法の詠唱に入る。

 傭兵登録試験の時もそうだったが、どうやらシルヴィアさんは支援魔法以外は無詠唱で唱えられない様だ。

 いや、私が魔道具で無理やり魔法発動させてるだけで、世間一般的には詠唱して魔法を発動させるのが普通何だよね...。


 私が後ろからクリス姉ちゃんの剣捌きに見とれていると、シルヴィアさんの詠唱が終わった様でクリス姉ちゃんへ声が掛かる。


「クリス!いけます!」


『ウォーターボール!』


 クリス姉ちゃんがバックステップで下がった瞬間、サラマンダーが鳴き声を上げながら水球に吹っ飛ばされる。


「ほら、よっ...と!」


 吹っ飛ばされてひっくり返ったサラマンダーに控えていたロビラさんが抜群のタイミングでハンマーでトドメをさす。

 流石はA級パーティ”黄昏の輝き”、抜群のコンビネーションだ。





 3人の圧倒的なコンビネーションでサラマンダーを蹴散らしつつ進んで行くと3人の冒険者が見えた。

 良かった。やっと他の冒険者に追いついた様だ。


 私達が近付くと向こうも気付いた様で、その内の1人が声を掛けてくる。


「あっ!あなた達は”黄昏の輝き”の!

 てっきりもう先に行ってると思っていましたが...。」


 うん。大体変態(フランケル)の所為...。


「あ!そんな事より、”黄昏の輝き”の皆さんにお願いがあります。

 仲間を助けて下さいっ!!」


 それは血相を変えた槍使いの男の必死の懇願だった。


 5万PV記念の”閑話”を用意していたのですが、予想よりも早く訪れ、本編よりも未来の話になってしまいますので、閑話の代わりに今週は週3で本編を投稿致します。閑話を楽しみにして頂いていた方には申し訳ありません。

 そう言う訳で次回は明日木曜投稿予定です。

 

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