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3-3 「再会」

 あっさりと盗賊ヴァールを下し、首都ラミアへとやって来た黒騎士一行。そこには”あの人”との再会があった。

ー宗教国家エピクロス 首都ラミア


 首都ラミアに到着し、今回の指名依頼で雇われているもう1人の特A級冒険者との待ち合わせ場所である宿屋へと向かう。


 先頭の馬車からブルーノさんが降りて、宿屋の中へ入って行き、暫くするとブルーノさんが中から、”見慣れた”女性と一緒に出てくる。


「黒騎士殿紹介しよう。オリガ王国特A級冒険者クリスティーナ殿だ。」


 そう、クリス姉ちゃんだ!


初めまして(・・・・・)、私はクリスティーナ、クリスで良いわ。あなたの噂は聞いている。よろしく。」


 クリス姉ちゃんは少し警戒した様な以前よりも何処か暗い笑顔で、手を差し伸べて来たので、私もそれに応える。


「ジャズだ。」


 くーっ!私だよ、クリス姉ちゃん!黒騎士ロールプレイが辛い。人目もあるここで、正体を明かす訳にもいかず、私はグッとその気持ちを押し込めた。

 

 それにしてもクリス姉ちゃんって特A級の冒険者だったんだ。どうりでエクスヒールとか高位の魔法を使えたりする訳だ。


 私が勝手に納得しているとクリス姉ちゃんが話を続ける。


「実はあなたにお礼を言いたかったの。ジャズが解放してくれた奴隷の中に友人の妹が居てね。マリーって言うんだけど。

 私も奴隷組織の足取りを追っていたんだけど、まさかあんな地下に組織があったなんて思いもしなかったわ。

 本当にありがとう!」


 あぁ、あの時の女の子か!まさかクリス姉ちゃんの知り合いだったとは...。


「礼には及ばん。自分の信念でやっただけだ。人が人を飼う...奴隷など、あってはならない。」


「信念...か。私は自分の周りの人を救うので精一杯...いやそれすらも満足に出来てない...。特A級冒険者が聞いて呆れるよ...。

 そうだ、ジャズが奴隷を解放した時に”ジャスミン”って女の子を見なかった?

 9〜10歳位の可愛らしい女の子何だけど。」


 クリス姉ちゃんは以前の私には見せなかった、とても思い詰めた様な表情で聞いてくる。

 そう言えばクリス姉ちゃんに無事を知らせてなかった。これは安心させてあげないと!


「ジャスミンなら知っている。帝国との交戦中に首都オリガで見掛けたので保護した。戦争が始まったオリガ王国は危険だからとここエピクロスに向かうと言っていた。」


 私がジャスミンの生存報告をすると、先程迄とはうって変わってクリス姉ちゃんの表情が明るくなる。


「そっか...そうだったんだ...。ずっと気になってたんだ...良かった!

 それにしてもマリーといい、ジャスミンといい...本当にジャズには頭が上がらないよ!今度お礼をさせて!」


「好きでやった事だ。気にしなくていい。」


 私は黒騎士ロールプレイで素っ気なく返す。


「っ...!あ...そろそろ、会場に行かないと!」


 そう言うと、クリス姉ちゃんは急に私から顔を逸らし、会場であるエピクロス城へと駆けていく。


 そうだね、私達も行かないと。

 私はヤスとソフィと宿で別れ、オリガ国王達とエピクロス城へと向かった。





ー宗教国家エピクロス エピクロス城


 城門前で止められるが、オリガ王国国王が顔を見せると最敬礼で通される。流石国王。


 既に帝国側は集まっている様で、そのまま調停式の大広間へと通される。


 大広間に入ると左右と奥に長机が置かれており、私は一斉に注目を浴びる。

 左の帝国側のヘンペル法務官は分かるけど、他は知らない人ばかりだ。ヘンペル法務官が手前に居ることからそれ以外は全てヘンペル法務官よりも偉いのだろう。

 そして一番奥側が皇帝だろう...。


 マスグレイブ帝国皇帝ヘーゲル=フォン=マスグレイブ。

 そのカリスマ性と演説の上手さで帝国臣民を奮い立たせ、帝国をこの世界の軍事大国に押し上げた男らしい。実質的にこの男を止めないとこの世界の戦争は終わらないだろう。


 そして、奥のエピクロス側を見ると煌びやかな法衣を身に纏い、頭に大きな黒いリボンを付けた少女が手に顎を乗せて偉そうに座っていた。

 私がその少女の方を向くと、不機嫌そうに睨みつけられた。

 え?初対面なのに何か凄い睨まれてるんだけど...!?中立を誓っているエピクロスとは仲良くしときたいんだけど、幸先悪いな...。


「では黒騎士殿はそこの席に掛けてくれ。」


 私が少女に睨まれて固まっていると、ブルーノさんが声を掛けて促してくれる。


 そして、全員が席に着くのを確認し、エピクロス側の年長者が、先程の不機嫌そうな少女に声を掛ける。


「では、アリス教皇(・・)、お願いします。」


 え、あの娘が教皇なの!?教皇ってこの国のトップだよね...?


「全く...お前達と来たら...毎回毎回余に戦争の尻拭いをさせおって...!和平条約など結ぶんだったら最初からやるなと言いたい!」


 アリス教皇は億劫そうに立ち上がり、憤慨しながら条文を読み始めた。

 今回の調停内容は、主に次の二つだ。


 1.今後オリガ王国、マスグレイブ帝国間の戦争及びそれに類する行為を禁ずる。


 2.黒紅石の二国間での価格カルテルを結び、締結された条件でのみ販売する事。


 3.マスグレイブ帝国はオリガ王国に対し、賠償金を支払う事。


 帝国はマルブランシュ王国との戦争が続いており、簡単に落とせると思っていたオリガ王国に戦力と時間を掛ける位ならお金を払ってさっさと終らせようといった事だろう。



 そして何事も無く調停式は進行し、ヘーゲル皇帝とオリガ国王が仲良く握手を交わして無事に終了した。


 式典が終わり、帝国とオリガ王国との懇親目的の食事会が始まる。

 アリス教皇はやっと終わったといった感じでエピクロス側の席に戻ったので、私は中立国のエピクロスとのコネを作る為、近付き、声を掛けた。


「貴殿がこのエピクロスの...」


「寄るなっ!ゴキブリ野郎(・・・・・・)っ!!」


 何故かとんでもない言葉で罵られた。


 次回投稿は水曜です。

 「人間の女の子にモテないので、ガイノイドの女の子とハーレム作って幸せに暮らします!」(タイトル変わりました)も連載中ですので、”作者マイページ”より、是非よろしくお願いします。

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