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モノガタリのような人生  作者: 朔良遊世
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003 やっぱり買い食いは自分ですべき


 というわけで、6歳になりました。いやぁ~子供の成長は早いね。

ん?苦情は受け付けませんよ?


 だって、3歳児の日常に興味あります?ただただ寝て遊んでご飯食べてましたよ。ちゃんと成長してましたよ。なにが面白いんですか。私は興味ありませんよってことで、6歳になりました。


 でも6歳から学校に通うことができるんです!

学校ですよ!魔法が学べる!!


 いやぁ、前は学校なんて嫌いで単位制の高校に行ったりしたけど、魔法が学べるなら何でもします!

なので早く学校にいきましょ。えっ、めんどい?クラスメイトの名前とか考えたくない?やかましいわ!!

いいからさっさと話進めろや!


 「カエデ、大丈夫?息荒いよ」

「ふえっ、モミジなに?」

「ううん、大丈夫ならいい」


私としたことがモミジとの大切な時間をアホな作者との会話に費やすところだった。

危ない、危ない。

今日は家で本を読んで過ごしてる。

この世界の人のだいたいに固有スキルっていうものがあって、神の祝福って言われてるんだけど、私達のそれはちょっと変わってて、お互いの知識を共有できるってものなんだ。


 だから暇があれば私たちは本を読んでる。妖精に話を聞くのも良いんだけど、うっかり国の最重要機密まで知ったりしちゃうからこうして日々本を読んでる。


「ね、カエデ。学校楽しみ?」

「もちろんだよ。モミジは楽しみじゃないの?」

「・・・カエデが楽しみなら、私も楽しみ。」


コテンっと頭を私の肩に預ける。モミジはちょっと人見知りだから不安があるのかもしれない。

モミジの不安が無くなるように、モミジの頭をなで続ける。


『どうしたの~?』

『モミジ~?』

『おなかいたい~?』

『ぶっこわす~?』


モミジの不安を感じ取ったのか、ワラワラと妖精たちが集まってくる。


「いやいや大丈夫だよ。あとぶっ壊すって何を!?」

「うん・・・。大丈夫。ぶっ壊すのはまたこんどね。」

「ん?またこんどって?ないから、一生ないから!分かった?だからそこ、嬉しそうに返事しない!」


まったく、モミジは私よりタチが悪い。


「ぶっ壊さないのですか?…残念です」


本を片手に部屋に入ってきたのは危険人物そのいち。(ちなみに危険人物そのに。はモミジです)

彼は私達の師であり、よき理解者であり、古龍。

そう彼は人外。そう!人外なんですよ!!彼とは2年前に出会い意気投合、今ではなんでも言い合える仲です。

彼の本当の姿は数十mある白銀の日本の龍。最初は龍姿のミニ版で過ごしてたんだけど、見た目と中身のギャップが凄くて人の姿を取ってもらってます。

ほんとにミニ版姿は可愛くて、無駄にキラキラしててねーついついナデナデしちゃうくらいだったんだよ。けど中身がね…丁寧口調執事風ドS腹黒メガネキャラって言ったら分かるかな?

ああ後、女じゃないのが惜しまれるレベルの美形です。


「ハク遅い、本あったの?」

「人使いの荒い主ですねぇ、はいありましたよ」


手渡されたそれは今私達が読んでる本の原書。

ハクは古龍とあって途方もなく長い時間を生きてる。その間に人間の里に降りてきては本を買い漁っていたそうで、彼の蔵書は相当なものだ。

今回もモミジの「原書が読みたい」の一言でハクには本を探してもらってました。

モミジはようやく本がきてホクホク顔で読み始めてます。うん、可愛い。


「おや、帰ってきたようですね」


ハクの言葉通り、ドタドタとうるさい足音が聞こえてくる。この家の使用人は優秀ですからこんな風に廊下を走ったりしません。よってこの足音は、


「おい!買ってきたぞ!!」


大量の袋を持って部屋に入ってきたのは、程よく引き締まった体の野性味ある男。

彼もまた人外、獣族でオオカミの眷属。一年ほど前に出会い捕獲。彼の場合は人型・半人型・獣型の3パターンになれて、獣型のときは黒毛金目の大人の腰くらいまであるオオカミになるんだけど、今は半人型になってる。オオカミ耳と尻尾がでた状態です。

見た目や口調はヤンキー風で怖いけど、耳を撫でると口では嫌がるんだけどめっちゃ尻尾を振ってくれる可愛いやつですよ。まぁ簡単にいうとツンデレですね

そのせいもあっていじられキャラなのは仕方ないよね!

ほんと反応が初々しくてね、面白いんだよね~。


「コクおそ~い」

「お前なぁ・・・。もういいやほら、熱いから気負付けろよ」


持っていた袋の一つを渡してくれる。


「うまぁーい!!」


コクが買ってきてくれたのは市場の屋台で売られている串焼き。私もモミジもこれが大好物でよく買ってきてもらうんだ。


「で、入学の準備はしなくていいのかよ」


残りの袋をキッチンに置いて戻ってきたコクが今更の質問をする。


「してるよ~、って言っても私達がすることないしね」

「モグモグ。うん、全部お父さんとお兄ちゃんがしてくれる、モグモグ。」

「そうか、って食べながら話すなモミジ」


ああ、言い忘れたけどコクはオカンでもあります。

でもね本当にやることが無いんだよね~。学校よいうより学園って感じなんだけど、システムは日本と同じで違うところは寮生活をすることぐらいかな?イギリスの伝統的な学校をイメージしてもらえればいいかな。

まぁそれでね、教科書等はもう届いててさっきモミジが読んでいたのもそのひとつ。制服等は学園の寮に直接届くようになってるし、学園に持っていく服はお父さんとお兄ちゃんが送ってくれるって言ってたから、私達がする準備はないんだよね。


「なぁ、俺らってどうすればいいんだ?」

「どうって?一緒に来るでしょ?」

「ああそれはそうだけど、このままじゃまずいだろ」


確かにそうだよね、さてどうしようか。


「私は教師としていくつもりですよ」


ハクは歴史学の教師としてついてきてくれるけど、コクは教師って感じしないし教え方下手だろうし、そうだなぁ・・・


「そのままでいいと思う、」

「あーそうだよね。さすがモミジ」

「本当さすがです」

「ん?」


よしよしと思いっきり撫でてあげる。う~ん!可愛い、本当に目に入れても痛くないくらい可愛いよ!!


「いや、どういうことだよ」

「だから私達のペットとして来ればいいでしょ」


この世界では従獣というのは珍しくない。だから学園に連れていく事もできる。モミジはそのことを指摘してくれたんだ。

さてコクも理解できたところで、早く入学しようよ~!ってことで早送りプリーズ!!








読んで下さりありがとうございます。


今回は少し長めにしてみました。

新たに登場人物も増え、これからも増えるのかと思うと胃が痛いです。

最後にカエデ達が父親と兄を「お父さん」「お兄ちゃん」と呼んでいるのはカエデがついそう呼んでしまったからです。



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