転生五日目~いざ、王都へ!~
ファルシュに王都へ着くと聞いた
私は、目の前に立ちふさがる金色の大きな門を見て唖然としていた。
「ファルシュ、この明らかに大きい門...何なの?」
「こ、この門は...大魔導士様が作られた...「ウァタイル」という
王都に魔物が入らないための...対策網?みたいなものですね。
門に通った時に...聖人なら何の害もなく入れるのですが...
魔物が立ち寄った際には...雷魔法で駆除するんです...
ただ...判別には聖人への敵意が...あるかどうかなので...
魔物の中では...少ないのですが...友好的生物には害はありませんよ。」
「ウァタイル」...大魔導士が作った荷物検査機械的な感じか。
ファンタジー道具が多いな、この世界のもの。
...これ、ウルフが引っかかったりとかしないよね?
すんごく気になるんだけどさ、おそらく、ウルフに万が一落雷した際には
電気の威力は未知数だけど...私も恐らく感電して死ぬ可能性が高いんだよな。
第一の死亡フラグが立ってんだろうな、今この瞬間。
お願いだ、ウルフ。人間へ敵意を持たないでくれ。
じゃないと私の命が...死因感電で死んじゃうんだぞ。
それはあまりにも無様だろう。なんかの小説でもさすがに感電死はないし。
...まぁいい。ポジティブに行こうじゃないか。
「そうなんだ!案内してくれてありがとうね!こっから先は一人で行くよ。」
私がファルシュに頼んだのは、王都までの案内だ。
この世界を知らなさすぎるのに...迷惑をかけられないのだから。
「...い、いえ。確かにあなたはいろいろ変わっていますが...
でも、私だってこの世界に無知すぎるあなたをほおっては...いけません。
だから私は...貴方についていきますよ。絶対に。」
わお。見事な正論をぶちかまされたよ、私。
そら無知な人間がうろうろしてたらいやだわな、普通。
「...ありがと。じゃ、もうちょい付き合ってもらいますかね。」
「えぇ、もちろんですよ。」
そして、私たちは王都への門へと踏み出す。...お願いだ、落雷ハンターイ!
.........お?痛くないぞ?
気が付くと普通に私は門を超えていた。
「...何身構えてるんですか?ルミナスさん。」
...ファルシュが変な目で私を見つめていた。
どうしよう。すんごく恥ずかしいんだけど...
ゲフンゲフン、王都の奥には洋風なお城がでかでかと立っていた。
それから延びるように店や家が立ち並んでいた。
「おいしいサルフ、どうですかー!」
「ルルクはいかがですか?とてもおいしいですよ!」
目の前には商売合戦が起きているのだが。
全く聞いたことのない単語しか聞こえない。
「こちらは、第一街路の商店市場なんですけど...様々な特産物が並んでいます。
食べたいと思うかもしれませんが...まず、聞いておきます。
...冒険紋章は...持ってますよね?」
これは当然、とばかりにファルシュが私を見つめているが...
私は異世界人だ。そんなもの...
「うん、何それ?」
満面の笑顔で全力返答だ。
常識はずれな事を言ってる時ほど...ね?
「本当にあなたは何者なんですか!?」
勿論、ファルシュも驚きを隠せないようだ。