転生二日目~旅をしよう~
目を開くと、カーテンの隙間から光が差し込んでいた。
転生してすぐだったからか、見慣れない光景だ。
昨日まで当たり前だった家族のおはようの声は聞こえない。
唐突に転生(元の世界では死んだ)のと同じくして
唐突にぼっち(ウルフは別として)になったんだし…
取り敢えず暇だしごろごろする。するとウルフが驚いて起きた。
「ごめん。」と謝った後に、ふと昔見たアニメを思い出した。
………待てよ。一人になったということは、何をしてもいいということ。
それはゲームで課金しても、好きな時にどこに行ってもいいということではないか。
ゲームで課金はスマホがないからできないけど、どこに行ってもいいのなら………
アニメでおなじみの旅をしてもいいということではないか!
なんだかんだ言ってあこがれてたけど、転生前は学校もあったし、
金が尽きたらGAMEOVERだったからできなかったんだよね。
でも今なら服も食材も住居も自分で創り出すことができる。
学校もたぶんだけどこの世界には存在してまいし、
其れ即ち特に困るようなこともないではないか。
多分だけどこのままここにいても、ウルフとともに孤独かもしれないけど
きっと旅をすれば、仲間の一人でも見つかるだろうし。
せっかく家を建てたけど、アイテムにしまえるだろうからオッケーだろう。
まぁ、行く先行く先で家を出してたら「動く家」みたいになりそうだけど。
家を建てるためのスペースがいるだろうけど。
まぁ、その時はテントを創って代用だ。
よし、そうと決まれば朝食だ。着替えもして旅の準備でもしようっと。
ついでに家とか着替えはアイテムにしまっちゃおう。
ーーーーーー数分後ーーーーーーー
よし、これでオッケーだろう。
家をしまうときにウルフが「くうぅぅぅぅうん………」と悲しげにないたが仕方あるまい。
にしても、今日はどこへ行こうか。
今まで見た二次元ものでは町にあるクエストボードみたいなので依頼を受けて
モンスター倒したり、採取をしたりするんだったっけ。
あと、クエストに受けるためには王都でハンター登録が必要、とかもあったはず。
それならばまず、王都を目指そうか。
でも、ウルフを連れてたらいろいろ問題になりそうだし...
あ!そうだ。確か透明化薬みたいなのがあれば便利だろう。
姿が見えなくなるし、それで肩に乗せておけば大丈夫でしょ。
そうと決まれば...
「「創造」透明化薬。」
そう唱えると、明らかに薬が入った箱が出てきた。
取り敢えず開けると、薬がたくさん入っていた。
それを一粒ウルフに飲ませる。すると、見る見るうちにウルフが見えなくなった。
「おーい、ウルフ?」
「アン!」
すると、さっきまでウルフがいたところから声がした。
そこを触るとふわふわしたので、ウルフを肩に乗せて私は王都を目指した。