転生一日目 転生かんりょー✰~そして大問題発覚する事になった~
とりあえず転生が完了したみたいだ。
確か、こういう転生をしたらまずステータスを見るという流れがあるはず...!
小説によればステータス、と唱えると...
あ、なんか出てきた!
【ルミナス】
レベル1 人族〈職業が設定されていません〉
持久力:70000000000000
力:100000000000000
魔力:500000000000000
防御力:150000000000000
魔法防御力:400000000000000
必殺度:15000000000000
運:20000000000000
スキル:正義感と度胸(固定スキル)
神聖武器使創造
瞬間撃滅透視眼
絶対耐久
アイテム:最上級のベッド、最上級のソファ、最上級のテーブル、最上級の本棚、神聖の武器、聖竜からの手紙
..........は?
何このステータス...小説とかの転生もチートだけど、さすがにここまででは無かったはずだ。スキルも何か凄そうなやつしか無いし、アイテムに至っては最上級の家具しかないし神聖の武器やら聖竜からの手紙やらもうなんなんだよ!
しかも名前が変貌してるし、職業なんか設定されてないじゃないか!
何なんだ!なんなんだよ!
「ヴゥゥゥゥゥゥゥ...」
!謎の唸り声がしたので後ろを振り返るとかわいい犬の様なものがいた。
ていうかなんか見えるし!
【ウルフ】
レベル5 魔物
持久力:15
力:19
魔力:0
防御力:5
魔法防御力:4
必殺度:0
運:2
スキル:なし
アイテム:なし
弱っ‼!てか魔物だ!
えっと...アイテム、神聖の武器と唱える。
すると手に金色のなんか豪華な武器が現れる。
倒すのはかわいそうだけど...ごめんと言って剣を振りおろ...せず。
〈スキル 正義感と度胸を発動します〉
「どうしてあなたは私を襲うの!それであなたは良いの?
...だいたいね...」
私の口からどんどんこんな言葉が漏れ出す。
え?別に私こんな説教したくないんだけど...
手が動かず、なぜか説教を始めてしまった。
なんか聞こえたよ...さっき。
何だったんだ...何だというのか。
「くぅぅぅぅぅぅぅぅん...」
さっきの魔物が
許してとばかりに私に視線を向ける。
いつの間にか説教は収まっていた。
「何か...ごめんね?」
そう言って私はその場を去る。
あの謎の説教の原因が分からなければ、
恐らく私はあの説教をし続けるかもしれない。
それでは私の異世界ライフが...
森を進んでき、足を止める。
「アン!」
謎の鳴き声がしたので後ろを振り返る。
すると、さっきのウルフがついてきていたのだ!
「くぅぅぅぅぅぅぅぅん」
そう言って私をすりすりしてくる。
...なつかれてしまったようだ。私。
まぁ、一人でいるよりはましだし
一緒に暮らしてもらうか。
こうして私はウルフをペットにした。
ーーーーー ----
取り敢えず、ウルフをペットにしたのはいいけど...
我ながら何だったんだあの説教は...ん?ちょっと待てよ...まさか...
いやな予感がして私はもう一度ステータスと唱える。
数字が出たとたんにスキル欄を見てみた。
そしてそのスキルの名前の触れてみると、
「正義感と度胸(固定スキル)」
100%発動のルミナス専用のスキル。
自身の正義感と度胸で敵が何体であっても説教を始める。
(尚、このスキルの取り外は不可能。)
...即原因発覚。
このスキルだ、このスキルがさっきの戦闘を邪魔したんだ。
「自身の正義感と度胸で敵が何体であっても説教を始める。」
曲者スキルだな。この野郎。
ていうかそもそもあの聖竜め。
なんでチート能力をつけておきながらそれを相殺するスキルを付けた?
.........ん?聖竜と言えばどっかに...あ、これだ。
「聖竜からの手紙」
アイテム欄にこんなものがあったのだ。
今すぐ読んでもいいけど...誰かに見られたら困るし...
仕方ない。家で読むか...家...家...
はっ!...ていうか私の家なんかこの世界にないじゃん!
それに家がなかったら手紙読まれるより困るじゃん!
ならば、先に家の確保を...できれば人の多いところがいい。
でも...ウルフがいるではないか。
そもそもウルフは魔物だ
...魔物を引き連れた女が町にいたら...大騒ぎだ。
おそらく町にいる人間にウルフが殺されてしまうだろう。
仕方ないがこの辺にひっそり暮らしたほうがウルフには安全かもしれない。
この辺に家はないけど。暮らす家なんて建ってないけど。
でも...建っていないなら自分で建てればいいんだ!
さっき見たスキル欄には確か「創造」というものがあったはず。
名前からしたら、何かを創り出せるスキルに違いない。
それなら、家を創るのだって容易なことのはず。
私は「創造、家」と唱える。
うおっ、またなんか見えたぞ。
今現在私の目に映っているのは
物件別の外見と間取り図、
その隣に名前や詳細な情報が表示されたカタログのようなもの。
外見的に見ていくと
赤と白のシンプルな家もあれば、王宮のような豪華な家もあった。
...今いる位置では王宮のような家は建てられないだろうから...
なるべくこの位置で収まるサイズでシンプルなもの、
欲を言えば魔物に襲われても大丈夫な頑丈な家があればそれにしたい。
が、そんなものあるW...あった!
「ノークラッシュハウス」
名前は残念だが、
私が好きな屋根が濃い茶色で下の住むところが白っぽい茶色の家。
見た目がシンプルだし、
サイズは一人と一匹暮らし用。私とガルルなら一人と一匹だし、
そのくらいならこの位置で収まるだろう。
それに最強の魔物でも神でも破壊できない
ガードという素材が使われている家らしい。
私の条件に沿って作られた家も同然だ!
私はノークラッシュハウスの項目を押す。
するとマス目に区切られた地形と
ノークラッシュハウスの模型が現れていた。
...おそらく場所を選ぶのだろう。
頭の中で家を右に行かせてみると模型も一マス分動いた。
成程、こういう風にやるのか。
取り敢えず家を真ん中に行かせるように頭の中でやっていると、
家も同じく真ん中へ動いた。
よし、この辺でいいだろう。
そして頭の中で家を地面に降ろす。と模型も同じく地面に着陸した。
...中に入ってみよう。
扉を開いてみると、棒状の木で敷き詰められた床と
白い漆喰の様なものが塗られた壁の部屋があった。
何もないから殺風景な部屋だが、確か家具はアイテム欄に
最上級縛りの家具があったはずだ。それを置こう。
もう一度ステータスと唱え、
アイテム欄の最上級のベットの文字に触れる。
すると目の前に、家を建てた時と同じ
マス目に区切られた空間と、ベッドの模型が見えていた。
さっきと同じ方法で部屋の隅に移動させ、降ろす。
そんなかんだですべての家具を移動させて、
取り敢えず家具置きは終了。私はソファに体を沈ませた。
あ、ふわふわだな。このソファ。
取り敢えず私はまたステータスを出し、
アイテム欄から「聖竜からの手紙」を取り出す。
すると白い紙の端に水色の線が入った封筒が出てきた。
それから紙を出して読んでみた。
「白夜 光さんへ
取り敢えず、転生は成功しましたか?
あなたには伝えてないことがあったので付け足しておきます。
そちらの世界は「イヴィルネス大陸」と「セイクレッド大陸」の
二つの大陸でできた「ジハード」という世界です。
「イヴィルネス大陸」は魔王が統べる魔物や悪魔のいる大陸で
「セイクレッド大陸」は聖王が統べる騎士や天使のいる大陸...
まぁ簡単に言えば大陸=国とでも考えておいてください。
「イヴィルネス大陸」と「セイクレッド大陸」は対立しています。
理由?そんなの知りませんよ。
で、余談ですが「イヴィルネス大陸」の民の事は魔人
「セイクレッド大陸」の民は聖人というそうです。
あなたは聖人よりの姿なので、魔物に襲われる可能性があります。
転生前のあなたでは、ウルフにさえ負けそうだったので
弱いあなたの為になるべくほぼ死なないステータスとスキルを用意しました。
というより病気にならない限りは死なないステータスです。
良かったですね。私がとっても優しい竜で。
ですが、一応失敗してしまった点も言っておきます。
まずは名前。光からルミナスに変えさせていただきました。
そしてスキル。貴方の「度が過ぎた正義感と度胸」が
引き継がれてしまってせっかくのスキルが台無しになってしまいました。
...それは自己責任ですよ。
あと兵種はあなたの好きなものにしてもらいたいので、
設定はしていません。
以上ですかね。では、貴方の良き異世界ライフが歩めますよう。」
もう半壊してますよ。
にしてもやっぱり聖竜のせいだったか、一部自己責任だけど。
ま、そんなの気にせずに取り敢えず兵種設定でもしますか!
もう一度ステータスを起動し、ステータスの兵種欄に触れると
沢山の兵種が出てきた。騎士に天使、堕天使に悪魔。
なんか中二病ぽいのがたくさんあった。
取り敢えず一通り見て、一番良かったのが
「裁判長」
ルミナス専用。世界の善と悪を見極める者。
善には力を与え、悪には説教してその志を正すこともできる。
これだ。
実は私、大人になったら裁判官みたいなのになりたかったんだよねー。
というわけで兵種は「裁判長」にした。
あーお腹すいた。
「創造」で料理創っちゃお。
勿論ウルフの分も。肉でいいよね?たぶん。
ーーーー数分後ーーーー
取り敢えず私はハンバーガーを創った。
ウルフは肉。とりあえず。
ウルフに肉を与えると、ウルフは目を輝かせて食べ始めた。
それを見て私もハンバーガーを頬張る。うん、美味しい。
因みにハンバーガーはベジタブルバーガーだ。
食べていくと、いつの間にか完食していた。
ウルフのほうも。もはや肉についていた骨で遊んでいる。
外を見ると、もう夜になっていた。
シャワー浴びよっかな。もう。
勿論この家はシャワーもついているしキッチンもある。
取り敢えず今日はシャワー浴びて寝ようかな。疲れたし。
まぁ明日はウルフをお風呂に入れてあげよう。
さ、そうと決まれば風呂行きだ。
勿論「創造」で服を創って。
ーーーー数分後ーーーー
あーさっぱりした、やっぱり風呂には癒されるね。うん。
そして...ベッドヘダーイブ!
私はベッドにダイブしてごろごろする。
...ふわふわ...さいこー。
最上級なだけあっていいふわふわ感だ。
ごろごろしている私を見てウルフも私のベッドに乗って丸まった。
よし、もう寝れる...
私は電気を消してぐっすりと眠った。