ソウルハンター(3)
霊魂管理庁でソウルハンターの認定証書を受領して来た日の夜。
俺の合格祝賀会と銘打って、家でお祝いの夕食会を開いてくれた。龍岳さんも今夜は一旦このためだけに帰宅してくれていた。深夜にまた出掛けるようだ。
「では、真生君の認定試験合格を祝して乾杯!」
「かんぱ~い!」
幽奈さん手作りのディナーを前にジュースで乾杯をした。
「でも、真生、頑張ったよね。こんなに短期間で合格できるなんて、ちょっとは見直したわよ」
「なんか霊奈に初めて褒めてもらった気がするな」
「何よ……。私は別にツンデレじゃないんだからね」
――そう言っているだけで十分ツンデレだと思うんだが。
「そうだ。真生兄ちゃん。今度の日曜日は妖奈もお仕事お休みだから一緒にお出かけしようよ。真生兄ちゃんのお祝いのプレゼントも買ってあげる」
いや、嬉しいけど、アイドルと二人きりで買い物って色々と問題があるだろう。でも妖奈ちゃんとお出掛けするのも悪くない。
――そうだ。霊奈を巻き込もう。
「霊奈。霊奈も一緒に行かないか?」
「えっ、あ、あたしも?」
「そうだよ。妖奈ちゃんと二人きりだと変な誤解をする奴もいるからな」
「何よ、それ! 私のこと?」
「妖奈ちゃんのファンの子達だよ」
――まあ、お前もそうだけどな。
「霊奈、日曜日はソウルハンターの仕事を休んでも良いんだろう? 一緒に行こうぜ」
「ま、まあ、真生のお祝いを兼ねてだから行ってあげても良いわよ」
「おう、それじゃ行こうぜ。……あっ、そうだ。せっかくだから、幽奈さんも一緒にどうですか?」
「私は家のことがありますから……」
「幽奈。幽奈もたまには外にお出掛けしたら」
「そうだよ。妖奈が幽奈と一緒にお出掛けしたのって、もう憶えていないくらい前のような気がするし」
いつも家事をしてくれている幽奈さんに、霊奈と妖奈ちゃんもやっぱり感謝をしているんだろうな。俺の提案に二人とも乗ってきてくれた。
「でも……」
「幽奈、みんながせっかく言ってくれているんだから行っておいで。儂はここしばらくは帰りも遅くなるはずだから食事の用意はしなくて良い」
「お父様がそう言ってくださるのなら……」
「やった~! 姉妹みんなでお出掛けなんで本当に久しぶりだよね」
妖奈ちゃんも本当に嬉しそうだった。
「真生君。日曜日は娘達を頼む」
「いえ、頼むと言われても……」
「君が来てくれてから、何だか龍真がいた時のように家の中が明るくなったような気がする」
「そんな……」
「ところで、真生君。儂からも一つお願いがあるのだが訊いてくれないか?」
「はい? 何でしょう?」
「儂と一緒に党本部に来てもらいたい」
「はあ?」
「ソウルハンターになると、未成年者でも選挙権や被選挙権が付与されることは知っているだろう」
「はい」
「霊魂や地獄の管理が獄界政府の第一の責務だ。その霊魂の管理に欠かすことができない職業であるソウルハンターは、例え未成年者であっても獄界政体の構成員たり得るといえるわけだ。つまり、真生君もこの世界のことについて、同年代の人よりも一足先に考えなければならなくなったということだよ。だからその第一歩として、我が党を案内しようと思ってね」




