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第二十七話

更新が遅れた上に短いですぅぅぅ。


以前より「羽田運動場」と記載しておりましたが、1917年には「羽田飛行場」としてしっかり存在していたようです。

なので、前話も全て「羽田飛行場」として記載しなおしております。

~~~ 昭和6年 5月15日 統合作戦本部 執務室 ~~~


今日より品川に予定している、新国防省の建設が始まる。

始まると言っても、住んでいた住民の立ち退きが開始されたと言うべきだろう。


住民の立ち退きが次第建物は壊され、更地となる。

因みに引っ越し作業は陸軍の支援大隊が手伝う事となり、午前の作業を聞いたところによると順調のようだ。

新国防省の建設の図面はすでに出来上がっている。

土地が空き次第建設工事が官民共同で開始される事となっている。


そして、今年の頭に軍の通信・電探開発に伴う試験が4月にはいって実施されている。

海軍からは重巡洋艦の古鷹・加古が改造を受け、試験に参加している。

試験開始から一ヶ月が経過した時点では順調との事らしい。


ただし、電探に関しては電算の開発が遅れている為に、なかなか成果がでていないらしい。

まぁこればっかりはじっくり開発していくしかないだろう。


~~~ 昭和6年 7月10日 羽田飛行場 空軍訓練学校 ~~~


今日俺は空軍士官候補生達に制空権の必要性を講義をした後、空軍学校校長に挨拶している。

因みに空軍学校の校長は山本五十六空軍次官が兼任している。


「今日はご苦労だったね」


「いえ、これから軍を担う雛鳥を育てるのです。責任重大ですよ」


「その通りだ。君を含め、今の若い世代がこれからの帝国を守っていくのだからな」


「はい。ですが、まだまだ閣下達の経験は必要です」


山本次官は少し照れたような顔で笑うのだった。


俺は校長室を辞し、廊下を歩きながら史実とは違う出来事を考えていた。


まず、6月27日に史実で発生した中村大尉事件。

陸軍参謀中村震太郎大尉と他3名が調査旅行中に拘束・殺害された事件だ。

この事件が元で満州事変が発生した。


この世界でも中村大尉の調査旅行は行われた。しかし、拘束はされたが殺害までは免れた。

理由として満州は親日に傾きつつあり、事件を知った帝国陸軍はすぐさま事件の謝罪と、当事者を調査・軍法会議にかけると言う事で一件が落着した。

因みにこの中村大尉は懲戒処分となり、階級降格処分の受け、さらには左遷されている。

この事後処理にも満州からは信頼をさらに得たようだった。


他には万宝山事件・朝鮮排華事件も同日時に史実通り発生したが規模は小さかった。

これは朝鮮人の独立を帝国が認めた事に関係がある。

満州に住んでいる朝鮮人も、独立の話を聞くと自主的に移動を始めた人々が多かったからだ。なので、この事件も発生したが、すぐに鎮圧と言う事にあいなった。


そんな事を考えながら歩いていたら、廊下の曲がり角で突然ぶつかられた。


「おっとっと……大丈夫かい? 」


ぶつかられたが、そんなに強い衝撃は無かった。それもそのはず、ぶつかってきたのは俺より小柄な女性の士官候補生だったからだ。

ぶつかってきた士官候補生は顔を抑えながら尻餅をついている。

連れの士官候補生が「大丈夫? 」様子を見ているようだ。


二人が俺の顔と階級を確認すると、二人は飛び上がるように起き上がり敬礼した。


「み、三好教官! も、申し訳ありませんでした! 」


「……えっと、氷室候補生だったかな。怪我はない? 廊下は走らないようにね」


俺は二人の反応に苦笑しながら答える。

彼女達はもう一度敬礼すると、目的地へ去っていったのだった。




これが俺と彼女の直接的な出会いだった。


~~~ 昭和6年 8月25日 羽田飛行場 ~~~


今日は羽田飛行場の開港日。

羽田飛行場自体は以前から存在していたが、民間の航空機も取り扱うって事で開港記念式典が開かれている。

これから羽田飛行場は軍民が共用で使用する飛行場となり、目下滑走路の増設と管制塔・格納庫が拡大工事が実施されている。


羽田飛行場の開港は史実通り。

滑走路や施設の拡大は史実より進んでいる。

史実とは違う点では、海軍でもおこっている。


高雄級重巡洋艦の四番艦(担当:佐世保)がまだ進水すらしていない。

史実では四番艦・鳥海は1931年4月5日に進水しているが、この世界ではまだ建造中だ。

理由は船体全てを溶接する為と、バルバス・バウを取り付ける為だ。


当初は全て溶接するだけと楽観視していた造船技術者達だが、その溶接直後の検査で愕然としたらしい。


上手く溶接ができていない、もしくはすぐに溶接部分が割れてしまったと言うことだった。


焦った技術者達だが、再度溶接技術を一から研究。

再度溶接をおこなう事で、技術の習得を進めた。

おかげで建造費は他の3艦より高くついた物の、溶接技術による船体建造の技術が史実より進んだのだった。

因みに進水予定は来月の5日に予定がされているが、船体全部の溶接とバルバス・バウ取り付けを半年で改修したのは、寧ろ奇跡的な早さだと思う。


~~~ 昭和6年 9月2日 統合作戦本部 ~~~


この日は突如統合作戦本部に首相・外務大臣・商工大臣が訪れた。

どうやらドイツ企業との進展があったようだ。


「今日は突然お邪魔してすまないね」


首相がそう切り出すと本部長が「とんでもない」と首を横に振るのだった。


「さっそく本題に入りたいと思います。まずはこれをご覧ください」


そう商工大臣が報告書を本部長・副本部長、そして俺に配る。


「先日外務省に届けられた駐独大使代理の吉田大使からの報告書を説明する」


商工大臣の説明内容は次の通りだった。

・ドイツ企業との交渉が纏まり、下名(吉田茂)が各企業との結果について報告書を纏めた。

①最優先案件の「ティッセン」との交渉は、鉄鋼技術供与が決定。見返りにティッセンへの造船技術技師の日本帝国への研修を実施する事。

②「ラインメタル」については、双方が得意分野となる砲の技術交換をおこなう事を締結。

③「ダイムラー」はこれから拡大するであろうアジア市場の件を含め交渉中ではあるが、いまだに折り合いはついていなが、最新のトラック10台を帝国に売却する事を認める。

④「BMW」については航空機は日独にて共同開発する事が決定。自動車に関しては日本帝国との共同開発はおこなわないが、日本帝国内での生産・販売は実施する。

と言う事が決まった。

※ご意見・ご感想ありましたが、宜しくお願いいたします。


主人公にロマンス…だと?

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